以前取り上げたように4G固定ブロードバンド普及が進むベトナム。2016年末時点で平均8.3Mbps(世界第64位)だったネット接続速度は、直近の調査結果で平均9.5Mbps(世界第58位)まで速度があがるなど、クラウドサービスを利用するにあたってのインフラも充実してきております。

そんなベトナムにおけるクラウドコンピューティング市場について調べてみました。

1.個人と企業の20%しかクラウドサービスを使ったことが無い?

ホーチミンコンピューター協会が2017年5月7日のCloud 8 Festivalのイベントで語ったデータですが、企業の38%はクラウドコンピューティングにおけるセキュリティや、どのようなサービスが利用可能かについて関心があるものの、実際にクラウドサービスを使っているのは20%の企業とのことです。

またホーチミンコンピューター協会の別の調査結果では、個人及び法人のクラウドサービスの用途としてデータ保存やバックアップに活用している様子が伺えます。

◆データ保管場所:49.1%
◆データバックアップ:39.5%
◆クラウドベースを使った仕事やマネジメント:28.7%
◆オンライン打ち合わせ:17.2%
◆セキュリティにおいて活用:14.6%
◆スマートホームで活用:9.1%
◆モバイルで活用:6.8%

一方でクラウドに個人データを置くことについての信頼性について懸念されているようで、この調査ではクラウド普及の障壁として、
◆データの秘匿性:46.9%
◆クラウドサービスへの理解の欠如:42.1%
の2点があげられていました。

2.ベトナムのクラウド市場は、他の国よりも高成長だが市場規模はまだ小さい

シンガポールのリー・クアンユー公共政策学校のVu Minh Khuong教授がベトナム国内における500の企業や団体に対して調査し、6月22日のVietnam Cloud Computing Conference2017で発表されたデータによると、2010-2016年のクラウドコンピューテイング市場の成長率については、
・ベトナムは、64.4%
・東南アジア地域の平均は、49.5%
・全世界では、42.5%
とあり、ベトナムは世界や東南アジアと比べてもクラウドコンピューティング市場が高成長している事がわかります。

しかしながら2016年のクラウドコンピューテイング市場規模(人口1人あたり年間利用額)を比較してみると、
◆ベトナム:1.7ドル
◆フィリピン:2.2ドル(ベトナムの1.3倍)
◆タイ:4ドル(ベトナムの2.4倍)
◆マレーシア:11ドル(ベトナムの6.5倍)
◆シンガポール:182ドル(ベトナムの107倍)
であり、急成長はしているものの東南アジアの中でも市場規模は小さいです。

教授によるとベトナムでクラウド普及にあたっての障壁は、広く利用されているほぼ無料の海賊版ソフトウェアの存在が障壁になっているとのことです。海賊版を使えば無料なので、費用が安くなるクラウドであっても有料のサービスである場合は利用が進みません。

その他、クラウドコンピューティング利用におけるメリットについての知識の欠如、情報セキュリティへの関心、ベトナムにおけるクラウドサービスの品質問題などが、普及の障壁になっていると述べています。

3.ベトナム企業が力を入れているクラウドコンピューティング

こういったベトナムのクラウドコンピューテイングビジネスですが、ベトナム企業は、IaaS、PaaS、SaaSといった3つのカテゴリーでそれぞれクラウドサービス市場を作ろうとしています。

[1]IaaS(Infrastructure as a Service ):インフラとしてのクラウドサーバーを提供しているサービス形態。サーバーであるため柔軟性が高いものの知識が必要になる。
[2]PaaS(Platform as a Service):IaaSに加えてさらにOSやネットワーク、フレームワークや開発環境といったソフトウェアを動かす為のプラットフォームが併せて提供されているサービス形態。
[3]SaaS(Software as a Service):PaaSに加えてアプリケーションも利用可能な状態で提供されているサービス形態。

例えば、最近ニュースとしても取り上げられたベトナムにおけるクラウドコンピューティングを活用したビジネスとしては、

農業にクラウドコンピューティングを活用』、水耕栽培において水位、水温、湿度、光データなどを収集しそれらを送信後、クラウド側でデータの分析とその状況に沿った適切な指示を農作業者の手元のスマホへと送るといったサービス。

VNPTが各種小売店舗向けに提供する販売管理システム「VNPTKIOS」を発表』、在庫の管理や販売情報などをタブレットへ入力、従来のレジやPOSシステムなどの代わりとなるサービス。

などがあり、海賊版で無料に使えるといった競合がそもそも存在しない、独自のサービスでクラウド市場を開拓している様子が伺えます。日本企業がベトナムのクラウドビジネスを狙う場合においても、こういった点が参考になると思われます。

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