2018.12.28

インタビュー[オフショア開発] インタビュー

ベトナムの海運事業ってどうなってるの?商船三井さんへ訪問&インタビュー!

xin chào!(シンチャオ!)

私達はハノイで4ヶ月間の語学留学を終え、現在ホーチミンで1ヶ月間のインターン中です。

日本の大学では、都市創造学部という都市について考える学部で未来の都市について勉強しています。

なので今回は、海を経由して日本とベトナム、そして世界を繋ぎ、都市の活性化に役立っている海上コンテナ業界について調べてみました。

しかし、ネットに書いてあることを読んでも、私の脳みそだと全ては理解しきれない...

ということで、商船三井ベトナムの古川さんに、海運コンテナ業界のあんなことやそんなことを教えてもらいました。

 1.ベトナムの港湾事情はどうなってるの?

その前に、海運コンテナ業界についてざっくり説明

-様々な貨物をコンテナに収納して運んでいる。
-貨物船の中でも一番利用されている。
-世界最大級のコンテナ船の全長は400mもある。

ざっくり海運コンテナ業とはこんな感じです。

 

1-1 ベトナムの港湾事情

ベトナムの主要港湾としてあげられるのがカイメップ、ハイフォン 、ダナンの3つです。

しかし、この3つの港湾の中でも荷物を取り扱う量に差があり、カイメップ(南部)<ハイフォン,ダナン(北部)という感じです。

何故、南部と北部で差があるのかは、この後分かります。

 

1-2 港湾作りたい放題...?

ベトナムは、海に面している国なので港湾作りたい放題...?

と思いきや、残念ながらベトナムは、港湾を作るのに適している国ではありませんでした。

なぜならば、ベトナムは確かに海に面している国ではあるが、水深が浅く(特に北部の河川上流)更にはマングローグが多く存在するからです。

港湾を作る際の理想水深は、12m以上。

しかし、ベトナムはそれに届かず水深が12m未満の場所が多いんです。

作りたい放題じゃないんだ ...

『『『 trời ơi !!! 』』』 

(↑ベトナム語でOMG)

 

1-3 ということは...

先程の、3つの港湾の差の話に戻ります。

1-2で言ったように、北部の水深は南部に比べて浅いんです。

北部の水深が特に浅い=大きすぎる船は北部の河川上流に入って行くことが出来ない、ということです。

大きい船が行けない=小さい船で行き来する、ということです。

そうなると当然ですが、一度に運べる荷物の量も減って来ます。

なので必然的に、深い水深で大きい船が行き来できる南部の港湾が、北部の港湾よりも栄えるということになるわけです。

ハノイよりホーチミンの方が都市が発展しているのには、こういった経緯も関わっているのかもしれません。

  2.商船三井ベトナム 古川さんにインタビュー

今回、私達の学部の教授のお力をお借りし、

なんと、商船三井のベトナム国代表 古川 泰史さんにインタビューすることが出来ました!!

ベトナム国代表と聞き、とても怖い人だと思っていたのですが、実際にお会いしてみたらとても優しく気さくな方でした。

そんな古川さんに、以下の4点をお聞きしました。

-コンテナの中身とは
-コンテナ船の中で働く作業員は何人?
-ベトナムでコンテナ業をするメリット&デメリットとは?
-未来のコンテナ業はどうなる?

Q1.コンテナの中はどうなっているの?!

A.中身は船会社は一切見てはいけないルール

船会社はコンテナの中身を一切見てはいけない、触れてはいけないというルールです。

船会社はあくまでコンテナを貸すだけ、運ぶだけということです。

なので中に何を入れるのか、ぎゅうぎゅうに荷物を詰めるのか、スカスカにするのかはお客様の自由に出来るんです。

ちなみに、自然災害や不慮の事故によってコンテナが損傷し、荷物が壊れたり濡れたりした時の為に、通常はお客様(輸送を依頼する側)で海上保険に入っているのでそこらへんは大丈夫だそうです。

何億円も支払うのかと思っていました。

Q2.大型コンテナ船の中で働く作業員は何人?

A.約30人

全長400mの大型コンテナ船の中で働く作業員は、およそ30人程度だそうです。

予想では、50人超えは確実...と思っていたので、それを下回る少なさで驚きました。

どれだけ大きい船であっても船長、機関長などは1人です。 しかし、作業員の人数は変わらなくとも、荷物の数は船が大きければ大きいほど増えていきます。

つまり、小型船より大型船の方が人件費面でコスパが良いと言うことです。

全長400mの大型コンテナ

Q3.ベトナムでコンテナ業をするメリット&デメリットとは?

A.港自体は民営化されているので自由にやれる!一方、社会主義国(共産圏)なので国の言うことは絶対!

港の土地や権利は長期間に渡り貸し与えるから、港の運営については民間企業が好きにやってくれ!国は最低限のことだけする!
というのがベトナムの港湾を作るシステムです。

国や地方自治体は、港の運営に携わる細かなところまでは口出ししてこない分、企業の自由に色々なことを出来る!
というのは大きなメリットです。

一方でベトナムは社会主義国(共産圏)、国の言うことは絶対です。

そこは少し大変なところと仰っていました。

Q4.未来のコンテナ業はどうなる?

A.AIを活用し、作業効率が更にupする日が来るかも...

昔は手作業で紙に書き起こし、コンテナを船上に配置する場所を決めていたそうです。

しかし現在、大量のコンテナは、全てコンピューターを使って、配置を決めてクレーンにその指示を出してコンテナが置かれています。

このように、コンピュータ化が進んでいるコンテナ業界。

ゆくゆくはAIの自動運転で更に効率化を図ることもあるかも...と仰っていました。

いつか、全ての作業をロボットが行う日が来るかもしれません。

 

古川さん、お忙しい中お時間を頂き有り難うございました!

 3.生で見るコンテナ業

実際に見てみるのが1番!

ということで、カイメップターミナルのコンテナ見学もさせてもらいました。

↑この車で出発!

↑この景色が延々と続いています。実際生で見ると、想像以上のスケールの大きさに圧倒です。
(ちなみに、ディズニーランドより広いそうです。)

↑この大きなコンテナが、2万個1つの船に積むことが可能というのだから、もう頭が追いつかない...

↑トラックで運ばれて来たコンテナを、配置しているところです。

(( 危険だからコンテナの近くにコントイテナ! ))

↑この、めちゃくちゃ大きいガントリークレーンが、風で倒れてしまうこともあるそうです。(ごく稀に)

とっても危険なお仕事なんですね。

しかし、これが倒れてくる...

想像できますか??

未知過ぎて想像できないですよね。

 4.まとめ

これまで、輸送業と言ったら『船』ではなく『飛行機』というイメージがありました。

しかし、インタビューを通して地下鉄、車、そしてエネルギーの源である重油など、私達の生活に欠かせない物は船が運んでいるということが分かりました。

そして、海上輸送業の凄さを沢山の人に知ってもらいたいと思いました。

この記事を通して、少しでも凄さが伝わっていたらとても嬉しいです。

↑ちなみに港湾の夜はとっても素敵です。この景色を見に是非一度、港湾に足を運んでみてください。

 

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