ベトナムオフショア開発の現場からお届けする現地情報。わずか3分の動画付きで解説します!
今回は『ベトナムの5G最新状況(2020年12月時点)』。これまでの通信方式と比べて5G導入が早いこと、この冬から始まった試験サービスの状況、他の新興国に無いベトナム5Gの特色、5Gがベトナムで影響を与えると予想されている分野など、現地事情について紹介します。
目次
1. サクッとわかる3分動画で確認
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2. ベトナムの通信方式導入時期
実は2G(日本ではPDC方式、ベトナムではGSM方式)が始まったのは同じタイミングでしたが、3Gや4Gが始まった時期が日本※に比べて数年遅い状況でした。
しかしながら5Gについては、試験サービスか商用サービスかという違いはあるものの、同じ今年2020年であり以前に比べて早い導入であることが分かります。
ちなみに世界的な動きですが、Global Mobile Carriers Association(GSA)のレポートによると、2020年5月末現在で125の国/地域に計386の通信事業者があり、内81社が5G展開への投資を発表済みです。
また38の国/地域にある計73の通信事業者が5Gを導入し、24の国/地域にある計39の通信事業者が固定回線無線技術を導入とあります。また端末側でも81のベンダーが計283の対応端末を発表しています。
よってベトナムは新興国(発展途上国)の中では、早期に5Gを導入する国の1つと言えそうです。
※日本の4G導入時期(2010年)について正確には、3.9Gと呼ばれる通信方式(LTE)ですが、国際電気通信連合ITUでは4Gと呼称して良いとしているので今回4Gとしています。
3. ついに始まった試験サービスの状況
試験サービスのライセンスを取得したのは、ベトナムの3大キャリアと呼ばれる、Viettel、Vinaphone、Mobiphoneの3社で、2021年6月30日までの間、商業目的の試験サービスをする許諾を得ました。
11/24付の報道によるといずれも2,600MHz帯及び3,700-3,800MHz(Cバンド)帯域とありますが、10/30の報道及び12/17の報道ではより詳細な帯域の違いが紹介されています。
■Viettel:2,500〜2,600 MHz、3,700〜3,800MHz、27,100〜27,500MHz。
ハノイでは140個所を超えない規模で実施
■Vinaphone:2,600〜2,690MHz
■Mobiphone:2,600MHz
なお12/17の報道で通信速度は、Mobiphoneでの計測で最大1.7Gbs(1.2~1.6Gbps出ることが多い)、別の同日の報道によると参加者の平均速度は、現在約500〜600Mbpsとあります。
しかしベトナムで売られている5Gのスマホは、安いものでもXiaomi Mi 10T Proの1300万ドン(約6万円)と他機種に比べて高いため、ベトナムにある5G端末の台数は約8,000台しかなく、しかも試験サービスエリアがハノイとホーチミンの中心部だけと狭いこともあって参加しているのはわずか数百台と言われています。
4. 他の新興国に無いベトナム5Gの特色
ベトナムは、新興国としては珍しく5Gの受信機器を自国でも開発しており15%は自国製と報じられています。これは、今後5G機器を他の国にも輸出していこうということに加えて、安全保障上の考えもあって自国製の開発・導入に力を入れているという一面もあると考えられます。
ちなみにこの機器の開発に係わっているのは、ベトナムで一番大きい通信事業者Viettel(ベトナム軍隊通信グループ)。自ら製造した5Gの機器で最初に通信できたのは今年2020年1月17日の朝とあり、それから1年を経たずに一般ユーザーが参加する試験サービスにまで使えるレベルになったということは、急速に技術力が向上している近年のベトナムを象徴しているかのような出来事です。
5. 5Gがベトナムで影響を与えると予想されている分野
大手通信機器メーカーのシスコ社によると2025年までにベトナムの5G加入者数は630万人に達し、5Gサービスの早期展開により通信事業者の収益は2025年から年間3億ドル増えると予想されています。しかしながら今後5年間で約15〜25億ドルを投資する必要があるとも書かれております。
現状、Gbpsの速度を必要とするようなサービスはまだ無い状況ですが、5Gの他の特徴である低遅延や多数同時接続が活きる分野は、主に産業の分野(遠隔による製造、農業、医療etc)だとも考えられており、今後ベトナムの経済発展にインフラ面として大きく影響を与えるものと予想されます。
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