パートナーインタビュー

2023.08.28

インタビュー[パートナー] インタビュー

事業創出からシステム開発まで伴走し続ける事業パートナーに〜Arinos×バイタリフィで生まれるシナジーとは〜【第一弾:Arinos社 インタビュー】

バイタリフィでは、経営コンサルティング会社Arinosと2021年6月に業務提携を行い、今年3月には2社共同で経営者や事業責任者のビジネス課題に対する壁打ちサービスをリリースしました。

今回はArinos社の古家由也代表に、業務提携の背景やバイタリフィと組むことで生まれるシナジーや具体的な取り組みイメージ、今後の計画等について伺ってまいりました。是非ご一読ください。

■最初にArinos社がどのような会社か教えてください。

Arinosトップ画面

株式会社Arinosの代表古家と申します。元々Arinosは大手企業向けの新規事業開発や業務改善コンサルティングを主軸事業としていました。そこから更に会社として規模を拡大するために、自分たちの強みを活かした何か新しい事業ができないか、と模索していました。

実はArinosはコンサルティング会社でありながら、これまで33の自社事業を立ち上げているんです。そのうち28事業は潰れていて、収益化したものは大体5事業くらいです。海外の事業だと事業売却などもしたことがあります。

その上で強みが何か考えた時に "誰も解決していない社会課題を発見し、自分たちの力で0から事業化して収益を上げる" というスタートアップ的な事業立ち上げに何度か成功していることではないかと思いました。

今まで顧客向けに行ってきた戦略作りや業務コンサルのノウハウと、自分たちで泥臭く0から立ち上げてきた新規事業開発のノウハウを活かして、現在主軸としている事業が「中小/スタートアップ/ベンチャーの事業の立ち上げ支援」です。

Arinosは創業期から「事業創出を通じて日本を元気にする」というテーマを掲げていて、「社会課題解決につながる事業を創出する」「事業創出できるような人材を育成する」ために動いています。

これまではArinosの社内だけでそれを実現しようとしていましたが、今は中小/スタートアップ/ベンチャー企業に対してArinosのサービスを提供し、それを通じて小さい企業が社会課題を解決できる事業をつくり、魅力的な産業に生まれ変わっていくことを目標としています。

サービス内容としては、「事業創出プログラム」というゼロから事業を立ち上げるための包括的支援を行っています。

具体的には、事業アイデア抽出、事業計画の作成、テストマーケティング、資金調達のフローをワンストップで提供し、「アイデアはあるが資金や計画がない」というお客様でも事業の立ち上げができるよう支援しています。

また、資金調達が完了した後も、事業成長の伴走支援を顧問型コンサルティングでサポートし、一緒に事業を大きくするような顧問サービスも行っています。

事業成長に必要な機能を「営業顧問」「マーケティング顧問」のような形で提供するサービスです。

長期的には顧問サービスの比率を大きくし、お客様が資金調達をしたその先の開発やマーケティング、その他コンサルの部分まで支援させてもらうというようなビジネスモデルを立てています。

大手企業にコンサルをしてきた実績と自分たちの経験に基づいたノウハウが貴社の強みなんですね。

仰る通りです。

コンサル会社は「5年後や10年後の戦略を立てます」というところが多いかと思いますが、中小/スタートアップ/ベンチャー企業に対してはそれよりも目下の実行計画の方が重要だと考えています。もちろん5年後、10年後のことも考えなければいけないですが、"今" この売上を立てないといけない、という方たちと "一緒にその売上を作る" ということをやりたいと思っていたんです。

そこで事業がうまくいけば、その後も頼ってもらえますし、それこそ一コンサル会社ではなく "事業パートナー" としてみてもらえると思うので。我々が実現したいのは、その泥臭い部分を一緒に走る、伴走支援するというところです。ここをやっているコンサル会社は非常に少なく、弊社の特長の一つだと思っています。

コーポレートサイト拝見させていただいて、古家さんのメッセージの中に「お客様の内部に入って一緒に汗を流しながら取り組む」という記載がありましたが、まさにその言葉通り、外からサポートというよりは「一緒に泥臭く戦っていきましょう」という形なんですね。

