「ラボ型オフショア開発とはどういう意味?」
「ラボ型オフショア開発と請負型契約との違いは?」
「ラボ型オフショア開発のメリットデメリット・注意点は?」

システム開発の方法が多岐にわたる昨今「ラボ型オフショア開発」は注目されている開発方法の1つとしてあげられます。しかし、1度は聞いたことがあるけど、具体的にどういったものを指すのか?理解できていない人もいるかもしれません。

本記事ではラボ型オフショア開発について、そもそもどんな開発形態なのか?また、請負型との違いは何なのか、メリットデメリットは何か?などラボ型オフショア開発の基礎知識について解説していきます。最後には発注する際の注意点に加え、ラボ型オフショア開発が自社に向いているか?確認することも可能です。ぜひ最後までご一読ください。

本記事は、ベトナムオフショア開発NO.1老舗企業「株式会社バイタリフィ」が執筆しています。

1. そもそもラボ型オフショア開発とは?

ラボ型オフショア開発とは、ラボ型でオフショア開発を行う開発形態のことを指します。

ラボ型とは、自社専属のエンジニアチームを社外に構築する方法のことを指すので「自社専属のエンジニアチームをオフショア先に持つこと」と考えると分かり易いです。例えば、日本国内に拠点を構える会社が海外にあるオフショア開発会社に開発チームを構築した場合、ラボ型オフショア開発と呼ぶことができます。

ラボ型オフショア開発とは

ラボ型オフショア開発では一般的に半年~1年、もしくは数年といった一定期間の契約(準委任契約)かつ、人材ベースでの契約(期間×作業要員での契約)となる場合が多いです。そのため契約期間中に開発チームが解散されることはなく、自社専属のオフショア開発チームを持てるようになるでしょう。

そして近年では、ラボ型オフショア開発と似た「ラボ型ニアショア開発」という言葉も耳にするようになりました。ニアショア開発とは、国内の地方にある企業へ開発を外注・依頼することを意味します。

ラボ型ニアショア開発とは
  • オフショア開発は、国内から「海外」にある企業へ開発を外注・依頼すること
  • ニアショア開発は、国内から「国内にある地方」企業へ開発を外注・依頼すること

似た言葉として捉えられており意味が混同しがちですが、外注・依頼する「場所」が異なると理解すると分かり易いです。

2. ラボ型オフショア開発の特徴

では具体的に、ラボ型オフショア開発にはどんな特徴があるのでしょうか?基本的な特徴を解説していきます。

  • 国内海外間でのコミュニケーションが基本となる
  • 日本と海外の橋渡しを担う存在がいる
  • 準委任契約が基本となる

2-1. 国内海外間でのコミュニケーションが基本となる

まず1つめのラボ型オフショア開発の特徴としては、国内海外間でのコミュニケーションが基本となることです。

先述したようにこの開発方法は、オフショア開発企業(海外にある企業)内に開発チームを一定期間構築する方法となるので、海外とのやりとりが基本です。

国内海外間でやりとりを行う方法としては、skypeやZoomといったオンラインツールを用いリモートで進捗報告や打ち合わせを行う遠隔ラボチーム型。発注元からスタッフを海外へ派遣し、海外で一緒に開発を行う常駐ラボチーム型。2種類存在します。コロナ禍へ入り渡航が厳しくなった昨今では、前者のタイプが用いられるケースも多くあります。しかし、オフショア開発は品質がよくなく不安であるといった方の場合、後者の常駐タイプを選ぶ場合もあるようです。

▼ラボ型オフショア開発の詳しい体制については以下の記事をご覧ください。

2-2. 日本と海外の橋渡しを担う存在がいる

2つめのラボ型オフショア開発の特徴としては、日本と海外の橋渡しを担う存在がいることです。

ラボ型に関わらずオフショア開発を行う際は、日本国内と海外の橋渡しを担うエンジニア「BrSE(ブリッジシステムエンジニア)」がアサインされるケースが多くあります。

BrSEは、プロジェクト成功へ向け依頼者側とオフショア先のエンジニアがうまく働けるよう支援、また言語や文化・商習慣の違いに配慮する役割を担っています。「依頼者側の要望をオフショア開発で行えるよう取り次ぐ」「日本語の仕様書や設計書を翻訳する」「オフショア開発チームの進捗を理解し、PMと連携しながらチーム・品質管理を行う」など様々な業務を行います。

