ベトナムのメディア-ニュースサイトでは、ECに関する記事をよく目にします。そこでここ3ヶ月ほどの間に書かれた各ニュース記事の内容から、ベトナムのEC市場に関する各種データを調べてみました。

ベトナムのEC市場(BtoC)の急拡大

<ベトナム直近5年間におけるEC市場規模>
2012年、7~8億ドル
2013年、22億ドル
2014年、29.7億ドル(EC化率2.1%)
2015年、40億ドル(EC化率2.8%)
2016年、50億ドル
2017年予想、約60億ドル超
2020年予想、約100億ドル(EC化率5%)

<参考:日本直近5年間におけるEC市場規模>
2012年、1,192億ドル、9兆5130億円
2013年、1,144億ドル、11兆1660億円
2014年、1,208億ドル、12兆7970億円(EC化率4.37%)
2015年、1,138億ドル、13兆7746億円(EC化率4.75%)
2016年、1,397億ドル、15.2兆円
2017年予想、1,461億ドル、16.8兆円
2020年予想、1,991億ドル、22.9兆円

EC化率は、BtoCにおけるEC取引総額 / 小売り取引総額です。為替は年平均レートを利用し、2017年以降は現状の1ドル115円で計算しています。日本の場合ドル換算すると為替レートでだいぶ変動していますが、両国ともに市場としては一貫して大きくなっていることがわかります。日本のデータは、こちらこちらより。

急成長する市場を狙ってECサイトの数も急増中

ベトナムのECは、年25%の勢いで成長しておりベトナムのメディアでも「日本に比べて2.5倍の速度で成長した」と報じています。実際に2015から2016年へかけての成長率は日本が10%、ベトナムが25%です。なお今年2017年ベトナムのECは、22%の成長が見込まれています。

またベトナムでは単に利用者の増加だけではなく、1人あたりのEC購入金額も増えています。
2014年、1人あたり月145ドル分を購入
2015年、1人あたり月160ドル分を購入
2020年、1人あたり月350ドル分を購入見込み

なお長期目標として2016年から5年以内に100億ドルという政府の予想もありましたが、マスターカードの担当者は、2017年にECの市場規模が80億ドルになる可能性があると期待しており、より速い成長の可能性もあるようです。その理由としては、プリペイドタイプのマスターカード発行枚数増加と、後述の4Gエリアの本格展開にあります。

ベトナムのEC利用者は、どこにいるのか?

ベトナムの全人口の45%(4,095万人)がインターネットを使用し、その内の28%(約1150万人)がオンラインショッピングをしたことがあるそうですが、人口比で17%しかないホーチミン(842万人)とハノイ(760万人)の両都市において、ECを通じた購入の70%が行われている様です。
逆を返せば残り83%の人口を開拓することでECの伸びしろは大きいものの、田舎(農村)は、インターネット利用者のアクセス環境や、収入などの面で開拓は非常に難しい状況です。その一方、総都市人口のうちホーチミンとハノイは半数で、残り半数が大~小都市(例:ダナン、カントー、ハイフォンetc)に住んでいることや、都市部の人口は年3.2%で増えていることなどから、地方都市を中心としたECのマーケット開拓の伸びしろはまだあると見られています。

ベトナムのEC拡大を支えるスマートフォン利用者の増加

ベトナムでは、人口100人当たり131台の携帯電話を保有しており(参考までにアメリカは、100人当たり100台、ドイツは100人当たり123台)、またベトナム人のインターネット接続時間は、週24.7時間(参考までにシンガポールは、週25.9時間)といずれも先進国並みに高い特徴があります。

携帯電話ユーザーのうちスマートフォン比率は、ベトナム全土で70%超、田舎では最大50%と言われており、ベトナム情報通信省によるとベトナムのスマートフォンの利用者数は現在3500万人で、都市部のスマートフォン利用者の半数がオンラインショッピングをした経験があると報じられています。

小売り事業者Picoによるとベトナムのスマートフォン利用者は、PC利用者に比べて2倍超、商品情報を探すといった傾向があるものの、現状3Gによるアクセスの遅さや遅延などがネックになっています。今年から本格的に拡大する4Gに切り替わることで、読み込みなどが早くなり20%ほど売り上げが増加するのではないかと予測しているようです。

以上より、ホーチミン、ハノイから地方都市まで4Gエリアが一気に拡大することで、スマホを通じたEC取引の拡大が進んでいくことが予想できます。

ベトナムEC拡大の課題

一方でEC市場拡大の最大の障壁は、支払いに関する顧客の信頼感であり、現金での支払いは、まだ91%を占めています。電子商取引におけるオンライン決済比率は、2014年の5%が2015年に7%へわずかに増加した程度でしかありません。

別のサイトの記事においても、
・商品を受け取った後=または受け取りと同時に支払いする方法が90%
・ネットバンクでの振込や各種カードを使った支払い方法が15%
以前の記事で書いたように、後払い&現金払いが主流です。ちなみに配送手段としては、バイクや自動車などを使ったケースが多いようです。

AEONが始めたベトナムECサイトでも代引きを始め、様々な決済手段を提供中

その他ベトナムのECサイト全般の課題として、配送(地方での配送手段、届かない、違うものが届く)、アフターサポートが低いことも問題となってます。

ベトナムのEC市場は、他国と比べるとまだ市場規模は小さく2015年のベトナム40億ドルに対して、アメリカのEC市場は3,550億ドル、韓国は380億ドル、中国は6,370億ドルでした。地方都市まで4Gが拡大した後、さらに飛躍するには上記のような課題を解決していく必要があります。
また先日取り上げたFacebookを通じての直接販売急拡大についてですが、翌日の日経新聞の記事にFacebookベトナム法人の担当者の話として「年商100万ドルを超す個人が50人以上はいる」とありました。ベトナムのネット人口のほぼ全員でもある4000万人のFacebook利用者は、今後さらに拡大していくと見られており、この分野がベトナムのECにおける本命になるかもしれません

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