2020.05.21

AIサービス

鳥獣被害対策にAIを活用!写真から動物判別集計ソフト『MAL Animal Detection』

前回『写真に写っている鹿のオスとメスごと頭数を、AIを使って自動集計』について紹介しましたが、今回はそのAIモデルを組み込んだソフトウェア製品『MAL Animal Detection』を開発しましたので紹介します。

日本全国で鹿被害(獣害)を受けている方々、鹿(ニホンジカ)の生息・実態調査をしてる方々、無料でお試しできますので下部のお問い合わせよりご連絡くださいませ。鹿以外の動物についてもご相談承ります。

1. MAL Animal Detectionの判別ソフトでできること

まずこのソフトウェアの目的は、現在、自動撮影カメラで撮影した動物(現時点では鹿に対応済み)の写真を人間が1枚1枚確認して「オス」「メス」「判別が不能なシカ」へと分類しその数を数えている・・・これを自動化・効率化することになります。


自動撮影によるシカ写真。

その為、『AI開発の進め方「PoCでは、どのようなことをするのか?」~ご相談から結果レポートまで~』で書いた通り、まずは約2万枚の定点監視カメラで撮影した写真を活用し、写真から判別可能なAIモデルを作成しました。

このAIモデルには、以下のような仕様となっています。

◯写真をAIモデルに入力することで
・角があるシカ = オスとして数をカウント
・角が無いシカ = メスとして数をカウント
・角の有無がわからず判別不明なシカとして数をカウント
◯1枚の写真に複数頭写っていた場合は、それぞれの種類を判別し集計
◯シカ以外が写っていた場合は、上記にカウントをしない


よってこのような夜間に撮影された写真でも、AIモデルにて判別することができます

2. ソフトウェアの利用方法について

AIモデルを組み込んだソフトウェアは、シンプルな構成です。

1. まずはソフトウェアを立ち上げます。すると以下のような画面が立ち上がります。

2. 次にAIによる判別を行いたい写真データが格納されているフォルダを[Open Folder]より選択します。

3. 次に[Detect]を押してAiによる判別を開始します。画像1枚ごとの判別も可能です。

4. 結果が表示されるまで待ちます。処理時間は動作環境により異なります。例えばCPUで抽出する場合は約30秒程、GPUを計算に活用できる場合は、約10秒程で結果が確認できます。

5. 判別が終わると、何枚の画像で何秒かかったのかが表示されます。

また、右側の枠に写真ごとの「オス」「メス」「不明」の数が表示されました。これは、CSV形式で出力することが可能です。

このソフトウェアの動作環境は、以下の通りです。

- OS: Windows 10 (64 bit)
- GPUを活用してより高速に処理を行う場合は、「Cuda」が利用可能なGPUを搭載していること

現在はWindows版のみとなりますが、その他の開発環境でのご要望があればご相談ください。なおこのソフトは、無料でお試しいただけますので下記よりご連絡をお待ちしております。

3. 画像認識・判別のAI開発ならお任せください。

『MAL Animal Detection』では、鹿判別以外でも画像から特定の動物や物体を検出できるようにするカスタマイズが可能です。また画像認識の分野では、製造業向けに検品用AIモデルをこれまで十数種類作成した実績があります。さらにSDKとして

顔感情認識の「MAL Face Emotion」

顔認識の「MAL Face recognition」

OCRの「FirstReader」
といった商品もあります。

オリジナルAIモデルをご希望の場合は、kaggleという世界的なAIコンペの「Predicting Molecular Properties」において、2749チーム中10位を受賞しMasterの称号も得るなど世界トップレベルのAIエンジニアが対応いたします。

AIをWeb・スマホアプリ等のソフトウェアに組み込んだサービス開発も可能ですので、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。


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