ベトナムでのオフショア開発を行う弊社バイタリフィの場合、前述したBrSEと異なり、通訳・翻訳業務からプロジェクト進行管理など幅広い業務を担当する「BPM(ブリッジプロジェクトマネージャー)」を用意し、オフショア開発をスムーズに行うためのサポートをしております。BPMは「通訳兼PM」のような立ち位置で、プロジェクトの責任者・メイン窓口を担当します。具体的なラボ型開発の体制例はこちらの記事でご紹介しています。

2-3. 準委任契約が基本となる

3つめのラボ型オフショア開発の特徴としては、準委任契約が基本となることです。

ラボ型オフショア開発は作業要員×期間に対する契約が一般的であり、成果物に対する契約(請負型契約)とは異なります。そのため、中長期的な契約を結ぶことを検討している人が利用している傾向が強いと言われています。

前述した通り、準委任契約が基本となるラボ型オフショア開発ですが、ベトナムでのオフショア開発を行う弊社バイタリフィでは、オフショア開発を請負契約で行うことも可能です。まずは請負契約でオフショア開発をお試しいただいた後に、ラボ型オフショア開発でご契約いただくこともできるので、お気軽にご相談いただけますと幸いです。

3. ラボ型オフショア開発(準委任契約)と請負型開発(請負型契約)の違いは?

ラボ型オフショア開発(準委任契約)と請負型開発(請負型契約)の違いは?

準委任契約が基本となるラボ型オフショア開発ですが、開発形態としてよく耳にする「請負型開発」とどのような違いがあるのでしょうか。双方の違いがいまいちよく分からないという方はぜひご一読ください。

3-1. 契約形態

請負型開発では、請負型契約
ラボ型オフショア開発では、準委任契約が結ばれるケースが多くあります。

3-2. 責任範囲

請負型では、顧客が求める仕様と要件で開発を行い納期までに業務を完成させることが求める一方、ラボ型オフショア開発では、業務の完成ではなく業務の遂行(決まった期間作業を続けること)が求められます。

3-3. 開発体制

請負型の場合は開発者が開発体制を決めることになりますが、ラボ型オフショア開発の場合は顧客の合意を得た上で開発体制を決定することになります。

3-4. 開発モデル

請負型の場合はウォーターフォール型(仕様を含む要件や納期など詳細な内容を初動で決め、作業過程に入ると前の工程に戻ることがない手法)、ラボ型オフショア開発の場合はアジャイル型(初めから厳密な仕様を決めず、小規模な開発→実装→検証を繰り返し徐々に開発を進めていくと呼ばれる手法)が用いられるケースが多くあります。
※両者共に逆の開発形態を採用する場合もあります。

3-5. 請求支払い

請負契約は案件の開始時に契約金額の一部、検収時に残りを支払うことになるケースが多いです。ラボ型オフショア開発は当月の委託料を翌月の指定日までに支払うケースが多いと言われています。
※会社によって支払い形態は異なります。

3-6. ラボ型と請負型のメリットデメリット

2つを比較した場合の双方のメリットデメリットをまとめると以下の通りです。

まず請負型の場合は、開発者に対する納期や品質担保の責任が高くなるため安心して任せられるというメリットがあるでしょう。その代わり発注時の要件定義が大変であったり、仕様変更に対し柔軟な対応をしてもらうことが難しい可能性が高いというデメリットがあります。

次にラボ型の場合は、仕様変更への柔軟さや開発体制の調整しやすさ、優秀な人材を長期的に確保できるところがメリットだと言えます。ただし納得できる開発を実現するためには依頼者と開発者が積極的に関わらなければならない、進捗確認や成果物レビューを徹底しなければならないという注意点があるでしょう。

4. ラボ型オフショア開発のメリット

ラボ型オフショア開発のメリット

ではこれまでの内容を踏まえ、ラボ型オフショア開発のメリットは一体何か?解説していきます。ラボ型オフショア開発を自社に取り入れるか否かの判断材料にしてみましょう。

  • 能力の高い人材を確保できる
  • 生産性が向上しやすい
  • 仕様変更や機能追加・修正など、柔軟に動ける
  • コスト抑制につながる

4-1. 能力の高い人材を確保できる

まず1つめのラボ型オフショア開発のメリットは能力の高い人材確保を行えることです。

ラボ型オフショア開発は、オフショア開発会社側に自社専属チームを作れる開発形態です。契約時に能力の高い人材を確保できれば、自社専属チームの一員として契約期間内最後まで開発を一緒に進めることが可能です。能力の高い人材であればあるほど育成コストも抑えられ、スピード感をもった開発を行いやすくなります。初動で能力の高い人材を確保しておけば、自社専属チームとして契約期間内確保しておける点は大きなメリットといえるでしょう。

