ベトナムではハノイとホーチミン間が非常に離れていることや、また他の地方都市への出張や移動にあたっても交通手段が不便なことから、飛行機を利用するケースが多々あると思います。そこでどのエアラインが定時性が高い(スケジュール通り移動できる可能性が高い)のかについて調べてみました。

1.ベトナムの国内線エアライン4社

まずベトナムで国内線を運航するのは以下の4社になります。

◆国営で最大手のベトナム航空
◆ベトナム発のLCCで上場もしたベトジェット(VietJet)航空
◆LCCでジェットスター航空グループのJetstar Pacific航空
◆ベトナム航空の子会社ベトナムエアサービス(VASCO航空)

このうちVASCO航空については、あまり聞いたことが無いという人が多いと思いますが、ホーチミンを中心に離島(ホーチミン~コンダオ島)や地方路線(ホーチミン~カマウ、ラックザー)などを結ぶコミューターエアラインで、予約などはベトナム航空のサイトからできます。

2.ハノイ・ノイバイ空港発着便の遅延発生率(2017年6月1日~15日)

まずはベトナムの首都ハノイにあるノイバイ国際空港での直近の遅延発生率です。首都の空港ですので普段から混雑している空港でありかつベトナムでは、6月から1ヵ月~2ヵ月ほど学校が夏休みとなり飛行機を利用した旅行(家族や友人との旅行)が最盛期となる為、フライトの数も通常より増え結果、遅延やトラブルなども発生しやすい時期になります。

ノイバイ空港、搭乗待合室の2階には飲食店などもある

◆ベトナム航空:1,489フライト中、191件が遅延で遅延発生率12.8%
⇒うち180件がエアラインのオペレーション上の理由で遅延
◆ベトジェット:1,094フライト中、435件が遅延で遅延発生率39.8%
⇒うち425件がエアラインのオペレーション上の理由で遅延
◆ジェットスター:244フライト中、64件が遅延で遅延発生率26.2%
⇒うち61件がエアラインのオペレーション上の理由で遅延

ベトナム航空に比べてジェットスターは2倍超、ベトジェットは3倍超遅延が発生していることがわかります。フライトの本数などが増えた関係で、同じ機材を使って多頻度運航しているLCC、特にベトジェットでは4割近くが遅延しています。

3.ベトナム全土の遅延&欠航率(2017年6月7日~13日)

では次に地方空港便も入れたベトナム全土における1週間の集計データを見てみます。

ベトナム全体では計5,776フライト中、887件の遅延または欠航といった問題が発生し遅延発生率15%で、欠航発生率0.3%でした。うち機材が原因(前の便が到着しないなどオペレーション上も含む)での遅延は、70%に及ぶ608件で、その他エアライン自身が引き起こした問題による遅延は20%の177件とあります。

ベトナム国内線では単通路機(B737やA320)が多い

◆ベトナム航空:2,649フライト中、301件が遅延し11件が欠航。
⇒遅延発生率11.4%、欠航発生率0.4%
◆ベトジェット:2,341フライト中、502件が遅延し41件が欠航。
⇒遅延発生率21.4%、欠航発生率1.8%
◆ジェットスター:530便フライト中、63件で遅延または欠航が発生。
⇒遅延発生率11.9%
◆VASCO航空:256フライト中、3件が遅延し6件が欠航。
⇒遅延発生率1.2%、欠航発生率2.3%

ベトナム全土でみてもベトナム航空に比べてベトジェットは2倍ほどの遅延が発生しています。一方でジェットスターは、本数が少ないこともあってベトナム航空と同じくらいの遅延発生率です。VASCO航空の欠航が多いのは、機材が少ないことやプロペラ機であること、離島路線による天候の影響なども考えられます。

4.ベトナムの全土の遅延&欠航率(2017年1~3月)

ベトナムの旧正月に伴う帰省や旅行といったピークシーズンも含む2017年第1四半期(1~3月)はどうだったのかや、その少し前の2016年第4四半期(10~12月)と比べてどのくらい改善されたのかについて見てみます。

◆ベトナム航空:25,494フライト中、2,187件で遅延し98件が欠航になった。
⇒遅延発生率8.6%、欠航発生率0.4%。遅延発生率は、前4四半期に比べて6.2%改善
◆ベトジェット:19,015フライト中、2,337件が遅延し5件が欠航。
⇒遅延発生率12.3%、欠航発生率0.02%。遅延発生率は、前4四半期に比べて1.9%改善
◆ジェットスター:8,542フライト中、2,379件で遅延し174件が欠航。
⇒遅延発生率27.9%、欠航発生率2%。遅延発生率は、前4四半期に比べて7.5%悪化し、欠航発生率も前4四半期に比べて0.7%悪化。
◆Vasco航空:2,200フライト中、156件が遅延し60件が欠航された。
⇒遅延発生率7.1%、欠航発生率2.7%。欠航発生率は、前4四半期(10~12月)に比べて2.1%悪化

この期間中における遅延の原因は、折り返す前便の到着遅れが77.5%とのことでこれは6月のデータとそれほど変わりがありません。またベトジェットの遅延発生率や欠航発生率が意外と低いのが特徴的で、ちょうど上場時期だったからでしょうか?

5.時間通りに移動をしたいのなら・・・

民間航空会社のベトジェット航空は、2月末にホーチミン証券取引所へと上場し、ベトナム企業として初めてベトナム国外(ロンドン?)にも上場を準備中など好調の様ですが、ことフライトの定時運航については、ベトナム航空よりも遅延発生率がだいぶ高くまた6月に入ってからの欠航なども多いので、遅延や欠航をされては困る=時間通り移動したい出張/観光などにおいては、ベトナム航空を使った方が良さそうです

最も3年前のニュース記事ですとベトジェットの遅延欠航率は51%(時間どおりは半数以下!)でしたので、それに比べればだいぶ改善されている様です。なお筆者がベトジェットを2014年頃に使った時は、その便の予約者が少ないという事で2便続けて欠航(フライトキャンセル)になったこともあります。最近では、変わってきているのかもしれませんが、ベトナムではこういうこともあり得るので旅行計画の際に気に留めておいた方が良いです。

最後に定時運行とは異なりますが現在ホーチミン空港など国内線ターミナルにおいて、利用者急増に伴う手荷物検査の待ち時間が非常に長くなっており時間帯によっては1時間近くかかることがあります。よってホーチミン空港から国内線に乗る場合は、乗り逃さないようできるだけ早くチェックインをして待合室に入ることをお勧めします。

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