2022.07.20

オフショア開発

【オフショア開発】なぜベトナムが選ばれるのか?老舗企業が徹底解説してみた。

最終更新日:2023/06/6

こんにちは。日系オフショア企業のパイオニアとしてベトナムのホーチミンとハノイに拠点を構える(株)バイタリフィ、アプリ開発ラボマガジン編集部です。弊社は13年以上に及ぶオフショア開発の経験を活かし、これまで多くのお客様の課題を解決してきました。

安いというイメージが先行しているオフショア開発ですが、ベトナムにおいてはそれ以外に様々なメリットがあり『日本人/日本企業から見たベトナム』ならではのメリットもあります。この記事を読めば、オフショア開発においてなぜベトナムが選ばれるのか?理解でき、ベトナムでオフショア開発をするか否か?の判断材料になるでしょう。オフショア開発を検討されている方はぜひ最後までお読みください。

※本記事は、ベトナムオフショア開発老舗企業No,1株式会社バイタリフィのアプリ開発ラボマガジン編集部が執筆しています。

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1. オフショア開発とは?

まず、そもそもオフショア開発とは何か?振り返ってみましょう。
オフショア開発とは、開発業務を海外へ委託・発注することを指します。

オフショア開発とは、業務用システム、WEBシステム、アプリケーションなどの開発業務を海外の会社などに委託・発注することです。オフショア(offshore)という言葉の語源は…岸 (shore) から離れた (Off)ということを意図して用いられます。

引用元:AI、仮想現実、Unity開発など、先進のラボ型オフショア開発

近年「国内で開発業務を行う」選択肢だけでなく「海外で開発業務を行う」選択肢が増え、オフショア開発市場の拡大傾向がみられます。そんな中、オフショア開発先で特に人気の国と言われているのが“ベトナム”です。

※オフショア開発については、【簡単解説】オフショア開発とは?~最新動向やメリット・問題点も紹介~でより詳細に解説しています。

2. なぜオフショア開発先でベトナムが選ばれるのか?

ではなぜ、オフショア開発先でベトナムが選ばれるのでしょうか?その理由については、ベトナムでオフショア開発を行う様々なメリットが起因しています。

ここからは、オフショア開発先として、中国・インド・ミャンマーなど様々な国がある中でなぜベトナムが選ばれるのか?理由を解説していきます。

2-1. オフショア開発でベトナムが選ばれる理由:人材が豊富

まず、オフショア開発でベトナムが選ばれる理由1つめは、人材が豊富なことです。

ベトナムでは国策としてIT人材の輩出を掲げているため、理系大学出身の若いIT人材を多く保有しています。中には「Unityを使ったAndroidやiOS向けのスマートフォンアプリ開発。」「JavaScript、React.js、Backbone.js、AngularJS、jQuery、React Nativeなどを使ったSingle-page application・フロントエンド開発。」「Rubyを使ったバックエンド開発」など、日本での採用が難しいとされる技術を保有するIT人材も多くいます。

これは、日本で採用できない優秀なエンジニアを採用できることにつながります。

ベトナムオフショア開発のメリット
ベトナムでのオフショア開発における開発風景

また、近年増えている「Substance Painter、Zbrush、Maya」などのソフトウェアを用い3Dグラフィック作成を行う開発に対応できるベトナム人材確保も可能です。

2-2. オフショア開発でベトナムが選ばれる理由:日本語を話せる人材がいる

オフショア開発でベトナムが選ばれる理由2つめは、日本語を話せる人材が多くいることです。

例えば、開発の知識と日本語を話せる能力を持つ「ブリッジ」と呼ばれる人材がいます。ブリッジは、ベトナム人エンジニアと日本人の橋渡しを担うオフショア開発に欠かせない存在です。ブリッジの中には、日本留学の経験をもつなど、日本文化に理解を示す人材も多くいます。オフショア開発で「日本語が通じない」点を懸念される方もいますが、ブリッジの存在が不安を解消してくれます。

また、ベトナムの義務教育で英語と並ぶ第一外国語に日本語が選ばれるなど、ベトナムと日本の親和性が高い様子も見受けられます。日本語が通じることは、オフショア開発において開発のしやすさに繋がります。