4-2. 生産性が向上しやすい

2つめのラボ型オフショア開発のメリットは、生産性が向上しやすい点です。

ラボ型オフショア開発は、中長期的に開発者と密に連絡を取り合う必要があるため双方がノウハウを増やしながら開発作業を進められます。

例えば、依頼者側であれば海外エンジニアの開発ノウハウを自社に蓄積できる可能性が高いと言われています。その理由としては、オフショア開発依頼先であるベトナムやインド・中国などの諸外国にはITレベルの高いエンジニアが沢山いると言われているからです。開発を共に進めていく中で新たな発見を得られ、開発能力の向上に努めることができるでしょう。

また自社専属のチームとして中長期的な開発を行えるからこそ、自社プロジェクトに関するノウハウをオフショア開発チーム内に蓄積することも可能です。オフショア開発チーム内に自社のノウハウを貯めていくことで、自社プロジェクトをスムーズに進めていくことや、プロジェクト立ち上げにかかるコスト抑制に繋がります。また、開発チームとしてプロジェクトをこなすうちに、コミュニケーション面でも絆や信頼を築き上げていくことができます。

新たにチームを組んで、1から作り上げると、開発ノウハウもそうですが、1からコミュニケーションを取り直す手間が発生します。この手間を削減することができる分、依頼者側がメリットに感じやすいと言われています。

4-3. 仕様変更や機能追加・修正など、柔軟に動ける

3つめのラボ型オフショア開発のメリットは、契約期間内であれば仕様変更や機能追加・修正などに対し、柔軟に動けることです。

ラボ型オフショア開発は決められた期間、人材ベースでの契約が基本となります(期間×作業要員)。そのため、契約期間中に仕様変更や修正があった場合でも、都度見積作成を行う必要がありません。例えば、開発を進める中で自社の方向性が変更となり仕様変更を希望した場合。請負型契約などの開発形態によっては追加費用が発生する場合もあります。しかし、契約期間内のラボ型オフショア開発であればリソースを自由に使えるため、追加費用をかけずに仕様変更や機能追加対応を行うことが可能となります。

変更・追加作業がある度に見積作成が必要な場合、それだけで多大な労力を使います。リソースを自由に使え柔軟に動ける点は、開発スピードの向上にも繋がるため依頼者側のメリットといえるでしょう。

4-4. コスト抑制につながる

4つめのラボ型オフショア開発のメリットは、コスト抑制につながることです。

海外エンジニアの人月単価と国内エンジニアの人月単価を比較すると、海外エンジニアの単価の方が低コストになる場合が多いです。そのため日本国内の開発会社を利用するよりも、オフショア開発の方がコスト抑制につながるといわれています。自社専属チームの確保を行えてかつ、コストも抑えられるのはメリットといえるでしょう。

※開発内容や会社により金額は異なり、日本国内の開発会社へ発注する方が低コストの場合もあります。頭に入れておくとよいでしょう。

5. ラボ型オフショア開発のデメリット

ラボ型オフショア開発のデメリット

魅力が多いラボ型オフショア開発ですが、デメリットになり得る課題もいくつか存在しています。ラボ型オフショア開発を選んだ後で「失敗した」と後悔することを防ぐためにも、事前にデメリットを把握し懸念を払拭するようにしましょう。

  • チームビルディングに時間がかかる
  • 充分な仕事がなければ人件費(費用)が無駄になる

5-1. チームビルディングに時間がかかる

1つめのラボ型オフショア開発のデメリットは、チームビルディングに時間がかかることです。

ラボ型オフショア開発では、もともと別のところで働いていた人同士が集い開発を進めていくため、チームビルディングの形成に時間がかかると言われています。

もしチームビルディングを形成できずコミュニケーションやレクチャーが不十分な場合は、重大なミスに繋がる恐れも出てくるでしょう。そして、チームビルディングは簡単に形成できるものではないため、ラボ型オフショア開発をスタートさせたものの最初から躓いていると感じてしまう人もいらっしゃいます。

