オフショア開発を検討している方が一度考えるべきこととして、「どのような体制が最もコストメリットが出るか?」ということがあります。
一般的にオフショア開発は安く開発ができることがメリットですが、通訳やブリッジSEなど、日本で行う開発とは少し違う役割の人を入れるというオフショアならではの性質から、実は体制によってはそれほど安くならないこともあるのです。
今回は、オフショア開発においてどのような体制が最もコストメリットが出るかをご説明します。
目次
1. どのようなチーム体系がある?
まずは、オフショア開発ではどんなチーム体制になるのかを知っておきましょう。
オフショア開発では、エンジニアの他に、PMや通訳、ブリッジSEなどの役割の人が入ってきます。
ベトナムにおけるオフショア開発では、エンジニアは基本的にベトナム語しか喋れずコミュニケーションを日本語で行うことが困難なことが多いので、日本語話者が間に入ることになります。
日本語話者は通訳の役割として入ることもありますし、PMが通訳の役割も兼ねて入ることもあります。
どちらにせよ、ベトナムのオフショア開発において通訳やブリッジSE、PMなしでエンジニアと直接やり取りできる体制になることは少ないです。
1-2. 受託とラボ型
また、ベトナムのオフショア開発においては、チームの体制として、受託型とラボ型に分けられることがあります。
受託型とは、オフショア開発の際にクライアントが希望する人月に合わせて人をアサインする方法です。
エンジニアは専属になる場合もありますが、他のプロジェクトを掛け持ちすることも多くなります。
ラボ型とは、専属のチームをオフショア開発先に持つことを言います。
オフショア開発を頼んでいる国にいるエンジニアを確保し、リモートの開発拠点を持つイメージです。
エンジニアは基本的に他のプロジェクトにアサインされず、専属のエンジニアとして働きます。
オフショア開発にて、エンジニアに徹底的にコミットしてもらえるようなチームを希望するときはラボ型の方がうまくいく可能性が高いです。
2. 最もコストメリットが出る体制とは?
ベトナムオフショア開発には、向いている案件と日本でやった方が良い案件があります。
案件によって受託型にするのか、ラボ型にするのかは分ければいいと思いますが、どちらにせよ最もオフショア開発においてコストメリットがでる体制は、5人以上で開発するようなある程度大きい案件で、エンジニアが複数人必要なチームです。
例えば、予算が200万円だったとすると、日本では単価100万円のエンジニアを2人程度、1ヶ月雇う費用になりますが、ベトナムだとエンジニア1人40万円ほどだとして5人雇うことができます。
これは単純計算なので、実際には1人はPM、1人はブリッジSEや通訳になると思いますが、それでもコストメリットが出ます。
具体的な例を見てみましょう。
あるプロダクトの開発に、開発者が3人、3ヶ月必要なプロジェクトを頼みたいとします。
この場合、プロジェクトの進捗をみるPMを一人、エンジニア3人を雇うとします。
日本の場合だと、1ヶ月あたりの単価は下記のようになります。
PM:100万円
エンジニア1:80万円
エンジニア2:80万円
エンジニア3:80万円
合計:1ヶ月あたり340万円
3ヶ月合計:1020万円
これがベトナムの場合、
PM:70万円
エンジニア1:40万円
エンジニア2:40万円
エンジニア3:40万円
合計:1ヶ月あたり190万円
3ヶ月合計:570万円
※料金は、ベトナムの一般的なweb開発の相場から算出しています。
いかがでしょうか?
3ヶ月分の差分は450万円と、ベトナムオフショア開発の方がコストが半額近く安くなることがわかります。
通訳をつけたとしても日本よりかなり安くなることがわかりますね。
個人的には、ラボチームにしても、受託にしても、チームの構成人数が少なくとも4人以上の方がコストメリットが大きくなるというのが実感としてあります。
2-1. 日本で高単価の人材もベトナムなら…
他にも、例えばAIや機械学習が必要になるような、日本では非常に高単価な人材も、ベトナムで頼むとメリットが出る可能性が高いです。
以前の記事でも解説しましたが、日本では単価100万を軽く超えてくることが多いAIエンジニアも、ベトナムでは40万円〜80万円程度で獲得することが可能です。
AIエンジニアは現状非常に需要が高く、かつ希少な人材なので、日本人フリーランスの単価は60~90万円、経験豊富ならそれ以上となっています。
かつ日本では採用にも時間とコストがかかります。
採用を仲介会社に頼んだり、開発を受託会社に頼むとさらにコストが跳ね上がることは確実です。
一方ベトナムならその半値程度で雇える可能性があるため、AIエンジニアが必要だけどなかなか予算に都合がつかないという場合に、ベトナムのオフショア開発は非常にメリットの大きい選択肢となります。
また、ベトナムでもAIエンジニアという職業は近年人気の職となっているため、多くのベトナム人がエンジニアとして経験を積んで活躍しています。
人材も豊富にいるため、採用コストも下がりやすいと言えます。
経験が豊富なAIエンジニアが欲しかったけど、日本では予算が足りない…という場合でも、ベトナムであれば見つけることができることも。
ベトナムにも、アメリカやヨーロッパ、オーストラリアなどの大学で学んだ人や、外資系企業で経験を積んだ人もいますので優秀な人たちにリーチしやすいのもベトナムオフショア開発の大きなメリットですね。
3. コストメリットが出にくい体制とは?
逆に、少人数・短期間で済むような案件をベトナムに頼んでしまうとコストメリットを感じづらくなります。
例えば、1人月で終わるようなアプリ開発などでPMを入れる必要性があまりない場合、
日本ならエンジニア一人で済むところを、ベトナムでは通訳を挟まないといけないので動きも遅くなり、開発期間が伸びてしまう結果になることが多いためです。
自社にPMやディレクターがいる場合、日本人エンジニアを一人アサインして進めた方がエンジニアの費用がかかるだけなのでコストメリットが大きくなるかもしれませんが、ベトナム人エンジニアとのコミュニケーションコストもかかるのでおすすめはしません。
もしPMやディレクターが自社にいない、という場合は、もしかするとPM兼通訳をしてくれる人材のいる会社に頼むと安くなる可能性はあります。
ただ、通訳作業が入る分進みは遅くなりがちなので、コミュニケーションコストを考えても、小規模プロジェクトは日本で頼む方が良いでしょう。
4. まとめ
オフショア開発でコストメリットが出やすいのは、ある程度大きな規模の開発ということがわかりました。
ただオフショア開発会社などによっても、体制や料金体系は違って来るので、ぜひ一度相談してみてくださいね!
5. ベトナムでオフショア開発をするならバイタリフィへ
ベトナムでのオフショア開発を検討している方は、ぜひ弊社へご相談ください。
バイタリフィ・バイタリフィアアジアでは、ホーチミンで2008年から10年超のオフショア開発経験と実績を活かし、優秀なベトナム人エンジニアを活用したソフトウェア開発・サービス開発/保守運営が可能です。
また、当社は、ベトナムに子会社(バイタリフィアジア・スクーティー)を設立しています。
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お客様の専属エンジニアをベトナムにもって頂くようなイメージでの開発が可能となっていますので、「どのようなチームで、どんな風に開発を進めれば良いのかわからない...」と迷っている場合にも一度お気軽にご相談ください。
当社で受託するのがよいのか、バイタリフィアジアへお繋ぎするのがよいのか、お客様にとって適切な開発体制をご提案しています。