ベトナムでのオフショア開発のバイタリフィ

2016.08.02

オフショア開発

企業買収(M&A)による海外進出の是非について

代表の川勝です。
スマートフォンアプリ開発ベトナムでのオフショア開発をやっています。

弊社は現地の日系企業を買収することによってベトナム進出を果たしました。
経緯はこちらをご参照ください。

弊社の場合は設立8ヶ月の若い会社の買収だったことや、規模も比較的小さかった為、
結果的に大きなリスクは無かったです。
その後8年が経過し、現地での税務調査も一度終えており、日本でも国際税務官による調査を終えました。
そこで買収による海外進出の是非について検討してみようと思います。

メリット

・時間の短縮

現地視察をして、駐在員を決めて、オフィスを借ります。
ライセンスを取得して人を採用し、オペレーションを軌道に乗せるのは非常にパワーが必要ですし時間が掛かります。
それを買収によって一気に解決するのは大きなメリットです。

・費用の固定化

海外法人設立は想定していない費用が必要であったり、目に見えない費用や苦労が多数あるため、買収という手法を使うことで費用を確定させるのはメリットがあると思います。

・現地でのネットワーク

現地で生活して、仕事をして始めてわかることがたくさんあります。
買収先のスタッフからそれらを継承できるのはメリットになります。

デメリット

・税務リスクが見えない

弊社は4免9減(4年免税、9年減税)というベトナムの特例の適用業者でした。この言葉を見ると、「4年間は無税で9年間は減税される」と思いがちです。
実際は、CIT(corporate income tax 法人所得税)、PIT(personal income tax 個人所得税)、VAT(value added tax 付加価値税)の3つある税金のうち、CITとVATが免除減税されることになり、当たり前ですがPITは支払う必要があります。またVATは一旦支払い、後に手続きを経て返還されるので、当初はCITのみ減免されることになります。

買収時点で会計監査を入れるでしょうし、会計上のリスクについては買収の契約書に補記する事と思いますが、現地での税務調査までは正確にはわかりません。

途上国であればある程、厳密な運用は難しく、上場子会社でも税務調査時に苦労している話を聞きます。ちょっと書けないことが多いですね笑

・リーガルリスク

適切なライセンスを取得して事業を営んでいても、法律が変わったり、外資規制が出来たり撤廃されたり、ライセンスの範囲が明確でなかったりと問題発生の懸念は多数存在します。
また現地資本の名義を使ってたりすると、買収時に問題になるケースもあるようです。
これも書けないことが多くあります。

・従業員退職のリスク

経営者がゼロから立ち上げ、魂を込めて経営をしていてスタッフとのコミュニケーションが出来あがっている組織などで買収後に従業員の大量退職の可能性も否定はできないと思います。
充分に時間を掛けて準備をする必要があります。

・他のリスクが内包している可能性

会社の売却を検討するのは様々なパターンがあると思いますが、何らかの事情で黒字までに相当な時間とパワーを要する可能性もあると思います。クリアしなければいけないハードルが多い、思ったほどのパフォーマンスが出ない、など。
営業力があれば解決できそうな問題もあれば、カルチャーを変えてゼロから立ち上げるのと変わらないケースもあるかもしれません。
いくつか事例を知っていますがここでは触れないでおきます。

まとめ

いかがでしょうか。
M&Aも自前での進出も一長一短で、いずれにせよリスクがありますね。

海外企業の買収にはより慎重な対応が求められますが、といいながら弊社もベトナムの他のエリアや他の国の場合は、買収によって進出するという成功体験も捨てがたく、良い会社がないか探したくなります。
御社で取れるリスクの判断をして進めると良いです。
オフショア開発の場合は弊社では「進出支援型ラボ」というリスクを抑えて進出できるサービスがございます。是非ご相談ください。

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