本当にその通りです。

■今回バイタリフィと資本業務提携することとなった背景や経緯について教えてください。

古家様

弊社のサービスは現在、最上流の「経営のサポートをする」という部分がメインです。月30〜40件新規顧客を獲得できていて、今後、月100件に到達する見込みです。

そこで顧客から頻繁に出てくるのは「システムやアプリを作りたいが、何から着手すればよいかわからない」という声です。

お客様が資金調達を完了した段階で、必ず投資先として検討するのがシステムとマーケティングです。特に最近の新規事業はほとんどデジタル絡みで立案することが多いため、システム開発が必須になります。

その際に、システム開発の機能を弊社で持っていればお客様のLTV(顧客生涯価値)を最大化できると考えています。

しかし、Arinosの強みはあくまでも戦略や新規事業を立ち上げてその改善を行っていく上流部分なので、実際にモノを作ることに関しては自社だけだと賄えない部分があります。

そこで、バイタリフィ社と組むことで、資金調達後のお客様にも伴走支援していけるのではと思い、今回資本業務提携を行うことになりました。

もう一つ考えているのは、資金調達前の開発ニーズである「プロトタイプ開発」に応えることです。資金調達前にも投資家に向けてテストマーケティング用のプロダクトを見せることは今後重要になってきます。

例えばテストマーケティングで金額を抑えた簡易的なプロダクトを作り、PDCAを回しながら実際のシステム開発までブラッシュアップしていくといったフローが実現できれば、両社にとってのメリットだと思っています。協業することで、1人1人のお客様により長く寄り添っていきたいです。

■実業務の中でバイタリフィと相性が良いなと感じる部分はありますか?

相性が良いというのは常に感じています。

弊社の顧客区分は、6割がスタートアップ、3割が新規事業開発をやりたい中小企業、1割が成長ベンチャーという比率です。またプロジェクトで分けると、ITプロジェクトが半分、非ITのプロジェクトが半分です。基本的に、スタートアップかつIT企業に関してはほぼすべてテストマーケティング用のソリューションを作らなくてはなりません。加えて資金調達完了後にはシステム開発が発生するので、バイタリフィ社と手を取り合ってできる部分がたくさんあります。

非ITのプロジェクトというのはどういうものですか?

例えば、地域の特産品を拡販したい、や、飲食店の売上を上げたい、などですね。弊社は地銀と連携しているので、地銀から紹介される案件にそういった案件が多いです。地域企業では最先端のITを推進しているところは決して多くはないので、どちらかというと非ITプロジェクトが多いです。

想像していたよりお客様の幅が広くて驚きました(笑)

幅広いですね。ただ、Arinosとしては社会的な意味や意義があって、最低限の収益性が担保できていれば業種・業態関係なく取り組みを行うと決めています。

よく専門領域のことを聞かれるのですが、正直あまり関係ないと思っています。会社ごとにキャッシュポイントやターゲティングを決めるといった過程はもちろん発生しますが、初めに事業内容を聞く、それを聞いた上で事業計画書に落とすという基本の流れとしては一貫しています。

そのプロジェクトにはすでに飲食店20年やっていた経営者の方だったり、農業を何十年もやっている農家の方だったりがいるので、業界特化の業務知見はその方から聞けばわかります。その方たちに足りていないのは、「事業計画に落とす」「資本政策を組む」「マーケティング戦略を組む」「システム開発を行う」という部分なので、実は我々がどこかの業界業種に特化しなくとも支援ができるんです。あえて絞る必要性はないと思っています。

また、“教えてあげる”というスタンスではなく、逆に我々から「飲食のこの部分について教えてほしい」というようなことを積極的に聞いてます。「業界のことはお客様の方が詳しいので教えてください」「その代わり事業計画や資本政策、マーケティング、システム開発などについては我々が助けます」と。そういう関係性を築いているというのも業界業種を絞らずともうまくできている理由かなと思います。

業界が多岐に渡っているのでこちらの知識量や事前準備が大変そうな印象でしたが、双方のノウハウを組み合わせているのですね。

そうですね。新規事業の立ち上げは、1ヶ月かけて競合調査をしたり、提案書を作り込んだり、というよりは、できるだけ費用を抑えた上でディスカッションをしながらスピーディーに進めることが重要なので、スタートアップに向けた戦い方としてはこれが合っているのかなと思っています。

