「オフショア開発を行う時、英語は学んでおくべき?」
「オフショア開発で英語を利用する機会は本当にある?」
オフショア開発とは、近隣諸国へ開発を頼むことです。その際、発生するのが「言葉の壁」。海外IT人材の中には日本語を話せる人もいますが、日本語を完璧に理解できる人はそれほど多くなく英語での会話が求められる場合もあります。
そこで本記事では、オフショア開発を行うにあたって英語は本当に必要なのか?を徹底解説。オフショア開発において英語でやり取りをするメリットや英語事情など、オフショア開発における言葉の壁を乗り越えるためのノウハウを紹介していきます。
オフショア開発を検討しているものの、言語面に不安がある…という方はぜひご一読ください。
目次
1. オフショア開発に英語は必要?
では早速、結論から言うと、日系のオフショア会社に頼む場合は英語は不要です。
オフショア開発を検討する場合、基本的には東南アジアや南アジアを利用したオフショア開発企業が選ばれることが多いです。そして、ベトナムやミャンマーといったオフショア事業を展開している企業には日系企業が多い傾向がみられます。日系企業の大半は、日本語でのコミュニケーションを行える通訳やブリッジSEといった人材を用意。日本語でのコミュニケーションを無理なく行うことが可能です。そのため、オフショア開発のために英語を話せたり覚えたりする作業は不要となります。
2. 英語は不要だが覚えておくと得をする
得する例としては、以下のような例があげられます。
- オフショア開発会社選びの選択肢が広がる
- 品質向上につながる場合がある
- エンジニアの質をあげられるようになる
- 開発コストの削減につなげられる など
1つ1つ解説していきます。
2-1. オフショア開発会社選びの選択肢が広がる
まず1点目は、オフショア開発会社選びの選択肢が広がることです。
特に、フィリピン、インド、マレーシアなどの国では英語が公用語になっていることもあり、英語でのコミュニケーションが他の東南アジアの国々と比べて容易です。安いオフショア先というよりは協業できる会社を探している、スキルセットがマッチして質のいいエンジニアが揃っているオフショア会社があり、そこに開発を頼みたい…と言う場合にも、英語ができれば、オフショア先に日本人がいなくても技術力や得意とすることからオフショア先を探すことができるので選択肢が広がります。
特にインドは「インドのシリコンバレー」と呼ばれるほどIT産業が盛んな都市もあり、数学に強い、AI分野に詳しい人が多いなどの特徴があるのでオフショア先の選択肢に入れたい人は多いかもしれません。
2-2. 品質向上につながる場合がある
2点目は、品質向上につながる場合があることです。
開発の内容次第ではありますが英語を基軸言語にすることで、オフショア先のエンジニアとの相互理解を深めることが可能です。こうなると円滑なコミュニケーションを行えることになり、結果として品質向上につなげられます。
2-3. エンジニアの質をあげられるようになる
3点目は、エンジニアの質をあげられるようになることです。
オフショア開発先として有名なベトナムやフィリピン、ミャンマーといった国では急速にIT技術が向上しているため、優秀なエンジニアが多いです。
優秀なエンジニアの中で日本語を話せる、と考えるとかなり候補が絞られてきますが英語が話せるだと、候補を広げられるようになります。日系企業を介することで英語を意識する必要はなくなりますが、英語を押さえることでエンジニアの選択肢が広がることも覚えておくとよいでしょう。
2-4. 開発コストの削減につながる
4点目は、開発コストの削減につながることです。
オフショア開発を行う際に、日本語を話せるブリッジSEや通訳をアサインする場合、その分の追加費用が発生する場合があります。
またコミュニケーションをする際に英語だったら一発でつながっていた可能性があるものでも、日本語の場合は遠回りしてしまう可能性もあります。これは、通訳やブリッジSEといった人を介する必要があるからというのが理由ですが、英語で話せる場合のコミュニケーションコストを削減することができ、結果として開発コストの削減につなげられるようになります。
3. オフショア開発にて英語でコミュニケーションするメリットは?
前述した内容も踏まえ、オフショア開発にて英語でコミュニケーションをするメリットを改めてまとめていきます。
3-1. メリット①オフショア開発に必須のブリッジSEや通訳など、日本語話者を挟む必要がない
オフショア開発で英語を利用するメリット1点目は、オフショア開発に必須のブリッジSEや通訳など、日本語話者を挟む必要がないことです。
オフショア開発チーム、自社、両方とも英語ができる場合、通訳やブリッジSEを挟む必要が無くなります。自社でマネージメントする手間は多少増えるかもしれませんが、これはオフショア開発費のコストカットに直結します。また、オフショア開発では技術的なバックグラウンドがない通訳をつけると情報が上手く伝わらないということがよく起こりますが、自分で説明することができればいくらか伝わりやすくなるでしょう。
エンジニア用語のほとんどが英語なので、オフショアエンジニアにとってもそちらの方が理解しやすい場合もあります。
3-2. メリット②オフショア開発国のレベルの高い人材にリーチしやすくなる
オフショア開発で英語を利用するメリット2点目は、オフショア開発国のレベルの高い人材にリーチしやすくなることです。
どのオフショア開発国でも日本語ができて、技術力も高いエンジニアというのは本当に探すのが難しい稀な人材です。日本語力を重視すると、オフショア開発国のレベルの高いエンジニアにリーチする確率をガクッと下げてしまうことにも繋がりかねません。一方で、技術力もあり英語もできるエンジニアは東南アジアのオフショア開発国でも探すのが比較的容易になります。
技術力が高いエンジニアは大抵英語でエンジニアリングについて勉強している人が多いため、英語を書いたり話したりすることに大きなハードルを感じていません。日本国内では探すのが難しい、または高単価になってしまうような優秀な人材でも、英語ができればある程度リーチしやすくなるのが大きなメリットです(ちなみに、EF EPIの英語能力指数調査によれば、ベトナムの英語能力は41位、49位の日本より上と言われています)。
4. オフショア開発を英語で行う場合、どの程度のレベルが必要?
