近年話題のWeb3.0(Web3)。耳にする機会が増えたものの、そもそもどんな意味なのか?疑問に感じる方も多いでしょう。
本記事では、Web3.0の意味や特徴、Web3.0が話題になっている背景、Web3.0のメリットをわかりやすく解説しています。2022年6月現在におけるWeb3.0の活用事例もご紹介しているので「Web3.0とは何か?」幅広く学習できます。
ぜひ最後までご一読ください。
目次
1. そもそもWeb3.0とは?
Web3.0とは「次世代のインターネット」と認識されることが多くあります。
しかし現状、Web3.0という言葉に明確な定義は存在しておらず、あくまでも概念上として「次世代のインターネット」と捉えられています。また、Web3.0を短縮してWeb3と言われることもありますが、これは表現が違うだけで同じ概念を指しています。
そして、次世代といっても単純に技術が進化しているわけではなく、インターネットの在り方に違いが現れています。具体的には、Web3.0は分散型を主流としており、これまでのようなホスト集約型とはさまざまな点で異なっていると言われています。
集約型を簡単に言うと、情報が集約している状態をあらわします。例えば、Googleなどの超大手企業は膨大な数の個人情報を把握しています。これは企業にとって利便性が高い一方で、流出などのリスクを常に抱えている状況です。プライバシーに関する問題も内包しているなど、セキュリティ面において必ずしも安心はできません。
この課題への対応策は色々と考えられます。特に有効なのはブロックチェーンなどの最新技術で、それらを活用してインターネットを進化させるものがWeb3.0です。ただし、この情報をしっかり把握するにはWeb3.0に辿り着くまでにあった「Web1.0」「Web2.0」について知ることもポイントとなります。
1-1. Web1.0とは
Web1.0とは、発信する人と受ける人が固定され情報の行き来が「一方向」だった前時代をあらわすものと認識されることが多いです。期間としては、インターネットが普及した1900年代半ばから2000年代半ばまでと言われることがあります。
インターネットが普及した当初は、Web1.0以外(動画や静止画・SNSなど)の仕組みはなく、メールや掲示板などhtml主体の情報交換が主体でした。双方向のコミュニケーションが成立していたというよりも、個人が情報を発信すること自体に注目が集まっていたと言えます。こういった背景から、Web1.0とは「一方向」のコミュニケーションと認識されているようです。
1-2. Web2.0とは
Web2.0とは、Web1.0に次ぐ時代のことを指し情報の行き来が「双方向」になったものと認識されることが多いです。期間としては、2000年代中頃以降を表すと言われています。
Web2.0とWeb1.0の大きな違いはSNSの普及です。Web2.0は、誰でも発信者になれる権利を手に入れ、静止画や動画の配信が行えるようになった時代です。もちろんシェアも容易で、オンラインにおける横のつながりも一気に強化されるようになりました(2022年現在、インターネットの大部分はWeb2.0に留まっているとも言われています)。
Web2.0とWeb3.0の違いとしては、Web2.0がWeb3.0の分散型にさまざまな点で及ばない点にあります。例えば、情報漏洩のリスクに顕著な差が存在します。Web3.0では相互に不正をチェックする仕組みを容易に作れますが、Web2.0ではそうもいかないでしょう。これは、Web3.0がWeb1.0やWeb2.0のような中央集権型(権力が一極に集中している)ではなく、柔軟に対応できるシステムであることが関係していると言われています。
2. Web3.0の特徴
では「次世代のインターネット」と認識されるWeb3.0にはどのような特徴があるのでしょうか?この章では、Web3.0にみられる特徴を解説していきます。
Web3.0は、クライアントとサーバーの関係に大きな特徴があります。
具体的には、P2P(ピアツーピア)と呼ばれるサーバー経由不要のタイプを採用し、ベースとして分散型を用いています。P2Pは、Web1.0や2.0時代に見受けられる「サーバー攻撃への脆弱性」を克服するポテンシャルをもつと言われています。
Web1.0、2.0の方式では、データが蓄積されるのはサーバーだけでした。そのため、集中的にサーバーを攻撃されるケースが多く、クラッキングの技術が勝った段階で情報を奪われる被害が生じることもありました。一方、直接的にやり取りを行えるP2Pは、サーバーにデータが溜るという工程を省けます。言い換えると、クラッキングの対象自体が存在しないということです。ゆえに、データの集中が起因した攻撃を防ぐことができます。守る対象そのものを消すというのは発想の転換ともいえるでしょう。
しかし、このP2P自体は古くから存在する概念で、サーバー集約型よりも劣ると考えられていた時もありました。
