日本国内でリソースを確保するのが難しくなってきた近年では、プロダクト開発をする際にオフショア開発が選択肢に入ることがあるかもしれません。
これからオフショア開発を検討している人は、オフショア開発がどのような体制で進められるのかを知っておくと自社にあった開発体制を作りやすくなります。
今回は、受託型とラボ型の違いや、選び方について解説します。
目次
1. 受託型
オフショアでの受託型も、日本でよくある受託開発と同じく、提示された仕様書に沿って工数を計算し見積もりをする形です。
オフショアでの受託型は、すでに仕様書ががっちり決まっている場合におすすめで、いわゆるウォーターフォール型の開発となることが多いです。
メリットとしては、納品は完成した製品をもって完了となるため製品と納期が保証されること。オフショア受託型のデメリットとしては、大きな仕様変更等はしにくく、案件ごとで見積もりとなるので度重なる仕様変更があると逆にコストがかさんでしまう点です。
日本人PMやブリッジSEを入れて開発の進行を見てもらい、定期的に進捗報告を受けるような形になりますので、社内に開発リソースがない場合でも製品を作ることができます。
2. ラボ型
ラボ型は、オフショア開発チームを丸々借りる形になります。オフショア先に別の開発部隊を持つと考えるとわかりやすいでしょう。月々どのくらいのエンジニアやPMをアサインしたかで費用を見積もることが多く、開発はアジャイルで進めて行くことが多いです。フレキシブルに動くことができるので、仕様も相談しながら進めたい場合はこちらが合っていると言えます。
オフショア開発の体制としてラボ型を選ぶ場合、自社での開発経験があり社内にPMなどがいる場合はPMをチームとしてアサインできます。
オフショア開発でのラボ型のメリットは、仕様変更がしやすいのでユーザーの反応を見てから調節するなど柔軟な開発ができることです。一方でデメリットは、変更がしやすいために開発期間が延びやすく、製品の計画がしっかりしていないとダラダラと開発を続けることになりがちなことです。
オフショア開発でラボ型を選ぶ場合は、明確なゴール設計やプロダクトロードマップが必須です。
また、オフショアでのラボ型は、コミュニケーションの仕方によって2つに分けられます。
2-1. 遠隔ラボチーム
遠隔ラボチームとは、オフショアで一般的なコミュニケーション体制で、基本的なコミュニケーションは全てオンライン、リモートで行う形です。主にSkypeやZoomなどのオンライン会議ツールを利用しながら、仕様を確認したり進捗の報告をします。
オフショア開発では時差が心配されることが多いのですが、ベトナムの場合は時差2時間程度ですし日々のやり取りはチャットで行うので、開発のコアタイムを合わせればそれほど時差も感じずに行えます。
基本的にはオフショア先のベトナムにブリッジSEや日本人PMを置き、毎日の進捗確認や細かい仕様のすり合わせをしてもらうのが一般的です。
ラボ型を選択する際、最初のキックオフなどで現地で一度顔合わせすることをオススメしますが、渡航費などを気にする場合は遠隔でも大丈夫です。
2-2. 常駐ラボチーム
発注元からスタッフをベトナムに派遣して、ベトナムにて開発を一緒に行う形です。すでに開発の経験が十分にあるものの、コスト削減や外国人人材の受け入れを考えており、ベトナム人エンジニアと働く経験をしてみたい、という場合はこちらに挑戦するのも良いかもしれません。
常駐ラボチームは、オフショア開発をラボ型で頼む場合に、受託型や遠隔より最もパフォーマンスが高い体制かもしれません。
細かい仕様などもすぐに確認できますし、遠隔やチャットでやり取りするよりも意図が迅速かつ正確に伝わりやすいため、プロジェクトの最初の方と最後の調節フェーズなどで常駐という形を取る人もいます。
オフショア開発は品質がよくないと聞くので不安、という方はこの常駐ラボチームが良いでしょう。何より、ずっと遠隔でやるよりも常駐で一緒にやったほうが、チームが一体となって開発ができるため、進み方やエンジニアの気合の入り方が段違いです。
こちらの常駐ラボチームの体制を選ぶ場合、もちろん自社のスタッフを常駐させるための渡航費や宿泊費はかかりますが、現地で細かくチェックすることができる分手戻りが少なくなります。
3. オフショアの開発体制、どちらを選べばいい?
それぞれ、どちらの体制を選べばいいの?と迷っている方は、まず下記の点を確認してみましょう。
自社の開発体制
・自社での開発経験が豊富かどうか
・指示を出せるPMやディレクターがいるかどうか
・ローンチ後の運用は自社でできるかどうか
プロダクトのタイプ
・すでに仕様書がきっちり決まっているかどうか
・追加改修などをローンチ後も細かく行う可能性があるかどうか
・プレローンチなどを行ってユーザーテストを行いたいかどうか
3-1. 受託開発が向くのは…
仕様の策定やタスクのブレイクダウンを自社できっちりできる、仕様や作って欲しいものが明確に決まっていて変更が少ない、運用は自社ででき、追加改修があまりない…つまり、作りきり型の場合は、オフショア受託開発が向いています。製品の完了をもって納品となるので、オフショア開発チームはとにかく決まった仕様通りに作るということをゴールとして動きます。
また、オフショア受託では自社でエンジニアをマネジメントする必要がないので、マネジメントコストの削減も期待できます。
3-2. ラボ型開発が向くのは…
仕様が変わる可能性があり、プレローンチなどを行った後にユーザーの反応を見て追加改修や運用保守もしてほしいという場合はラボ型が良いでしょう。開発チームは「製品を良くしていく」ということをゴールとして動きます。
PMやディレクターを入れて、製品の仕様のあり方も一緒にディスカッションしたいという場合もラボ型がおすすめです。
どのように開発を進めて行くのかを一緒に考えて進行していくことができるので、柔軟にプロダクト改善をしていくことができます。
4. まとめ
オフショア開発を依頼するときには、依頼を検討している会社が受託型なのか、ラボ型なのかを把握し、メリット・デメリットを説明してもらうことが大切です。
より良い製品を作るために、自社の製品やチーム構成に合った開発体制を選びましょう!
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また、当社は、ベトナムに子会社(バイタリフィアジア・スクーティー)を設立しています。バイタリフィアジア・スクーティーでは、当社で受けた案件の開発部分をベトナム拠点に依頼するようなオフショア開発ではなく、お客様がベトナム拠点と直接関わり、案件進行して頂く事によりコストを抑えたリソース提供を可能にしています。
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