【参考】本記事を執筆する弊社バイタリフィでは“日本とベトナムの開発者の橋渡し”を行う、通訳兼プロジェクトマネージャー(BPM)がいます。完全日本語対応が行える点に定評があります。弊社主催のオンラインイベント「バーチャル視察会(無料オンライン)」でBPMと話す機会を用意しています。気になる方はぜひご参加いただければと思います。

2-3. オフショア開発でベトナムが選ばれる理由:エンジニアが優秀

オフショア開発でベトナムが選ばれる理由3つめは、エンジニアが優秀なことです。

前述で人材が豊富なことに触れましたが、ベトナムには優秀なエンジニアがたくさんいます。この背景には、エンジニアのスキル内容によって明確な給与水準の上昇がみられるベトナムの社会環境があります。例えば、ベトナム(ホーチミン)における一般的なITエンジニアの給与水準は、下は300ドルから上は4,000~5,000ドルと日本よりも幅が広くなっています。

本人の意欲や努力により日本語や複数のプログラミング言語を覚えて生産性を高められれば、短期間で給料を数倍に上げることも可能です。これにより、勉強熱心で個々の能力が高い優秀なエンジニアが豊富にいると言われています。

ベトナムオフショア開発のメリット
生産性の高いエンジニアを表彰することでやる気を高める

能力の向上で給与を上げ、生活の質を高められれば、今まで手に入らなかったもの(外食、衣服、旅行、住居、IT機器など)を入手できるようになります。このことが、若いベトナム人エンジニアのモチベーションを向上させ、自己研鑽意欲を高めています。またベトナム人エンジニアは、プログラミング技術だけでなく英語の読み書き能力が高い点も有名です。この理由としては、母国語(ベトナム語)のプログラミングや開発手法に関する解説書籍が充実していないことがあげられます。解析書籍を読むためには英語の習得が必要になるため、英語の読み書き能力が高い人材が多くなっています。

2-4. オフショア開発でベトナムが選ばれる理由:日本人にとって利便性の高さ

オフショア開発でベトナムが選ばれる理由4つめは、地理的な位置/環境面においてオフショア開発に適している国と言えるからです。5つの特長を解説していきます。

特長①日本と時差によるタイムロスが最小限

地理的な位置/環境面におけるベトナムの特長1つめは、日本とベトナムの時差が2時間しかないことです。これにより、時差によるタイムロスを最小限におさえることができます。例えば弊社ベトナム拠点(バイタリフィアジア)の営業時間は8:30~17:30であり、これは日本時間の10:30~19:30に該当します。

オフショア開発先が遠いと大きな時差がうまれるため、例えばミーティングを行うだけでも多大な労力消費につながります。一方、ベトナムは時差の影響が少ないため、オフショア開発のしやすさを感じやすいでしょう。

特長②ベトナムの方が日本より営業日数が長い

地理的な位置/環境面におけるベトナムの特長2つめは、ベトナムの祝日が日本よりも少ないことです。これにより、日本とベトナム同じ1人月でも、ベトナムは開発日数を多く確保できます。2017年の祝日を例にあげると、日本の祝日総数が17日である一方、ベトナムは10日と日本ベトナム間で7日の差がありました。稼働日数の多さは、オフショア開発でベトナムが選ばれる理由の1つとなっています。

ベトナムオフショア開発のメリット

【参考】ベトナムの祝日を東南アジアの国々と比べてみました。他国と比較しても、ベトナムの祝日の少なさが見て取れます。

  • ベトナム:計10日
  • インドネシア:計18日
  • フィリピン:計18日
  • タイ:計13日
  • マレーシア:計12日
  • ミャンマー:計22日

※2017年の祝日
※ベトナムの祝日カレンダーはこちらから。

特長③日本からベトナムまでのアクセスの良さ

地理的な位置/環境面におけるベトナムの特長3つめは、日本とベトナムのアクセスが良いことです。新型コロナウイルス感染拡大以降、海外渡航数の減少が見られましたが、日本とベトナム間は数多くの直行便フライトで結ばれています。例えば、ホーチミン市の空港から日本への便が1日10便飛んでいた時期もありました。フライト時間に関しても、東京からベトナムは6時間ほどしかかかりません。

