近年DX需要の高まりもあるのかエンジニアになるためのスクールや講座も増えており、エンジニアとしてのキャリアを進みたいという人もよく聞くようになりました。スクールや講座を終え実際に就職活動をする際に重視されるのが「ポートフォリオ」です。
面接や書類審査の時点でポートフォリオについて聞かれることも多くありますが、今回はポートフォリオとは何なのか、どのようなことが重視されるのかを改めてご紹介して行きます。
目次
1. ポートフォリオとは?
ポートフォリオという言葉のそもそもの意味は、書類をまとめて持ち運べるかばんやファイルのことを指します。
業界により「ポートフォリオ」が持つ意味は変化し、例えば金融業界や資産運用の文脈においては投資家が所有している資産・不動産や、投資している会社、持っている株などの組み合わせ内容を意味します。
教育業界で「ポートフォリオ」というと、生徒の成績やレポートなどをまとめたものを指すことが多いようです。
そしてエンジニアやデザイナーにとっての「ポートフォリオ」は、自分の作った作品やプロダクトを紹介するためのwebページや作品集を指します。自分がどのようなスキルを所有しており、どんなものを作ってきたのかをまとめて紹介できるものがポートフォリオと言えます。
2. なぜポートフォリオが必要になるの?
では、なぜエンジニアとして就職する際にはポートフォリオが必要となるのでしょうか?
エンジニアは営業やマーケティング職とは違い、仕事の成果として明確な数字が出にくい職種と言えます。営業としての就職であれば、自分がどのくらいの営業成績を上げたのか、どのくらいの顧客を獲得したのかをはっきりと言うことができますが、エンジニアの職務においてそれをしっかりと示すのは難しくなります。
例えばページのスピードを何秒改善した、施策を通じてユーザー数を何人増やしたなどの数字は出せるかもしれませんが、そのようなチャンスに恵まれなかったときはアピールが難しいものになります。
数字として出てくるものはなくとも、技術力のあるエンジニアやよいエンジニアになる素地のある人はいます。そのような判断をするために、ポートフォリオが必要になるのです。
例えばエンジニアではなくデザイナーだと、ポートフォリオの必要性はもっとわかりやすいものになります。デザイナーの就職において、デザインのためのソフトが使える、何年働いたと言ってもその成果物をみるまで自社が求めている人材なのかはわかりません。
エンジニアも同じく、その人が作ったプロダクトや、実際のコードを見ることである程度自社が求めている人材かどうか、本当にスキルが有るかどうかを判断することができます。そのため、エンジニアの就職においてはポートフォリオを求める企業が多いのです。
3. エンジニアのポートフォリオで重視することは?
では、エンジニアのポートフォリオにおいて重視されることや入れたほうが良いコンテンツとはなんなのでしょうか?
3-1. スキルセットが合うかどうか
各企業、各々求めるスキルセットは違います。あるプログラミング言語で何年も経験を積んでいる人はスキルはあるかもしれませんが、その言語が自社で使っている言語と違えば即戦力にはならない可能性があります。
そのため、ポートフォリオには自分がどのようなスキルセットを、どのくらいのレベルで有しているのかを記載しましょう。フレームワークやクラウドサービス、使えるツールなども合わせて書くのが良いでしょう。
3-2. 実際のコードのクオリティ
エンジニアの採用においてその人のスキルを見るには、実際にコードを見るのが最も手っ取り早いです。そのため、見せられるコードがある人はなるべくコードも載せておきましょう。GitHubのリンクなどで構いません。
できればテストコードなども載せておくと、クオリティへの意識もアピールできてプラスに働きます。
ただし、実際に会社の業務で書いたコードは基本的に公開できないものです。そのようなコードをオープンにして載せると責任問題に発展することもありますので、そのコードが公開できるものかどうかはしっかりと確認しましょう。
3-3. 実際の開発の経験、プロダクト
もしも実際の開発経験があったり、自分で作ったプロダクトがある場合はそのプロダクトについての情報を載せることをおすすめします。
特に個人開発で作ったサービスなどがあるのは未経験からのエンジニア就職においてプラスに働きます。スクールで作るようなプロダクトとは別に、自分で考えて0からプロダクトを作ってポートフォリオにのせると良いでしょう。
3-4. 技術ブログなど
エンジニアは技術のインプット・アウトプットが継続的に必要になる仕事です。多くのエンジニアが技術ブログを持っており、開発の際に学んだことやバグの直し方などをブログに載せています。
Qiitaやブログで技術について書くことで、あなたがどのようなことをしてきたのか、どうやって問題を解決しているのかがしっかりとアピールできるので、ブログがある場合はURLを載せておきましょう。
4. ポートフォリオの作り方
では、実際にポートフォリオを作るときはどのように作るのが良いのでしょうか?ポートフォリオの作り方の例を3つ見てみましょう。
4-1. 自分でサイトをつくる
自分でポートフォリオサイトをデザインしてホスティングし、サイトとして公開しているエンジニアも多くいます。コンテンツを自由に編集できるのでカスタマイズがしやすく、またそのサイトを作っている事自体が技術力のアピールにもなります。
4-2. GitHubで作る
多くのエンジニアが自分のコードをGitHub上で管理をすると思いますが、GitHub上にポートフォリオページを作成することもできます。
サーバーを借りたりという手間もなく、またGitHubアカウントの情報からどのくらいの頻度で開発をしているのか、どんなプロジェクトを行っているのかもすぐ見られるので気軽でおすすめです。
4-3. ブログなどにまとめる
技術ブログのついでにポートフォリオ記事をポストしておくこともおすすめです。スキルセットや開発経験がわかれば良いので、一つの記事に自分の情報をまとめて書いて置くことですぐに参照できます。
5. エンジニアのポートフォリオまとめ
IT人材の需要はますます高まっており、かつエンジニアへのキャリア転換を考える人も多くなってきています。本当にエンジニアになりたい人は是非ポートフォリオを作成してみましょう。