まずは確実に協力体制が築けるようコミュニケーションを充実させることや最適なレクチャー方法を考えておくなど、チームビルディング形成につながる体制作りが大切といえます。何も対策を講じないままスタートしてしまうと、こういった問題で躓く可能性があると知っておきましょう。

5-2. 充分な仕事がなければ人件費(費用)が無駄になる

2つめのラボ型オフショア開発のデメリットは、充分な仕事がなければ人件費(費用)が無駄になることです。

ラボ型オフショア開発では、契約期間中に発注する仕事がない場合でも関係なく人件費(費用)が発生しています。そのため、充分な仕事がなければ人材リソースに空きがうまれるということに繋がります。こうなると人件費(費用)が無駄になり、費用対効果が悪化する恐れがあります。人材リソースが無駄となってしまえばラボ型オフショア開発を選ぶ旨味が少なくなるでしょう。

発注プランや依頼の内容がある程度決定していなければ、どのように人材を活用すれば良いのか?困ってしまうケースがあります。契約期間中は1人1人の仕事量が多いか少ないかは関係ないため、人材リソースが無駄にならないよう契約期間に応じた発注を行うことが大切です。また、それによってどれほどの収益が期待できるかということも重要です。費用対効果が悪くなってしまうようであれば、他のやり方を選んだほうがいいと言えるかもしれません。

ラボ型オフショア開発には素敵なところがたくさんありますが、気をつけておかないとデメリットに悩まされることになるかもしれません。チームビルディングの困難さや仕事量の少なさ、費用対効果の低さで失敗するケースが多いため、これらの点で躓くことがないようにしておくべきと言えるでしょう。

6. ラボ型オフショア開発に向いている開発案件とは?

ではこれまで解説してきたことを踏まえ、ラボ型オフショア開発に向いている開発案件とは一体何なのでしょうか?

ラボ型オフショア開発に向いている案件とは?

結論、仕様が変わる可能性がある。また、プレローンチなどを行った後にユーザーの反応を見て追加改修や運用保守をしていきたい。という場合はラボ型オフショア開発が向いているといえます。

理由としては、ラボ型オフショア開発でよく用いられるアジャイル型開発は、仕様変更や追加要件が発生しても細かい調整を行うことができ立ち戻りを少なくできるメリットがあるためです。

「開発着手は決まっているけど、開発途中の変更に対し柔軟に対応していきたい」そう考えている方には、ラボ型オフショア開発が向いているかもしれません。

7. ラボ型オフショア開発を発注する際の注意点

ラボ型オフショア開発を発注する際の注意点

では最後に、ラボ型オフショア開発の活用を行ううえで注意すべき点を解説していきます。注意点を把握しておくと事前準備に役立ちますのでぜひ押さえておきましょう。

  • マネジメントスキルやディレクション能力が求められる
  • リソースを無駄にしない仕事量の確保

7-1. マネジメントスキルやディレクション能力が求められる

ラボ型オフショア開発は、自社の専属開発チームをオフショア開発会社に作る。つまり、自社の開発メンバーが増えるイメージとなります。そのため、開発を行う上ではオフショアメンバーへの指示出しはもちろん、マネジメントを行う必要性もでてきます。

進捗確認、仕様の明確化、成果物に対するレビュー、など依頼者側が行う作業が多数発生するため、マネジメントスキルやディレクション能力が求められる点注意が必要といえます。

7-2. リソースを無駄にしない仕事量の確保

デメリット部分でも解説しましたがラボ型オフショア開発では、たとえ発注する仕事がなくても費用(人件費)が発生することが一般的です。せっかくお金をかけて増やしたチームでも、費用が無駄になってしまっては元も子もありません。

リソースを無駄にしない仕事量を事前に用意できるか?確認する点注意が必要です。

8. まとめ

ラボ型オフショア開発とは、自社専属の開発チームをオフショア開発会社(海外の開発会社)のメンバーで構成することを指します。

案件単位ではなく人・期間単位での契約となる為、柔軟性が高い点や人材確保ができる点強みと言えます。ラボ型オフショア開発にはメリットもデメリットも存在します。条件が自社に合うのか?しっかり考え活用するか否か検討してみるようにしましょう。本記事がみなさまの参考となれば幸いです。

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