ベトナムのホーチミンにおいても日本同様ケンタッキーフライドチキン(以下KFC)の店舗をよく見かけます。このKFCのスマートフォンアプリについて、ベトナム版と日本版それぞれが存在するので比較をしてたところ、ベトナムにビジネス展開するにあたってのヒントがあるように思われました。

ベトナムのKFCについて

1997年12月にホーチミンで第1号店がオープンして以来、19の省と市において140店舗以上を展開しており、現在ホーチミンだけで53店舗を展開するなど、ベトナムの若者にとって身近なブランドです。ベトナム版のアプリKFC Vietnamは、下記からダウンロードできます。


KFC VietnamアプリAndroid版のダウンロード
KFC VietnamアプリiPhone版のダウンロード

対応言語の違いから見えてくるのは?

ベトナム版のKFCアプリは、起動時に英語を選択できるようにしています。ベトナムは、ベトナム語の国なのでこれは明らかに、ベトナムにいる外国人向にも使ってもらえるように作られた仕様(彼らの消費も取り込みたいという設計思想)であることがわかります。

一方、日本のKFCアプリは、日本語のみ対応でアプリの名称からして「ケンタッキーフライドチキン公式アプリ」と日本語表記。あくまでも日本人のみをターゲットにしていることがわかります。

ベトナムのKFCアプリは、アプリでの販売増加を狙っている

ベトナムのKFCアプリは、最初に場所を選択することから始まります。これは、このアプリがスマホ上でメニューを注文し、宅配オーダーを目的に作られているからです。

1回あたり8万ドン(400円)の注文から無料で宅配してもらえます。セットメニューや単品などを選んでいくと、オーダーリストに追加されます。

名前や住所、メールアドレス、電話番号などを入れ送信すると、確認メールが届き、その後電話がかかってきます。ちゃんと英語で注文内容や配送場所の確認ができ、時間帯にもよりますが30~60分で宅配してもらえるという流れです。支払いは、現金の手渡しです。

コールセンターは、英語が話せますがバイクで宅配する方は話せないので、住所がわからないなど宅配者から(ベトナム語で)電話がかかってきた時に対応が難しいです。その場合でも後ほどコールセンターから英語で確認電話がかかってくるので、コールセンター経由で宅配者に場所の詳細を伝えることができます。

注文内容と届いた中身はこんな感じです。(8万ドン=約400円、ペプシ1本はプロモーションで無料サービスだった)

日本のKFCアプリは、宣伝と店舗への集客目的

一方、日本のKFCアプリでは、アプリ内での注文と配送には対応しておらず、もっぱら商品の宣伝に注力しています。クーポンを配布し、いかに店舗に来てもらうかという設計思想です。

ネットオーダーという形でアプリからWEBへ遷移し、WEBでオーダーして店舗で待たずに受け取りということもできますが、あくまでも店舗への来店を即す作りです。(一部店舗では、「お届け注文」という形で宅配もやっていますが全店舗では無いようです)また、アプリ内では、日本人消費者が気にする原産地やアレルゲン情報などもメニューごとに載せています。

一方、ベトナムのKFCアプリでは、各種プロモーションはアプリ内バナー広告の形で表示され、クリックするとWEBに遷移してWEBで確認するという形をとっています。

ビジネス環境の違いがアプリの仕様の違いを生んだのでは?

なぜベトナムのKFCアプリはこういう仕様で、東京と違うのかビジネス環境の違いから考えてみました。

東京のKFC140店舗=東京の人口1,362万人、1店舗あたり9.7万人
アルバイトの時給1,000円、商品単価(ハンバーガーサンドなどで390~490円程度)
1人あたり域内GDPは、700万円(2015年の都内総生産より推計)

ホーチミンのKFC53店舗=ホーチミンの人口842万人、1店舗あたり16.1万人
アルバイトの時給100円、商品単価(ハンバーガーサンドなどで195~245円程度)
1人あたり域内GDPは、60万円ほど(2015年のホーチミンで5,000ドルほど)

比較すると・・・
・ホーチミンのKFCは、東京に比べてより多い人口を1店舗でカバーする必要がある、逆にお客から見たら近くに店舗が無い場合がある
・1人あたりのGDPから換算すると商品が半額でもGDPは10分の1でまだ購買力は低いため、ベトナム人の中間層や高所得者層に加えて、購買力がある層(外国人)の取り込みが効果的
・東京に比べて宅配を行う人件費が商品単価に比べて安くバイクの路上駐車がしやすい
・一方店舗の家賃や地代は人件費に比べて極めて高い(以前の記事参照

以上のようなビジネス環境から、ベトナムのKFCにおいては、
・宅配による販売増加を狙う
・(所得がありブランド認知度も高い)現地在住の外国人もターゲットとするため英語にも対応
という意図でこういったアプリの仕様、サービス設計になったのではないかと推測されます。

ベトナム国内へのITサービス展開をお考えなら・・・

国際的なブランドであるケンタッキーフライドチキンでも、このように国のビジネス環境よってアプリの目的や仕様を変えています。ベトナムの内需を狙ってITサービスやアプリを展開するという場合、現地のマーケットを十分に調査の上、商品設計や仕様を作っていくことをお勧めしています。

その為の調査・開発拠点、ビジネスパートナーとしてベトナムで約9年、オフショア開発・アプリ開発を展開しているバイタリフィへお気軽にご相談ください。

ベトナム向けIT・WEBサービス/アプリの開発支援、ローカライズ、テストマーケティングといった進出支援に加えて、日本や他国向けのオフショア開発やアプリ開発も行っております。