エンジニアの需要が高まる今、エンジニアとしての就職を考えている人、さらなるステップアップを考えている人にとって気になるのが「資格」ではないでしょうか?エンジニアの業務に関係がある資格が様々ありますが、どれが良いのか、取る必要はあるのか悩んでいる人も多いかもしれません。
今回は、エンジニアにとって資格が必要なのか、どんなものがあるのかをご紹介します。
目次
1. エンジニアにとって資格は必ず必要なの?
エンジニアになるために必要な資格というものはありません。海外ではコンピューターサイエンスの大学を出ていないとエンジニアとしてのキャリアを始めることが難しいという国は多くありますが、日本では大学の学位を求める会社は少なく、比較的ハードルが低いと言えます。
ただし、エンジニアのキャリアを進めていく上で、資格があることでキャリアアップできたり、よりメリットを得ることができることはあります。会社によってはマネージャーに昇格するために資格を要求したり、資格があることで昇給したりということもあります。
2. エンジニアが資格を取るメリット
エンジニアにとって必ずしも必要なものではない資格ですが、それでも取得するメリットはいくつかあります。改めて見てみましょう。
2-1. 転職時のアピールができる
エンジニアとして求職する際に、資格があることでエンジニアのスキルや知識をある程度身につけていることをアピールすることができます。
未経験でも、初学者向けの資格もあり、それを取っておくことで学習意欲が高いこと、基礎的なことを身に着けていることを証明できるので、本気でエンジニアになりたいと考えている未経験者は資格を取っておくのも良いでしょう。
2-2. 体系的に知識を入れることができる
資格勉強を通して、体系的な知識を学ぶことができます。業務で役に立つかはわかりませんが、基礎的なことや業務ではまだ扱っていない範囲のことも知ることができるので、やっておいて損することは無いでしょう。
もちろん知識だけ知っていても使えなければ意味がないという意見もありますが、何も知らないよりも少しでも知っている方が課題に対して向き合いやすくなります。
3. エンジニア向けの資格
3-1. ITパスポート
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html
これからIT業界に入る人には、ITパスポートがおすすめです。ITパスポートは国家試験であり、IT業界に入らない人でも、ITを活用する人全てに開かれた試験とされており、比較的初学者向けです。
ITパスポートは、どのような技術があるのか、プロジェクトの進め方、セキュリティやネットワークについて、また経営についてまで広く扱うものです。
試験時間は120分、小問100問となっており、ストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)、テクノロジ系(IT技術)となっています。
3-2. 基本情報技術者試験
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/fe.html
基本情報技術者試験はエンジニアとしての基本的な知識をもっていることを証明するための試験で、最もポピュラーと言ってもよい試験です。
対象者は「高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者」とされているように、ある程度の経験がある人に向けた試験となっています。
出題範囲はコンピュータ科学基礎・コンピュータシステム・システムの開発と運用・ネットワーク技術・データベース技術・セキュリティと標準化・情報化と経営とされ、プログラミング言語の問題も出されるので全くの初学者には難しいでしょう。
試験は午前、午後150分ずつです。合格率は25%前後と簡単ではないので、しっかりと対策していく必要があります。
3-3. 応用情報技術者試験
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/ap.html
基本情報技術者を取得した後に推奨されているのが応用情報技術者試験です。基本情報技術者試験に比べると上流工程やマネジメントに重心が置かれているので、キャリアアップの際に取得することを推奨する会社もあります。
受験する多くの人がすでに基本情報を持っているか、セキュリティマネジメント試験などをすでにパスしているような人が受けることが多くなっています。
試験は基本情報技術試験と同じく午前、午後150分ずつです。合格率は20%前後となっています。
3-4. ネットワークスペシャリスト
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/nw.html
ネットワーク関係のエンジニアの人は、ネットワークスペシャリスト試験を受けてみるのも良いかもしれません。ネットワークスペシャリスト試験は情報通信ネットワークの構築や運用をする人向けの試験です。
対象者は「高度IT人材として確立した専門分野をもち、ネットワークに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報セキュリティを含む情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者」とされており、すでにキャリアを積んでいる人向けの試験となります。
試験は1日4部門にわかれており、午前は50分、40分の2部門、午後は90分、120分の2部門で午後のほうが長くなっています。合格率は14%前後です。
3-5. プロジェクトマネージャー試験
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/pm.html
プロジェクトマネージャーとしてのキャリアを考えている人には、プロジェクトマネージャー試験もおすすめです。対象者は「システム開発プロジェクトの責任者として、プロジェクト計画を立案し、必要となる要員や資材を確保し、計画した予算・納期・品質の達成について責任をもってプロジェクトを管理・運営する者」とされます。
問題は開発を進めるための技術要素や、プロジェクトマネジメントの手法、また関連する法令まで多岐に渡ります。ある程度経験を積んで、エンジニアからプロジェクトマネージャーへのキャリアアップをしたい人が多く受けています。
試験はネットワークスペシャリストと同じく午前午後に渡って行われ、合格率は15%未満と公表されています。
4. プログラミング言語ごとの資格
上記で紹介した資格は、ITにまつわる全体的な知識を問うものが多いですが、プログラミング言語単体の資格試験もあります。プログラマーとして専門性を身に着けたいという人にとっては、これらの試験勉強を通してプログラミングの知識を体系的に獲得することができます。
プログラミング言語ごとの試験があるのは下記です。
PHP技術者認定試験
https://www.phpexam.jp/summary/
Ruby技術者認定試験
https://www.ruby.or.jp/ja/certification/examination/
C言語プログラミング能力認定試験
https://www.sikaku.gr.jp/js/cp/ind/about/
Javaプログラミング能力認定試験
https://www.sikaku.gr.jp/js/jv/
また、この他にもデータベースに特化した試験、AWSの認定試験などもありますので、業務や目指すキャリアパスに合わせて受験していくとよいでしょう。
5. まとめ
エンジニアは日々情報のキャッチアップが必要となる職種であり、継続的に学習していくことが求められます。資格の勉強を通して新しいことを知ることもできるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。