ベトナムではGrabタクシーやUberといったタクシー配車サービスがここ1~2年ほどで急速に広がり、既存のタクシー事業者の経営が悪化するほどですが、スマホアプリなどを活用したシェアリングエコノミーの流れは、ベトナムにおいてもBtoB(企業間取引)の運送業(陸上輸送、河川輸送、海上輸送)にまで及んでいます。

1.水上輸送が盛んなベトナムに登場したIZIFIX

陸路だと1700km以上と南北に長いベトナムの国土には、西から東の南シナ海へと国土を横断して多くの河川が流れており、大都市においてもホーチミンの場合はサイゴン川&ドンナイ川、ハノイの場合は紅河といった大きな河川に面しています。
それゆえ高速道路網など交通インフラの整備状況の遅れもあって、以前から河川や南シナ海を利用した水上、海上輸送が盛んな国です。

ホーチミンを流れるサイゴン川では大型の貨物船も航行・停泊している

しかし往復共に満杯で荷物を積むことができれば収益が最大化するものの、そこまで荷物が無い場合や片道だけ何も運ぶものが無いこともあり、荷物(運送収益)を確保したい船主側のニーズ、そういった船便を使って安く運送したいという荷主側のニーズそれぞれが存在していました。

そういった中、陸路トラック輸送、河川における水上輸送、海上輸送(ベトナム国内&国外)の3手段それぞれにおいて、船主(運送業者)と荷主(積荷)をスマホアプリを使って繋ぐ「IZIFIX」というサービスが昨年登場しました。PCでも確認できますが、最初からスマホアプリでも利用できるようにしています。
Android版
iOS版


どのようなアプリなのかは、上記の動画でも確認できます。機能としてベトナム国内の場所や運搬手段の種類などを選択して検索できるようになっています。

掲載されているものを見ると日付や経路と合わせて空き情報を掲載して荷主を募集しており、また運送手段(トラックや船舶)などの販売情報も掲載されています。

興味ある人は、電話、Email、SMSなどで直接コンタクトするようになっており、また掲載料金や取引が成立した場合の料金なども有料であるとの表記は見当たらず、現在は全て無料で使えるサービスとなっています。

2.IZIFIXで募集/掲載されている内容

では具体的にどのような取引が掲載されているのかについて見てみます。(以下のリンクは執筆時点のもので閲覧時には終了している可能性があります)

2-1:陸上輸送に掲載されている内容


◆画像はIZIFIXに掲載されている6月1日の18:00出発 ニャチャンからホーチミンへのコンテナ車、積荷募集

◆特に日付を指定せずホーチミン内で10トントラック、毎日の利用者募集といった新規取引先の募集

◆販売情報として1.4トンのトラック(ダンプカー?)を売ります。価格は、3億700万ドン(150万円)など

2-2:河川輸送に掲載されている内容

河川運搬船(800トン)で6月3日にロンアンからホーチミンまでの積荷を募集


◆画像はIZIFIXに掲載されている6月3日~6月5日にかけて、ホーチミンからドンナイまでソーダ灰(炭酸ナトリウム)4900トンを運んでくれる運搬船を募集、金額は交渉。


◆画像はIZIFIXに掲載されている1465トンの運搬船を売りますという販売情報、価格は52億ドン(2600万円)

ベトナムにおける船舶の取引については、相場を知らないのでこれが安いのか高いのか不明ですが、様々な河川輸送船の販売情報が掲載されています。

2-3:海上輸送に掲載されている内容

6月20日~6月25日の間にフィリピンのGeneral Santos Cityからホーチミンまでコプラ材などを3000トンを運んでくれる貨物船募集

国際貨物の場合、ベトナムを含まない第三国間輸送の募集もあります。

◆画像はIZIFIXに掲載されているインドネシアのスラバヤから、バングラディシュのチッタゴンまでパイロフィライトという鉱石8000トンを運搬してくれる貨物船を募集

◆ベトナム国内の海上輸送もあり、6月5日にロンアン省からハイフォンに行くので、積荷募集

6月4日にこの船空いています、利用者募集中


◆画像はIZIFIXに掲載されている2009年製の巨大な貨物船を売りますという販売情報、価格は要交渉

3.IZIFIXのサービスから見えるもの

募集情報が無料で掲載され直接連絡して取引というビジネス形態は、GrabやUberといったタクシー配車サービスというよりも前回取り上げたベトナムのオンラインフリーマーケットChoTotの様ですが、BtoBの運送業というマーケットにフォーカスしているのが特徴的で、それもあってかサービス開始から9か月後の2017年の4月の時点でIZIFIXは、2,300以上の参加者を集めているとも報じられています。

なおこのサービスはベトナム発のサービスということもあり、ベトナムのニュース番組などでも取り上げられました。


こういったサービスが成立する、短期間で参加者を集めたのには、あまりITとは縁が無さそうな河川における運送業の人たちまでもがスマホを持ち、仕事を増やす為にネットを活用し始めている・・・そのくらいITインフラが普及してきているというベトナムの社会背景があると考えられます。

また荷主と船主を繋ぐサービスにおいて情報の種類が異なる船舶の販売情報までもが掲載されているのには、今まで中古船のネット取引市場が無かった、もしくはあまり有名では無かったと考えられます。そう考えるとこういった特定の業務用動産売買をネットで仲介するというサービスには、イロイロとビジネスチャンスが眠っているのかもしれません。

現状だとこういったサービスにおいて課金することまでは難しいのかもしれませんが、今後荷主や運送業者の相互評価機能なども入ってくると思いますし、IZIFIXが今後どのようにマネタイズするのかについては、引き続きチェックしていきたいと考えています。

4.ベトナムのITビジネスならご相談下さい

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本ページにおけるIZIFIXの画像は、IZIFIXより引用したもので、その権利はIZIFIXに帰属します。