本日は、FinTech(フィンテック)について考えてみたいと思います。
Finance + Tachnologyの造語で、金融と技術(IT)をかけた造語ですが、最近なにかとメディアに取り沙汰される事が多いですよね。
大手メガバンクがFinTechの流れを追いかけようとしているところが度々ニュースにもなっていますが、厳密な意味がわからないまま流し見している方、多いんじゃないでしょうか。
というわけで、今日はFinTechについて、具体例を交えてご説明します。
目次
FinTechの注目度合い
FinTechは、数年前から非常に注目を集めている単語です。
マネーフォワード公式ブログ(外部へ遷移します)にもあります通り、FinTech分野への投資額は年々増加しており、2016年も過去最大となる見通しです。
また、一般の注目度合いも非常に高く、Googleでの検索数を可視化できるGoogleトレンドでも検索数は物凄い勢いで上昇しています。
IoTとともに、生活との密接度が高い技術として注目が集まっている事が伺えます。
FinTechのカテゴリ
FinTechは、前述の通り金融×技術というくくりのため非常に広義で、FinTechの中でも更に幾つかにジャンルが分かれます。
代表的な事例と併せていくつかご紹介します。
決済系(消費者側)
決済技術は、Apple Pay、LINE Pay等、非常に多岐にわたっています。
FinTechという単語そのものは比較的最近聞くようになったものですが、決済技術に限って言えばかなり前からありました。
例えばPayPalは古くから個人間決済で広く利用されてきました。
決済系(事業者側)
これも数年前から一般化してきました。
SquareやCoineyなどが日々手数料合戦を行っています。
これにより、今まで大きくお金がかかっていたPOSシステムやカード決済システムが非常に安価で導入できる事となり、多くの店でのクレジットカード導入が進みました。
また、特徴として途上審査に重きをおいているという点があります。
審査は比較的スムーズに完了するのですが、何か不審な決済がされた場合に即時停止するという形です。
そのため、小さな規模の飲食店などでも審査そのもので苦戦することは少ないです。
資産管理系
家計簿をクラウド化したようなアプリ/サービスが非常にメジャーになってきました。
マネーフォアードやZaim、マネーツリーなどです。
クレジットカードや銀行の入出金などを自動で管理することにより、手間を省くことが可能になります。
また、あくまでも管理に重きをおいており、入出金などには対応していないので、セキュリティリスクも少ないです。
投資系
今まで投資といえば不動産投資、株式投資などを思い浮かべる人が多かったように感じます。
でも、最初に大きなお金が必要だったり難しい専門用語が飛び交っていてとっかかりづらかったりするなど、多くの人からは縁遠いものだったと思いますが、最近はお釣りで投資、といったものも台頭してきています。
「Acorns」もその一つです。
例えば$1.50のコーヒーをカードで買ったとします。すると引き落とされるのは$2になり、差額の¢50は投資に回されます。また、投資の傾向を保守的か積極的か選ぶこともできます。積極的に投資する場合は、新興企業に投資するウェイトが上がったりするようです。
※こちらのサービスはまだ日本には上陸していませんが……。
仮想通貨系
BitCoinなどの仮想通貨も非常に盛り上がっており、日本でもBitCoinで決済ができるサービス(DMM.comなど)や飲食店(六本木のawabarなど)が徐々に出てきています。
仮想通貨の大きな特徴として、中央銀行が無いこと、現物がないことがよく挙げられます。それらももちろんそうですが、円でもドルでもユーロでもない独自の単位であることが大きいと私は考えています。つまりBitCoinが広く一般的に使われるようになった場合、どの国でも為替を気にせず同一の通貨で支払いができるのです。
FinTechが何を変えたか
FinTechが果たして何を変えたのでしょうか?
まず、大幅に利便性が向上しました。これは、決済や仮想通貨の部分が強いです。
お金の流通システムが中央銀行から脱却してP2P的ネットワークを構築したため、ボーダレスかつ公平な貨幣が流通できるようになりました。決済も、より容易にクレジット決済を用いることができたり、ユーザー間での送金もより手軽にできるようになりました。そのうち日本円が実体を持ってやり取りされることもなくなるのかもしれません。
次に、資金運用の敷居を大きく下げました。これはAcornsに代表されるように、手軽に投資を行えるようになった部分が強いです。
今まではどうしても手数料が大きく発生したりするために多額のお金が必要でしたが、FinTechの台頭によりそれらの手数料が無視できるものとなり、一般の方にもより身近なものとなったのではないでしょうか。
FinTechの課題
これからの生活をより豊かにしてくれるであろうFinTechですが、課題もあります。
まず大きな部分としては、セキュリティです。
世界最大のBitCoin取扱銀行として有名だったMt.GOX(マウントゴックス)がハッキングを受け、大量のBitCoinを流出させたことで一時信頼性を疑われた仮想通貨ですが、必ずしも仮想通貨そのものが信頼に足らない存在であるという事はありません。あの事故は、Mt.GOXのシステム脆弱性に起因して起きたのであり、BitCoinの脆弱性ではありません。
しかしながら、BitCoinの周りで起こったことであるのは間違いなく、セキュリティについては強化していく必要があります。
もう一つの課題として、デバイス普及が挙げられます。
今までは財布があれば、もっと言ってしまえばズボンのポケットがあればお金を入れておけたのですが、スマートフォンがなければお金の管理ができない、となれば高齢者もスマートフォンを持つ必要が出てきます。なので、旧来のお金はそう簡単にはなくせないものではないかと思います。
ちなみに:ベトナムでのFinTech
以前紹介しましたが、ベトナムではMomoというアプリが広く知れ渡っており(弊社ベトナム人談)、Momoでは、送金/口座やクレジットカードの管理などがアプリ上だけで完結するようなサービスだそうです。
日本ではオンライン決済に抵抗がある人が多いと思うのですが、案外日本以外ではそこまで抵抗がないのかも知れません。
まとめ
メリットもデメリットもあるFinTechですが、IoTと同じくどこかのタイミングで必ず普及してくると考えています。そして、生活に密接しているため、それらへの対応は避けては通れないでしょう。
また、FinTech関連アプリ/サービスそのものももちろんそうですが、決済が内包されているアプリ/サービス等についても対応が必須になると思います。
先端のトレンドについてアンテナを張り、乗り遅れないようにしたいですね。