今やECサイトで商品を購入する購買行動が当たり前になってきた昨今。ECサイトの構造のひとつとして「ヘッドレスコマース」というのが注目されているのをご存知でしょうか。本日はこのヘッドレスコマースについてそのメリットやデメリットも交えつつご紹介していきます。
目次
1. ヘッドレスコマースとは?
ヘッドレスコマースとは、フロントエンドからバックエンドにAPIを介してシステムを連携させる構造のことを言います。これを実現させる肝になるのはAPIであり、フロントエンドで使われるデータをバックエンドから十分に呼び出さなければなりません。
2. どんなシーンで使われているの?
ヘッドレスコマースはECビジネスにおけるバックオフィスの業務とも深い関わりがあります。適切にフォーカスできると、商品管理や在庫管理といった従来のシステムと共通する領域も多く見えてくるでしょう。
また、OMOやオムニチャネルと相性が抜群であることも、ヘッドレスコマースの大きな特徴です。
2-1. OMOとヘッドレスコマース
OMOは「Online Merges with Offline」の頭文字を並べたものであり、オンラインとオフラインの間にあるハードルを撤去した概念に基づきます。
具体的には、さまざまな購買活動をする消費者のデータを集め、それを使って顧客の体験に重点を置くマーケティングを展開していくというものです。店舗で商品が買われたデータとECサイトの同様のデータを一括で管理すれば、消費者ごとの好みを浮き彫りにするのは難しくありません。そうして、パーソナライズした情報を活用していけるようになるのです。
2-2. オムニチャネルとヘッドレスコマース
オムニチャネルは店舗やECサイトといった複数のチャネルをまとめ、流通用のチャネルと統合させます。つまり、消費者との接点をできるだけ増加させていくことが狙いです。バックエンドにおける顧客情報は重要ですが、それらが複数のチャネルに展開される様子をヘッドレス・コマースでは確認できます。
消費者の多くは、ECサイトと店舗を使い分けており、最近特に多く見られるパターンとして、店舗で実際の商品を見たり触れたりした後に、ECサイトで注文をすることが挙げられます。
チャネルが乖離してくことを防ぎつつ、うまく連携させることが今後のポイントになります。そのような一体型の購買環境を構築していくには、従来のオムニチャネルの概念だけでは不十分です。それを打開する概念として、ヘッドレスコマースの重要性が顕著に高まってきました。
ヘッドレスコマースの前提になるのは、フロントエンドシステムの独立性が保たれていることであり、バックエンドシステムと分離していなければなりません。フロントエンドとバックエンドとが完全な一体型となっている従来のECサイトとの明確な違いです。細かく見ていくとさまざまな相違点が浮き彫りになっていきます。メリットとデメリットの観点で検証していくと分かりやすいでしょう。
3. ヘッドレスコマースのメリットは?
ヘッドレスコマースにメリットは、上述のようにフロントエンドとバックエンドのシステムがしっかり分かれていることです。そのためフロントエンドは、バックエンドからの働きかけに左右されることがありません。
つまり、サイト提供者側の都合を尊重しつつ、柔軟にフロントエンドの構成を決定できるというわけです。変更や拡張を何度も何度も繰り返して最適解を探すようなスタイルでも進められます。これによって可能になるのは、市場にいち早く対応していくことです。時流を読み取ってすみやかに変化させられるので、フロントエンドを増加させる臨機応変な構成を改変し、顧客の好みにマッチするサイトの提供が可能になります。
4. ヘッドレスコマースのデメリットとは?
デメリットとしては、フロントエンドとバックエンドを個別に開発しなければならない点が挙げられます。
たとえば、論理的なミスが発覚したり不可欠なカスタマイズを要求されたりすると、セットで変更しなければなりません。もちろん、テストなども両方個別に実施しなければならないので、非常に手間がかかります。APIによる連携についても検証する必要があるので、やはりテストの工数は大きく膨れ上がってしまうのです。したがって、開発力が低い場合はもてあますような事態になってしまいます。導入した後に、形骸化してしまう事例が多いのもそのためです。
5. 従来のECサイトとの違いは?
一方、従来のECサイトのメリットは、フロントエンドとバックエンドが強固な一体型であることです。この構造のおかげでシステムは非常に単純であり、開発のハードルがあまり高くありません。テストの工数も少ないので、スタッフが少ない場合などでも対応しやすいです。
デメリットは上記のように一体化していることで、フロントエンド部分だけを増やすような柔軟な対応を行いにくいことです。バックエンドのシステムについても、データの整合性をとったりアーキテクチャを検証したりしなければなりません。この点に手間がかかってしまい、開発が簡単というメリットが打ち消されてしまうことも珍しくありません。
6. まとめ
このようにヘッドレスコマース・ECサイト双方ともにメリットとデメリットがあります。自社のECサイトはどんな構造が適しているのか、判断がつかない場合は外部ベンダーに相談してみるのも一つの手段です。
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