数千万円かかる高性能なコンピュータが存在するなど、コンピュータが比較的高額だった時代。コンピューター自体、気軽に購入できる品物ではありませんでした。そのため、1つの高性能コンピューターをホストコンピューターとして位置づけ(複数のコンピュータを購入するのではなく、1つの高性能コンピュータを利用)そこにデータを集約、処理する方法がとられていました。こういった集約型の概念は、インターネットの発展により一般的なものになり多くの人に利用されるようになりました。しかし、データが集約するサーバーだからこそ攻撃されるリスクも上昇。集約型に対する信頼性が大きく揺らぎ、P2Pの利用が検討されるようになりました。
そして、P2Pの利用を後押ししたのが、コンピューターの低価格化です。コンピューターの低価格化は、以前の何千万円クラスと同性能のものをわずか数十万円で購入できるようになったことを指します。気軽にコンピューターを購入できるようになると、データをサーバーへ集約させておく(集約型)必然性はありません。このニーズを踏まえて、新しい形のデータ管理(分散型)を提供できることがweb3.0、並びにP2Pの大きな特徴と言えるのです。
Web3.0はこれらの特徴により次世代のスタンダードになると見られています。後述する背景やメリットも大きく関係しますが、暗号化などの技術が進化することで、実用性が飛躍的に高まっていくのは間違いないでしょう。また、ビックデータの活用においても欠かせない存在になっていきます。
3. Web3.0が注目を集める背景
現在Web3.0への注目度が急速に上がっていますが、なぜそこまで注目を集めているのでしょうか?この章では、Web3.0が注目される背景を解説していきます。
3-1. インターネット上の脅威が増大化
Web3.0が注目を集める背景1つめは、インターネット上の脅威増大化です。
現在様々な問題が表面化、双方向の通信における弊害が顕著に表れてきています。特に見過ごせないのが、個人情報が飛び交っていることです。例えばインターネット経由で購入する際、インターネット上に個人情報を入力する必要があります。この時クラッカー(悪意をもったハッキングを行う人物)のような存在がいた場合、氏名だけでなくクレジットカード番号を抜き取られる可能性も少なからずあるでしょう。オンライン化が進み、インターネットで気軽にモノが買えるようになったからこそ懸念される、個人情報の流出問題。Web3.0の注目度が上がる1つの背景として考えられています。
またWeb2.0には、インターネットの検索履歴から、その人が興味を持ちそうな商品の広告を提示するシステムもあります。これは悪意にもとづく仕組みではありませんが、個人情報の流出の観点から懸念点として考えられる場合もあります。
3-2. アメリカの大企業数社によって個人情報の独占
Web3.0が注目を集める背景2つめは、アメリカの大企業数社によって個人情報の独占が起こっていることです。
前述した背景1つめにつづく内容となりますが、現在アメリカの大企業数社によって個人情報の独占が起こり、政府レベルで動かざるを得ない状況となっていると言われています。これを問題視する声が大きくなっているものの、政府自身、行えるのは方針を口に出すことだけです。そして実際、手を動かし政府の方針を具現化する存在はエンジニアで、エンジニアが政府の方針を具現化する技術として不可欠なのがWeb3.0となっています。
3-3. Web3.0が注目を集める背景【まとめ】
近年見られるインターネット上の問題は、Web1.0や2.0時代に生み出された課題とも言えます。
これらの課題解消こそがWeb3.0が提唱されることとなった重要な背景であり、その先にも進化の道は残ると言われています。より詳しく知りたいなら、先述のP2Pへの理解を深めなければなりません。管理者が牛耳る構造において、各ユーザーの端末は文字どおり末端の存在です。ホストコンピューターの命令には逆らえず、その挙動一つに命運を左右される状況になっています。これはこれからビジネスなどを続けていくにあたり、あまりにも危険な環境といえるでしょう。
リスクを分散して柔軟に対応していけるシステムが求められている今だからこそ、Web3.0を通し要求に応えられるレベルの技術を開発中と言われています。次世代のネットワークを求める声はこれからも増し続けるでしょう。またセキュリティ上の仕組みが設けられているとはいえ、ハッキングされる危険性を備えるWeb2.0。インターネット上の脅威が大きな課題としてあげられるからこそ、次世代のWeb3.0への注目度も高まりを増していくことでしょう。
4. Web3.0のメリット
Web3.0には複数のメリットがあり、それらを最大限に活かしていくことが大事です。この章ではWeb3.0のメリットを解説していきます。
4-1. セキュリティレベルの向上
Web3.0、1つめのメリットは、セキュリティレベルの向上があげられます。
Web3.0によるセキュリティレベルの向上は、分散型の仕組みであるブロックチェーンの技術によって作られています。これからのインターネットの屋台骨を担う要素といっても過言ではないでしょう。ブロックチェーンを用いた環境下では取引のデータはすべて暗号化したうえで送信されます。暗号化したデータは安全な状態で関連するユーザーに共有されることになります。安全な状態でデータを共有できることは、「サーバーへ攻撃をうける」脅威に怯える必要が軽減し、より積極的なビジネス展開につながるといえます。ゆえに、Web3.0の代表的なメリットとして、セキュリティレベルの向上があげられています。
