今日は、アプリ開発ラボマガジンにて海専門気象情報サービス「海快晴」を運営する株式会社サーフレジェンドの皆さんへのインタビュー記事を掲載します。
「海快晴」誕生の秘話や今後の展望など、気になるお話をお伺いしました。
漁師さんが「波伝説」を使っている?
―「海快晴」はどういった経緯でサービスがはじまったのでしょうか?
そもそもの始まりで言うと海専門気象情報サービスを作ろうとした訳ではなく、前回お話させて頂きました「波伝説」がヒントになってスタートしたんですよ。
―そうなんですね!どんなヒントがあったんですか?
はい、「波伝説」を日々運営をしているとユーザさんから意見を聞いたり、交流したりする事があるのですが、サーフィンをしない漁師さんや、ヨット乗りの方が「波伝説」を使っているという話をけっこう耳にしたんですよ。
―波情報のデータを漁師さんが見ていた?
いえ、サーフィンのデータではなく実際には「波伝説」の独自気象データ『Wave Hunter』が、漁師さんはじめマリンスポーツを嗜む方々に非常に有効な情報だったようです。
なので厳密には『Wave Hunter』と言う独自ソリューションからサービスがはじまった経緯ですかね。
8ヶ月でサービスをリリースした『Wave Hunter』
―『Wave Hunter』とは一体どんな情報なんでしょう?
はい、『Wave Hunter』は72時間先まで1時間毎の波浪解析、波浪予測、風予測を独自で計算し情報提供している気象サービスです。
実は今日同席しているプログラマーのTracey H. Tom(トレーシートム)が生みの親なんですよ。
―すごいですね。トレーシーさんはなぜ『Wave Hunter』を?
湘南は多くの人が訪れるビーチなのに水難事故が多かったんだよ。
あと湘南だけじゃなくて、日本は台風が来たら大騒ぎで人が亡くなったりすごく可哀想だったんだ。
状況を見てみると、事前にcatchする情報が整備されていない事がわかった。
アメリカでは無料で多くの気象情報が整備されてるから事故も少なったんだ。これはダメだと思って開発をスタートした。
―素晴らしい!すぐに行動に移したんですね。
最初は研究予算がなかったからOpenSourceのLibraryをチューニングして開発をはじめたんだ。
8ヶ月でサービスをリリースして、今もブラッシュアップを続けている。途中からは京都大学の防災研究所と共同開発をしているよ。
―事故を減らす事はできたんですか?
実際、『Wave Hunter』が出来てから、サーファーの事故が減ったと聞いたよ。
でも皆に言いたいのは予報は必ず当たる訳じゃないから、色んな情報をcatchした上で判断して欲しいと言う事。1つの情報だけじゃなくて、もちろんJMA(気象庁)も含めてcheckして事故がなくなるようになって欲しいよ。
探したいポイントをよりスピーディーに探せるように
―「海快晴」もこの春リニューアルしましたが変わった点はありますか?
地図検索などの機能を追加して、お客様が探したいポイントをよりスピーディーに探せるように改修しました。後はPC、タブレットからもサービスを利用できるようにした事が大きいです。
―対応デバイスを増やした反響はどうですか?
そうですね、今回リニューアルを行った事で全体利用者の2割がPCからアクセスするようになりましたね。また、意外だったのはタブレットで見ている方もけっこういた事です。タブレットも視野に入れてリニューアルできてよかったと思いましたよ。
―なるほど、ユーザのリアルな動向が見れるのは面白いですね。
はい、地域別のPVなんかは季節的な変動がかなり高くて面白いですよ。
例えば漁の時期によって、PV数は大きく変化します。ちょうど今くらいの時期からは、日本海周辺や玄界灘辺りの動きはすごく活発になり出します。
海で活動するすべての人々が安全に過ごせるように
―「海快晴」の展望を教えていただけますか。
「海快晴」の目指すところは海で働く人々の安全をサポートする事と考えています。
ロゴにも記載している、「海を伝える」をモットーに今後も皆さんに安全を提供するサービスでありたい。
最初の頃は漁師さんはじめコアなユーザー向けのサービスだったんですが、最近は幅広い層のユーザー様に見て頂いています。
―ありがとうございます。最後にメッセージなどあれば!
トレーシーがさっき話してましたが、海で安全に過ごす為に海快晴アプリと組合わせて気象庁はじめ、色々な情報を見て総合的に判断して欲しいと思います。
予報を見たから安心と思う事は良いと思いますが、予報は外れる事もありますし、途中から急に変化することもあります。
僕らが考えているのは気象が当たる当たらないだけではなく、海で活動するすべての人々が安全に過ごせる事です。今後とも皆さんに海の安全を提供していきたいと思っています。