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他社はどんなチャットボットを利用している?バイタリフィが調査してみました。

チャットボット製品の数(2024年)

引用元:AIsmiley社 チャットボットカオスマップ

国内最大級のAIポータルメディア「AIsmiley」により作成されているチャットボットのカオスマップを見るとその掲載数はなんと「108」サービスあります。

この記事を見ている方の中には、チャットボットを導入しようと検討している方もいると思います。この多くの製品の中から自社のニーズに合っていて、費用が最安で、実際に効果が出て、将来的に継続利用可能な製品を探すのは、かなりの調査時間や労力がかかるのは想像に難くないのではないでしょうか?

しかもその検討内容が、新製品リリースやプラン変更などがあり、数か月後には古い情報となり、より自社に合った製品が登場する事もありますし、刻々と変化するビジネス環境によりニーズや欲しい機能が変動もしていきます。

チャットボットの種類を確認

108製品の中にも同じようなタイプや分類があるのではないか?そこでチャットボットの種類(タイプ)を確認してみましょう。これについてもアイスマイリー社のページに分かりやすく種類や機能が整理されているので参照します。

するとざっくり以下のようなタイプ別に分類できるようです。

①クラウド型(良くあるタイプのSaaS製品)
②オンプレミス型(自社にサーバーを用意、セキュリティなどを意識した構成)
③ログ型(一般の方がイメージするAI像に近いそうなもの)
④選択肢型(質問が選択肢になっておりAIなの?と少し疑問に思うもの)
⑤辞書型(単語とその単語に対する回答を事前に登録する、こちらもAI?と感じるもの)
⑥選択肢型&辞書型(④と⑤の両方)
⑦Eliza型(聞き役となってくれるもの)

実際にどんなタイプのチャットボットが利用されているのか?

上記調査の結果、どうやら108製品存在するが、大枠では7種類ぐらい分類できそうな事が分かりました。そこで、今度は実際にどのようなタイプが利用されているのか?ランダムに色々なWebサイトなどを訪問しそこで利用されているチャットボットを調査してみました。

調査にあたり、以下5つのタイプであれば判別できそうであったので、その分類で数を集計した。チャットボットを利用していそうな大手企業や生活している中で利用していそうなWebサイト約30に訪問したところ、以下の結果となりました。

①完全有人対応のチャットボット 10社
②選択型(選択肢が表示されたもの) 21社
③辞書型(フリーワード入力のみ) 1社
④選択肢型&辞書型 15社
⑤AIフル活用型(りんな、好きな芸能人が受け答えしてくれるようなサイト) 1社 

<注記>
・実際に訪れたサイトについてはここでの表記は意図的に控えています
・約30サイトを訪問していますが、合計が30になっていない部分については後述します

調査をしていてポイントになりそうであった所

調査をしているといくつかの大きな傾向がありました。実は1つのWebサイト上にて、①+④という構成で対応している会社が非常に多くありました。そのため、約30サイトを調査していますが集計の合計値が30とはなっていません。またAIフル活用型であるかどうかをユーザー側から判断するのが難しかったため、AIフル活用型については多くのサンプルを確認する事はできず、これは明らかにと感じたものを集計しています。

<個人的に読み取った傾向>
・チャットボットというとAIにより全自動なようなものをイメージしていたが完全有人対応も多く利用されている事
・選択型のチャットボットはAIっぽくはないが、実際はチャット形式で利用できることでユーザー側には利点になっていると感じる
・選択型のチャットボットにはフリーワードで文字入力できるものとセットになっている事が多かったが、フリーワードの方の精度はばらつきがあった
・④選択肢型&辞書型でやりとりしても分からなかった場合や、初めから選択肢として有人チャットを選べるチャットボットも多く、そのようなハイブリッド型で運用している会社が多い
※①+④型を実際に見てみたい方は大手通信会社が用意している格安ブランドなどの問い合わせページを参照してみてください

チャットボットを検討する側としてはどう考えるか?

上記の調査結果から、以下の事が言えるのではないでしょうか?


・チャットボットを意味のあるものとして有効に活用できている会社は「選択型で確実に回答できるチャットボット」とそれ以外を「有人チャット」とすみわける事で効果を発揮している
・上記構成になっている理由の1つは、AIによる全自動回答には誤った回答をしてしまうというリスクが影響していると考えられる

以上を踏まえ、AIチャットボットを使って全て”上手い事”対応させようというのはまだ現実的ではなく、何を回答させるのかを情報整理しすみ分けする事がチャットボット導入の成功パターンではないでしょうか?