結局はスピード重視なので、仮説検証のプロセスをいかに速く回すかということも重要ですし、小さい施策を複数回すということも重要だと思っています。例えば議論している中でAとBで意見が割れたら、AもBもやればいいんです。小さい金額で最速でやる、失敗した方を消す、うまくいきそうな方を残してそこにお金をかけていく、というプロセスがいいと思っています。

お客様のフェーズによっては競合調査などの準備に時間をかけることもありますし、どんどん仮説検証を繰り返しながら進めることもあります。この部分をコントロールできるのも我々の強みかなと思います。

■直近サービスとして提供を開始した「壁打ちサービス」について教えてください。

「壁打ちサービス」は、「新規事業開発を考えている」というお客さまに対して、バイタリフィ社と弊社でソリューション提供をする、というものです。ただ単に「開発します」「企画します」と言うだけではお客様に響かないので、最初は無料で事業の壁打ちを2、3回行い、方針をまとめる、その上でシステム開発が必要であればバイタリフィ社が、その手前のフェーズであればArinosが、という2社で企業の事業の壁打ちを行うサービスです。

■実際お客さまから寄せられた相談はどのようなものがありますか。またそれに対するソリューション提案についても教えてください。

相談としては「事業をスケールさせるために壁打ちしたい」「ピボットするかしないかを考えているから相談したい」「ターゲットがこのままでいいのか悩んでいる」というものが多いです。その中でも特に多いのが「資金調達をするために事業計画をブラッシュアップしたい」という相談です。

そういったお客様に基本的には、まず今の事業計画をすべて見せてもらい、その事業計画で「誰の何の課題を解決するサービスなのか」を一緒に考えてブラッシュアップし、その後の資金調達の方法を提案したりということをします。

壁打ちサービスの場合は、今ある事業計画内で検討しなくてはいけないポイントを明確にし、その上で明確になった部分を具体的にどう変えていけばいいかというディスカッションをします。大体3回の壁打ちはここまでになることが多いので、引き続きもっとブラッシュアップしたい方や資金調達の方法についても相談を希望していただける場合は、契約をしていただくようなイメージです。

具体的にお客さんから「〇〇を開発したい!」という要望ではなく「〇〇をしたいんだけどどうしたらいい?」というような相談をいただくイメージですかね。

まずはそうですね。開発を考えている方ももちろんいるのですが、どちらかというと開発ニーズありきではなく、事業ありきで上流の部分から相談いただいてそこから長く支援させてもらうようなイメージです。その支援の中で開発のニーズが出てきたらバイタリフィ社、その前段階のマーケティングや業務改善のニーズが出てきたら弊社のような棲み分けです。

■バイタリフィと手を組むことでどのようなお客さんに対して、どのような課題解決を提案したいですか。

Arinosには「どのような人たちにもチャレンジする機会を与えたい」というコンセプトがあります。理想論ではありますが、お金がなくても本気でチャレンジしたい人たちがチャレンジできる環境を作ってあげたいと思っています。我々がスタートアップ企業をたくさん開拓している理由はそこにあります。何かしら夢やビジョンなど熱い想いはあるものの何もできない人たちに対して、開発ソリューションを作ったり、僕たちのソリューションを組み合わせて提供したりというのをやっていきたいと思っています。

これは自分がかつてそうだったことが大きく関係しています。私は19歳で事業をスタートして、当時は荒削りでありとあらゆる企業に飛び込み営業をしていました。売上も上がらず潰れかけていた時に、とある中小スタートアップベンチャーの社長が資金投資をしてくれたんです。「君面白いからこれで何かせぇ」と(笑)。

それをきっかけに収益が上がり、投資してくれた方たちにお礼を言いに行ったんです。その際に「お前みたいな若者が今後出てくるだろうから、それを支援するような仕組みを作ってくれ」と言われたんです。当時20歳だった私は、金銭的制約や時間的制約によってチャレンジできない人たちを支援することをしたいなと、決断しました。自分を支援してくれた方たちがかっこよく見えたというのもあります。それが今のArinosのコンセプトに繋がっていますね。あの時の僕みたいな人は山ほどいると思うので、その人たちが少しでも新しいビジネスを興して立ち上がっていけば日本が元気になるし、そもそもそういう世界が素敵だと思っています。

