ベトナムでは、中間層の所得増加に伴い急速に金融系のサービスも拡大しています。クレジットカードや銀行の無担保ローンは、経済成長に伴って利用できる層が増えた為、各社(銀行)が金利や優待など差別化した商品を提供するようになり、ベトナム人から見てどれが一番得なのか簡単に探せるサービスへのニーズが高まりました。
gobearについて
今年1月中旬に、昨年2016年12月7日に開始以来1ヵ月で10万人超の利用者があったと発表したgobear。ベトナムの50の金融機関が提供する「クレジットカード200種類」と「無担保ローン30種類」について条件に応じて比較できるようにした無料サービスです。
シンガポールの会社が運営しているこのサービスは、2015年にシンガポールで開始して以来、タイ、マレーシア、フィリピン、香港などでサービスを展開(国によっては、保険の比較なども実施)、既に500万人以上が利用しています。
ベトナムのクレジットカード比較機能
クレジットカードの比較では、優先する条件
・カード利用に伴うキャッシュバック率
・マイレージやポイントの加算率
・費用
に加えて「毎月のクレジットカード利用総額の目安」「毎月の収入」「住居の所在地」を選ぶと該当するカード一覧が出てきます。
各カードごと
・プロモーションの有無やその期限
・年会費
・支払い金利
・そのカードを所有するための最低月収
・支払金利が発生するまでの期間
・初期費用(カード発行費)
・最低支払額
・支払い遅延時の金利
・カードを使ったキャッシング手数料
といった詳細を確認できますし、最大4枚までの個々のカードを選択しての比較や、カードの種類(VISAやMasterなど)、銀行名、プロモーションの有無などでフィルタリングもできます。
実際に検索してみるとベトナム(ホーチミン)でクレジットカードを発行するにあたっての最低月収は、200万ドン(約1万円)くらいであることがわかります。
ホーチミンの最低賃金は、2017年1月から月収375万ドン(2016年までは月350万ドン)となったので、日本の様に学生がクレジットカードを持つのは厳しいかもしれませんが、給与所得者であればクレジットカードを持てる環境になりつつあり、今後のカード決済がより一層増えていく事を予感させます。
ベトナムの銀行無担保ローン比較機能
無担保ローンの場合、月収や返済期間、借入金額(最低1000万ドン(約5万円)、最大で月収の36倍まで)を入れると、
・月々の返済額
・支払い金利
・返済総額
・最低月収
・審査期間
・最大貸付期間
・条件(給与の受け取りをその銀行で行うことなど)
などが一覧でき、月々の返済額や金利、プロモーションなどで並び替えもできます。ベトナムでは、最低でも年11.4%くらいの金利水準で貸し付けていることがわかります。
このサービスのユニークな点
さらにこのサービスが面白いなと思ったのは、BLOGコーナーを設けて「カードを選ぶ際のコツ」「計画的にお金を管理するための8つのポイント」といったお金に関する読み物を設けている点です。この辺の作りは、日本における同様のサービスと同じですがベトナムでは新鮮味があると思われます。
・個人向けカードや小口無担保ローンなどは、金融機関が注力している分野で集客にあたって支払われる仲介手数料が大きい
・所得の向上に伴ってカードやローンの対象人口が今後どんどん増える見込み
・年々所得が増えていると消費者は、貯蓄よりも消費を志向するため、カードやローンといったお金を借りる方のニーズが高い(昭和40~60年の頃の若者みたいな感覚)
という点でこのビジネスは素晴らしいですね。こういったベトナムの環境をうまくとらえた比較サービスやフィンテックサービスは、今後もどんどん増えていくと思われます。
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