日本からベトナムまでのアクセスの良さ

オフショア開発のチームビルディングを目的にキックオフミーティングや現場視察を行いたいと考える人にとって、ベトナムのアクセスの良さはオフショア開発先として選ぶ大きな理由になり得ます。

特長④ベトナムの環境:日本人の生活しやすさ

地理的な位置/環境面におけるベトナムの特長4つめは、日本人が生活しやすい環境であることです。他の新興国に比べたベトナムは「治安良好」「親日」「テロといった大きな事件が発生していない」など、日本人が滞在するうえで安心感を得られます。また「宗教上の制約がない」「ベトナム現地に日本料理店も多い」といった理由から現地の食に関する心配もありません。オフショア開発先に常駐する要望がある方にとっては、ベトナムの住みやすい環境はメリットになり得るでしょう。

ベトナムオフショア開発のメリット

【参考】弊社のオフショア開発先は、ベトナムホーチミンに拠点を構えています。現地には、多くの日本人が在籍していますが、ベトナムの住みやすさを感じるたくさんの声が集まっています。ベトナムの様子が分かる動画コンテンツも多数用意しております、宜しければご視聴ください。

特長➄ベトナム出張時の間接コストの安さ

地理的な位置/環境面におけるベトナムの特長5つめは、ベトナム出張時の間接コストの安さがあげられます。ベトナム出張や短期滞在をする場合、生活するための宿泊費用や食事代、交通費が必要になってきます。ベトナムの場合「宿泊代はビジネスホテルで1泊2,000~4,000円」「移動時のタクシー料金は初乗り50円から」「食事は綺麗なレストランで1食500円~」と生活にかかるお金を安くおさられます。長期滞在する場合も銀行口座の開設をビザ無しで行えます。また、他の国にあるような1年間分の家賃を一括で前払いするというような商習慣も無いため、部屋を借りやすいという特徴もあげられます。電気代、ネット回線、スマホ通信費なども他の東南アジアの国よりも安いと言われているので、ベトナム出張時は費用面でコストメリットを感じられることでしょう。

2-5. オフショア開発でベトナムが選ばれる理由:マーケット開拓の足掛かりに繋がる

地理的な位置/環境面におけるベトナムの特長5つめは、ベトナムがマーケット開拓の足がかりにつながることです。ベトナムは、9,270万人の人口を抱え毎年5~6%の安定した経済成長をしており、1人あたりのGDPも2,200ドルを超え、ホーチミンなどの都市部では5,000ドルを超えるなど所得の向上に伴い、富裕層や中間層が増大しています。それに伴いベトナムをマーケットととらえたて様々な企業が参入。内需を取り込み収益を上げようとしています(例えばECや比較サイトなど)。

ベトナムオフショア開発のメリット
バイクと活気に溢れるベトナムの街

これらの背景から、オフショア開発の拠点をベトナムに構えることで、開発だけでなくベトナム現地情報を収集できるようになります。こうすることで、自社開発に慣れ親しんだエンジニアと一緒に、成果物のベトナム語版を作ったり、ベトナム向けにローカライズし現地マーケットでテストをしていったりうることも可能となります。マーケット開拓先としても知名度の高いベトナムでオフショア開発を行うことで、開発だけでないメリットが生まれる可能性があることも、ベトナムがオフショア開発先として選ばれる理由の1つといえるでしょう。

【参考】いきなり現地マーケットを狙った進出(現地法人設立)を行うよりもは、オフショア開発を通じて現地の実情を把握した後、ベトナムマーケットを狙う方が、リスクや費用を抑えて長期的な成功の可能性が高まると考えられます。

2-6. オフショア開発でベトナムが選ばれる理由:人件費の安さ

オフショア開発でベトナムが選ばれる理由6つめは、人件費の安さです。ベトナム人エンジニアの賃金水準は、新卒で月300ドル~、2~3年経験のある若手でも月400~800ドルと日本よりも安いという特徴があります。それゆえ、開発におけるエンジニアの人月単価も、日本と比べ安く済みます。エンジニア1人1人の能力が高いにも関わらず、人件費が安く済むのはオフショア開発の大きなメリットといえます。前述しましたが、ベトナムには優秀なエンジニアが多くいるため、より大きなメリットを享受できます。これは、オフショア開発でベトナムが選ばれる理由となり得ます。

【参考】尚、バイタリフィでは、『通常のオフショア開発形態』に加えてベトナム人エンジニアの給与水準(原価)で雇ってオフショア開発ができる『拠点開設プラン』も用意しております。

3. オフショア開発でベトナムを選ぶデメリットとは?