バイタリフィ社と組むことで、我々だけだと難しいシステムの部分も強みにしつつ、今言ったような世界を作っていきたいですね。

会社の信念が実体験に基づいていることが衝撃でした。

そうですね。実体験に基づいていなければ今の行動は取らないと思います。潰れかけていた19歳の自分を助けてくれた人たちに言われたことを、絶対蔑ろにはしないので。他のコンサル会社ではやらない領域で新しいコンサル市場を築くことにチャレンジするからこそ意味があると思っています。

ただ綺麗事ばかり言っていられないので、我々も最初はノウハウと資金を貯めるために大手企業向けのコンサルもやりつつ、新規事業の立ち上げもやりつつでここまでやってきました。今やっと目指していた領域にチャレンジできているので、ここからが勝負だと思っています。バイタリフィ社を始め、得意領域を持つ企業と連携を深めていっています。

■今後の計画について教えてください。

13期を迎えた今、まず行なっていることは体制づくりです。元々はなかった営業部を今期新たに作り、新規で月30〜40件ほど顧客獲得できるような体制にしました。今期の残りでは、地銀との連携を強めて地方の中小企業を開拓し、月50〜60件は顧客獲得できるようにしたいです。また、これまでマーケティングにはまったくコストをかけていなかったので、その部分に関しても投資を強化していきたいと思っています。

次の14期では、月次顧問コンサルを拡販することを目標に置いています。体制強化とストックビジネスの拡販で準備を行い、15期に大きく売上を伸ばす計画です。

実際に人員も拡大している段階ですか?

そうですね。現在社員数は外国人含め70人超、うち日本人が65人ほどです。今後は日本だけで人員を増やす必要もないと思っていて、直近ではスリランカで営業部隊を構築しています。営業業務は標準化さえすれば数での戦いになると思っているので、元々スリランカに子会社として持っていたところで5〜10名ほど現地の方を追加採用しました。日本の人員がもう少し上のレイヤーの業務を行えるように、これまで日本人がやっていたところを代替してもらっています。体制構築については現在進行形で創意工夫しながら行なっています。

■最後になりますが貴社のPRがあればお願いいたします。

我々が今ナンバーワンを目指している部分は、「中小/スタートアップ/ベンチャー企業の新規事業の伴走支援でナンバーワンを取る」というところです。「中小/スタートアップ/ベンチャー企業の新規事業立ち上げを最初から最後までサポートする」というサービス領域をやりきっている企業は恐らくなかなかないと考えています。

ただし、我々がパイオニアになるにしても、結果が伴わないと真のナンバーワンにはなれません。

これを実現するために、47都道府県の各地方を開拓していこうと考えています。地銀との繋がりも含めて、どんどん地方の企業を元気にしていって、それぞれの都道府県でナンバーワンを取って積み重ねていけば、最終的に日本でナンバーワンになれると考えています。

ですので「自分の地元を元気にしたい」「地方の産業をなんとかしたい」という方々にどんどんお声がけいただきたいと思っています。

今までArinosは28の新規事業を潰していますし、コンサルでも紆余曲折してやっと13年目の今にたどり着きました。色々な失敗をして、色々な血を流しているからこそ今ちょうど拡大路線に乗せることができ、とても魅力的なフェーズだと思うので、まずはパートナー先として、もしくは業務提携先としてお付き合いしてくれる企業が増えていけば嬉しいです。

そして我々は諦めないので。どんなに死にそうになってもとりあえず走ります。そこが一番のPRですね。

■まとめ

インタビューのお時間いただき、ありがとうございました!

バイタリフィ代表川勝のインタビューはこちらよりご覧ください。

バイタリフィはArinos社との資本業務提携により、今後も上流工程からお客様のDXを支援してまいります。「新規事業の立ち上げについて相談したい」という方はもちろん、「やりたいことはぼんやりあるけど何から始めればいいかわからない」という方も是非お気軽にご相談いただけますと幸いです。

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バイタリフィは、「ベトナムラボ型オフショア開発サービス」を「DXパートナーサービス」へ事業展開し、AIやIot、AR・VR・カジュアルゲームのUnity案件などの最先端技術にも対応できるようになりました。

主に3種類の開発サービスを通して、ITによるお客様ビジネス促進のサポートに携わります。

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