4-2. 国境の制約が存在しない
Web3.0、2つめのメリットは、国境などの制約が存在しないことがあげられます。
日本国内だけを見ると、インターネットを自由に使えること自体、当たり前に感じるでしょう。しかし世界には、インターネットを自由に使えない国も存在しています。中には、政府が常に監視しSNSで情報を発信できない国やSNS自体へのアクセスを禁じられている国もあります。こういう国は、独自のファイアウォールを導入しており、ユーザーの要求をことごとく拒否してしまいます。この状況は、インターネットがまったく活かされていない状況ともいえ、今後の技術的な発展も見込めなくなります。しかし、Web3.0ならブロックチェーンへの加入に制限を設けることが不可能なため、ユーザーの要求を拒否するようなファイアウォールは作動しません。しかもホストコンピューターがないので、介入される心配もありません。国境の制約を気にせずインターネットを利用できることは、本当の意味で自由なインターネットを手に入れられるとも呼べるでしょう。
4-3. 個人データを自身で管理できる
Web3.0、3つめのメリットは、個人データを自身で管理できることです。
例えば現在、インターネット利用中に興味のありそうな広告を目にする機会が多くあります。しかし、Web3.0なら個人データを自身で管理できるため、表示させないようにすることも可能です。この理由としては「自分の情報を企業に開示しない」選択が可能だからです。行動や検索の履歴は自分の範疇だけに収まってくれます。また、この変化は企業間の取引にも大きな影響を与えます。Web3.0では、サーバーを介する必要がないので、重要な交渉や契約をオンライン上で行いやすくなります。Web2.0時代が色濃く残る現在では、情報収集される危険性もあり、交渉や契約のレベルに制限を設けている企業が大半です。しかし、Web3.0なら完全なプライベート通信が可能なため、心置きなく機密情報のやり取りも行えるようになるでしょう。ゆえに、個人データを自身で管理できる点、大きなメリットと言われています。
5. Web3.0の活用事例
では実際、Web3.0にはどのような事例が存在しているのか?Web3.0の事例を知っていると自社に導入するときの参考になるでしょう。ぜひ最後までご一読ください。
5-1. 事例1 とあるゲームアプリの企業
1つめは、とあるゲームアプリの企業です。
とあるゲームアプリの企業では、ブロックチェーンの技術を積極的に使っています。具体的には、ゲームアプリ内で起こる「不正にアイテムを増やすなどの悪意ある行為」を防ぐ目的で使われています。ブロックチェーンが使われたアイテムは、唯一性を持つものとなり、自分の資産として存在します。したがって、アイテムの値打ちがしっかり保証されるため、ユーザーは気兼ねなく購入できるようになります。しかも、ゲームの提供が終了してからも、アイテムは自分のもとに残り続けます。なぜなら、アイテムのデータをサーバーで管理しているわけではないからです。ゲームアプリをプレイする人にとって、アイテムは重要な要素としてあげられます。Web3.0を代表する良い事例と言えるでしょう。
5-2. 事例2 検索エンジン
2つめは、検索エンジンです。
Web3.0を取り入れている検索エンジンでは、検索したときに、個人データが収集されることをブロックしてくれます。そのため、自分の好みに合った広告が表示されることもありません。この機能の特徴を踏まえて分散型ブラウザと読んでいる人も多いです。Web3.0を取り入れた検索エンジンの特徴としては、個人データの収集をブロックできる設定が初期状態でなされていることです。つまり、Googleなどに個人データを提供する気はないと言えます。Web3.0を取り入れた検索エンジンは、まだ完全な状態ではありませんが、アップデートを繰り返し進化中です。また、知名度も次第に高まりつつあり、標準のブラウザとして採用されるケースも多いと言われています。
Web3.0を取り入れた検索エンジンのもう1つの特徴としては、通信速度の高速化があげられます。不要な情報を収集されないため、データ通信量削減につながり、通信速度の高速化が起こると言われています。
5-3. 事例3 仮装通貨の取引
3つめは、仮装通貨の取引です。
Web3.0は、以前から仮想通貨の取引などに使われています。Web3.0の技術を用いることで人工知能の技術を導入。万全なセキュリティ環境下において、効率的な取引が実施されるようになっています。
6. まとめ
近年話題となっているWeb3.0は、現代社会の課題解決につながる「次世代のインターネット」として注目を集めています。
明確な定義が定まっているわけではありませんが、今後益々注目を集めるであろうWeb3.0。ぜひ、みなさまも今後の動向を気にしてみてくださいね!
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