オフショア開発でベトナムが選ばれる理由について、メリット面から見た特長を解説してきました。ここからは、少なからず存在するデメリットについても触れていきます。オフショア開発先を選ぶ人は、どの国を選ぶにしても事前にデメリットを把握しておく必要があります。ベトナムはオフショア開発先として人気かつおすすめの国ですが、マイナス面も押さえておくようにしましょう。

3-1. オフショア開発でベトナムを選ぶデメリット:社員の定着率が低い

1つめのデメリットとしては、社員の定着率が低い点です。これは、ベトナムにおける転職率が日本よりも高いと言われていることが大きく関係しています。

ベトナムオフショア開発のデメリット1:社員の定着率が低い

日本人からみる、欧米のイメージを想像してみると分かり易いかもしれません。日本では転職を繰り返すことへ抵抗を感じる人が多くいる一方、欧米を始めベトナムでは、転職への抵抗が比較的薄いです。そのため、オフショア開発実施中にも関わらず、転職の影響を受けチームメンバーが入れ変わることになる。といった場面も起こりうる可能性があります。

しかし、この問題はオフショア開発会社による対策が十分だった場合解決できる内容といえます。例えば、ベトナムでオフショア開発を行う弊社(株)バイタリフィにおいては、積極的に離職率を下げる取り組みを行っています。結果として、13年以上継続勤務しているメンバーも在籍しています。転職率が高い点デメリットと言われていますが、オフショア開発企業先により解決できる問題と言われています。

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3-2. オフショア開発でベトナムを選ぶデメリット:話の捉え方が異なる

2つめのデメリットとしては、話の捉え方が異なることです。日本では、空気や行間を読む文化が根付いているため、多少の曖昧な表現があったとしても会話が成り立つでしょう。しかし、ベトナムの場合「しっかり言ってくれないと分からない」と感じる人が多く、曖昧な表現を交えた会話は難しいとされています。そのため、話している中で意思の疎通が図れず、齟齬が起きてしまうといった場面も起こり得ます。

ベトナムオフショア開発のデメリット2:話の捉え方が異なる

しかしこの問題は、少し丁寧なコミュニケーションを意識さえすれば解決できる内容です。例えば「できる」「できない」をはっきり言う。「それ」「あの」「そこ」など指示語を使わない。などひとつひとつ明確な表現を意識することで問題解決に繋がります(より詳しい課題と解決策については【経営者が語る】オフショア開発の課題と失敗しないための課題解決策をご一読ください)。

4. まとめ

オフショア開発先でベトナムが選ばれる理由は、ベトナム人エンジニアの能力値の高さや、日本とベトナムの利便性の高さ、ベトナムの国民性が関係しています。また、人気No.1を誇るベトナムだからこそ実績数もあり安心感を得られることでしょう。アプリ開発ラボマガジンには、弊社のオフショア開発を利用してくださったお客様の声も掲載しています。なぜオフショア開発が選ばれるのか?さらに理解を深めるための参考にしていただければと思います。

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ベトナムオフショア開発のメリット

バイタリフィ並びにベトナム子会社のバイタリフィアジアでは、ベトナムでのオフショア開発に加えて、将来ベトナムのマーケットを狙っていきたい企業のお手伝いができるよう現地情報の提供を行っております。

また、ハイリスクかつ費用の高額な現地法人設立の前に低コスト&リスクでベトナム進出を試せる拠点開設プランなど、13年以上に及ぶベトナムでのオフショア開発経験を活かした+αのサービスとメリットを提供しております。無料でご相談頂けますので、ぜひ一度お気軽にお問合せいただけましたら幸いです。

またバイタリフィでは、近年世間を賑わすChatGPTを用いたラボ型開発サービスを提供しています。

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ベトナムオフショア開発のメリット

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