今年5月に取り上げたベトナム4Gについて、最新の数値がベトナムメディアで発表されていました。4GのSIMを持っている人は半年で1,695万人と大幅に増えたものの、実際に4Gを使っているのは675万人と約40%でしかありません。その詳細について調べてみました。

1. ベトナム4GのSIM保有数は1,695万だが利用率40%

10月2日付の記事によるとベトナムの通信事業者各社における4GのSIM保有(契約)数及び、実際に利用している数は下記のとおりです。

◆VinaPhone:4GのSIM保有900万、4Gの利用135万人(利用率15%)
◆Viettel:4GのSIM保有700万、4Gの利用500万人(利用率71%)
◆Mobifone:4GのSIM保有95万、4G利用40万(利用率42%)
3社合計で4GのSIM保有1,695万、4G利用675万(利用率40%)

3ヵ月前の2017年6月時点における4Gユーザー数は、Viettel52%、Mobifone27%、VinaPhone21%であった為、VinaPhoneは無料切り替えキャンペーンなどを活用して一気に4GのSIM保有者を増やしたことがわかります。一方でVinaPhoneは、900万の内4G利用率はわずか15%。一番利用率が高いViettelでも71%でしかなく、全体の4G利用率は40%でしかありません。

これは今に始まったことではなく、今年の6月末時点でも同じで「4GのSIMへ変更した630万の内、350万契約しか4Gサービスを使用していない」と報じられていました。

6月から3ヶ月で4GのSIM保有者が+1,000万人、利用者が+325万人とそれぞれ大幅に増えているのは凄いですが、保有者ほど利用者が増えていません。では、なぜ4GのSIMを手に入れたのに4Gを使わないのでしょうか?

2. ベトナムで4GのSIMなのに4Gを使わない理由は?

上記VNECONOMYの記事では、「3Gの回線が安定していて速度もそこそこ早く、3G用の安いプランもあるため、4Gに積極的に乗り換えには繋がっていない」とあります。こちらを詳しく見ていくと「4Gの通信安定性や品質」「安すぎる3G料金」「4Gの消費電力」という3つのポイントが見えてきます。

2-1. ベトナム4Gの安定性や品質

IDG社による4G満足度の調査によるとハノイは現在ベトナムの4G品質に対する満足度が最も高い地域であるものの、4Gに満足している回答は50.2%でしかなく、4Gユーザーの半数が何らかの不満を抱えているとのことです。主な理由としては、

・安定性に満足していない:7%
・通信品質に満足していない:5.8%
・価格やデータパッケージに満足していない:17%

と言った点があげられています。参考までにこれらの数値は、以前の3G開始時期よりは大幅に改善されているとのこと。

2-2. 競合は、ベトナムの安すぎる3G料金

ではもう1つの料金面を見てみましょう。8月3日付の記事では、4GのSIMに変えたけど3Gを使い続けている人の意見が掲載されています。

「Mobifoneにおいて3Gなら、2.5万ドン(120円)で1週間データ使用量が無制限であるものの、4Gにはそういったデータパッケージが無いため3Gを利用し続けている」

ここまでの速度は要らないからもっと安くというニーズも・・・

またこれ以外にも学生向けの特別プランや、夜間だけ無制限の特別プランなども3G専用の激安プランとして存在しており、こういったプランの存在が4G利用の障害になっています。日本人の視点からは、月400円で2GBの通信ができる4Gは相当安いですが、ベトナムではさらに安さを求める層も多いということですね。

2-3. 4Gの消費電力の問題

他にも上記記事で掲載されていた意見としては、「4Gの方が電池の減りが早いから3Gを使う」「仕事で使うので夜まで電池が持たないのでは意味がない」といった内容がありました。

IDGの調査によると、4Gユーザーの内56%がエンタメに利用、29%が仕事に利用しており、4Gを仕事用に使っている率が少ないのは、4Gの消費電力がネックになっていると考えることもできそうです。

3. ベトナム4Gの通信品質は悪いのか?

9月28日付けの記事「ベトナムの情報通信省によるViettelおよびMobiFoneの4Gテスト結果(VNPTは未発表)」によると、ダウンロード速度34.9Mbps~36.9Mbps、アップロード速度16.8Mbps~19.2MbpsといったMobiFoneとViettel共にそれぞれ悪くはない数値が並んでいます。

また9月末時点で4Gのエリアは広がっており、ベトナム全土で人口の95%をカバーする43,000の基地局が設置済みです。

基地局はよく見かけるが建物内などで4Gが入りづらいところも多い

それでも品質や安定性に不満の声が上がるのは、家の中やオフィス内で4Gの電波が入りづらいといった個別の調整が求められているフェーズに入ったからだと考えられます。実際にホーチミンでもレストランによっては、4Gの電波が入りづらく使えないことが多々あります。

4. ベトナム携帯電話契約総数とブロードバンド利用者数

以上4G(LTE)の契約数を見てみましたが、ベトナムの携帯電話において契約総数は、現在どのようになっているのでしょうか。

10月2日付の記事によると、2017年9月末までにベトナム携帯電話契約総数は1億1320万となり、2016年の同時期に比べて大きく12.7%も減少しました。

しかしこれには理由があります。ベトナムでは、携帯電話宛てのスパムSMSが社会問題になっており所有者の名前が不明なSIMを強制解約しています。これにより例えばVinaPhoneだけでも200万回線を解約し、大幅な減少に繋がりました。

ベトナムで送られてくるスパムSMSの一例

なお固定電話は携帯電話へのシフトに伴い減少し610万契約に落ちましたが、固定ブロードバンドの加入者は、1,050万契約になり1年前に比べて19.5%増加するなど好調です。これについては以前固定ブロードバンドについて取り上げた通りですね。それに伴い全通信事業者の収入は、1年前に比べて8.1%増加し283.9兆ドン(約1兆4,200億円)になったとあり、市場は拡大しています。

なお少し前の7月27日付の記事では、「ベトナムでは(3Gおよび4G利用者350万人を含む)4,800万モバイルブロードバンド加入者を含め、約6,000万ブロードバンド加入者がある」と書かれている為、それを元に計算すると・・・

◆固定ブロードバンド利用:1,050万契約
◆4G(LTE)利用:675万契約(SIMだけなら1,695万契約済)
◆高速3G(HSPAなど3.5G?)利用:4,125万契約
◆その他3Gや2G利用:6,500万契約

となり、ベトナムでブロードバンドを活用したコンテンツやサービスの配信について、それを受け取り可能な母数が既に十分があると考えることができそうです。また4G(LTE)利用者も6月から9月末へ3ヶ月間の伸び数(325万)を考えると、年内に1,000万となることが見込まれます。

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