では仮に英語を学ぶ場合、どのくらいの英語レベルがあればオフショア開発を英語で進めることができるのでしょうか?
ビジネス英語くらいできないといけないんじゃないの?と思われる方も多いと思いますが、オフショア開発は基本的にテキストでのやり取りが多いです。そのため、想像以上に英語スキルを必要としないというのが個人的な実感としてあります。
もちろんインドなどの英語ネイティブの国にオフショア開発を頼む場合は、もう少し高いレベルの英語が必要となりますが、非ネイティブの東南アジアであればテキストベースで、簡単な英語の会話で十分コミュニケーションがとれます。オフショア開発で必須となる仕様策定や進捗確認のミーティングなどは事前にアジェンダやコンテンツを貰っておき、準備することである程度は乗り切れるはずです。
込み入った話をするのは少し大変かもしれませんが、今はGoogle翻訳もありますし、オンラインでもリアルタイム字幕が出るようになっているので、英語でのコミュニケーションはとてもハードルが下がっています。
もちろん、どうしても認識齟齬がおきてしまうというのは英語でも日本語でも有りうるので、重要な内容の時は適宜通訳をアサインしてもらうなどの工夫は必要でしょう。
5. オフショア開発を英語で進行するために…オススメの勉強法は?
ここからは「オフショア開発を機に英語を勉強してみよう!」という方向けに、英語を理解するためのおすすめの勉強法を紹介していきます。
英語の理解を深めたい方は、ぜひご一読ください!
5-1. オンライン英会話
オフショア開発における英語の勉強方法1点目は、オンライン英会話です。
オフショア開発を英語で進められるような会話力を鍛えたいなら、DMMやNativeCampなどのオンライン英会話がおすすめです。忙しい社会人でも毎日25分のレッスンなので負担なく続けることができます。
英語にあまり自信がないのであれば、まずは日本人講師から始めても良いですし、比較的シンプルな英語を喋るフィリピン人講師もおすすめです。
レベル別にコースが用意されているので、自分にあったものを選択することができます。
5-2. テック系ラジオ/PodCastを聞く
オフショア開発における英語の勉強方法2点目は、テック系ラジオ/PodCastを聞くことです。
エンジニアなら、こちらの勉強法の方が興味関心がある分野なので進みやすいかもしれません。最初は難しいかもしれませんが、耳が慣れてくるとだんだんわかるようになって面白さを感じられるようになります。
なお下記2つは言語についての話、エンジニアのマインドセットの話など、幅広いテーマがあるので好きなテーマを探して聞いてみてくださいね。
Accidental PodCast
Developer Tea
プロダクト作り全般はこちらがおすすめ。
How I build this
Side Hustle School
6. まとめ
オフショア開発における英語は、なくても大丈夫な存在(日系企業の場合)ですが、英語を学んでおくことで多くのメリットを享受できるようになります。
オフショア開発を英語でやるなんて無理…と思ってしまうかもしれませんが、やってしまえば意外になんとかなった!という声を耳にする機会も多いです。
エンジニアであれば英語ができることで学習がかなりはかどったり、最新情報を手に入れやすくなるメリットもあります。
余裕がある場合は必要以上に構えずに、簡単な英語コミュニケーションから勉強してみるとよいでしょう。
7. ベトナムでオフショア開発をするならバイタリフィへ
もちろん、日本語で開発を進めたい、「開発の経験がなくてあまりわからないので相談したい」という場合は本記事を執筆する株式会社バイタリフィへご相談ください。
バイタリフィ・バイタリフィアアジアでは、ホーチミンで2008年から10年超のオフショア開発経験と実績を活かし、優秀なベトナム人エンジニアを活用したソフトウェア開発・サービス開発/保守運営が可能です。
また、当社は、ベトナムに子会社(バイタリフィアジア・スクーティー)を設立しています。
バイタリフィアジア・スクーティーでは、当社で受けた案件の開発部分をベトナム拠点に依頼するようなオフショア開発ではなく、お客様がベトナム拠点と直接関わり、案件進行して頂く事によりコストを抑えたリソース提供を可能にしています。
お客様の専属エンジニアをベトナムにもって頂くようなイメージでの開発が可能となっていますので、「どのようなチームで、どんな風に開発を進めれば良いのかわからない...」と迷っている場合にも一度お気軽にご相談ください。
当社で受託するのがよいのか、バイタリフィアジアへお繋ぎするのがよいのか、お客様にとって適切な開発体制をご提案しています。