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2020.02.18

オフショア開発

オフショア開発の単価の動向と今後の見通し~単価の安さが問題ではない~

ベトナムでのオフショア開発に加えて、将来ベトナムのマーケットを狙っていきたい企業のお手伝いができるよう現地情報の提供を行っている株式会社バイタリフィ代表の川勝です。

今回はオフショア開発の単価の動向と今後の見通しを考察したいと思います。
※オフショア開発の単価に関しては、【ベトナムオフショア開発の単価】ベトナムは日本の3分の1って本当?の記事もご覧ください。

この記事の最後には貴方も、オフショア開発の単価はあまり問題でなくなるでしょう。

近年のオフショア開発単価事情その1~経済状況や為替動向~

上昇の図
オフショア開発の人月単価は上昇傾向にあります。
そもそもオフショア開発は新興国の安価な賃金を活用するモデルなので、
国が成長していく過程での賃金上昇は当たり前のことです。

それに加えてオフショア開発は輸入ビジネスでもあるため、為替の影響も受けます。
アベノミクスが始まる2012年11月までは1ドル78円くらいで、そこから3年近くは
円安一辺倒で一時期は1ドル120円を超えました。最近はイギリスのEU離脱問題もあり、
1ドル105円~110円強くらいの円高に戻しています。

よってオフショア開発の単価は、その国の経済状況(物価上昇率)や為替動向に左右されます。

近年のオフショア開発単価事情その2~国内人材の需給状況やトレンド~

また国内人材の需給状況やトレンド、競争などによっても単価は変化します。

では過去と現在を見ていきましょう。日本と馴染みのある中国とベトナムで比べてみます。

西暦/国    中国人エンジニア    ベトナム人エンジニア
2011年   30~40万円      20~25万円
2016年   40~50万円      30~40万円
上昇率   133~167%      150~200%

※2011年の為替は1ドル80円、2016年の為替が1ドル110円あたりを基準と考えています。
※オフショア開発会社が一般的に提示している1人月の価格です。プログラム言語や期待する役割、稀少度合いによって変動します。

あくまで一般的な数値ですが、中国は5年前から既に高かったこともあり、上昇幅は緩やかですね。
ベトナムは5年で2倍近くになっています。為替の影響(80円⇒110円)と賃金増のダブルパンチで大きく上昇しています。

だいたいの予想でいくと、大きな政変や為替変動などが無い限り、2020年頃のベトナムのオフショア開発の人月単価は2016年時点の中国の単価と同程度の40~50万円になると思います。

※2020年5月追記
予想通りの単価となっていますね。会社によっても、該当エンジニアの経験やスキルによっても単価は異なりますが、ベトナムオフショア開発のトレンドとしては1人月が30~50万円程度になっていると思います。

ただし、今後は様々な条件によって単価は大きく変わってくると予想しています。

単価から視るオフショア開発1:国でなく都市。どこの都市に発注するのか。

都市
ホーチミンやハノイは、上海や北京と同じで大都市です。よって国の全体的な物価上昇率より高い賃金の上昇となります。5年後には物価は今の2倍近くになってると思うので、オフショア開発の単価もGDPの伸び以上に上がってると思います。

もちろん、ただ高いだけではありません
例えば表参道のデザイナーは日本の地方のデザイナーより単価は高いと思いますが、それでも発注する人は多くいるのと同じで、都市部のエンジニアは外資慣れしていて、数々の難しいプロジェクトで鍛えられ、レベルも上がっていると思います。

※2020年5月追記
ちなみにバイタリフィ日本法人(恵比寿)にもベトナム人エンジニアが20名在籍していますが、日本人エンジニアと同じ単価になっています。単価は、エンジニアの国籍でなく、リビングコストが反映されていることは自明ですね。同じ人でもどこに住むかによって生産性に差が出てきたりします。周りの雰囲気などにも左右されるでしょうし、コミュニケーションが円滑に進むことによる待ちやリテイクなどが減ることも大きいといえそうです。

単価から視るオフショア開発2:完全に遠隔でコントロールするのか、責任者が出向いて進めるのか

マネジメントの図
育てるのか、育った人材を使うのか、
マネジメントを現地に任せるのか、自ら行うのか、
最終責任を負わせるのか、自らが責任を持つのか、

ビジネスは責任領域が価格の大きなウェイトを占めます。
発注額を抑えたいなら、いかに多くの役割を持つかということになります。
逆にお任せしたいなら価格は高くなります。

プロジェクトの総合コストを見て切り分けしていくのがいいと思います。

※2020年5月追記
日本人PMやディレクター、担当者などがベトナムに常駐しているケースや、3か月に一度出張に来られているケースも多いですが、開発のオーナーシップを顧客側が持つ場合はプロジェクトがうまくいくことが多くなり、結果として生産性アップとコストダウンに繋がっていることが多いようです。
自社はどのような業務に力を入れていくかを考えて業務の切り分けを行い、適切な体制を構築すればよいと思います。

単価から視るオフショア開発3:ノンコア業務か、コア業務か

どういう業務を発注するかによって、必要な人材のスペックは変わってきます。
インテリジェントな業務か、作業に近いオペレーション業務か、
設計や仕様書作成などの上流工程が含まれるか、プログラミングやテスト中心の業務か、
もちろんコア業務を担える人材はコストが高くなります。

※2020年5月追記
今やオペレーション業務は減っていたり、自動化されていたりするかもしれません。
テレワーク導入後に問題のあまりなかった業務を切り出すのもよいですね。
大掛かりなシステム保守の一次応対や、簡単な機能追加などが今はオススメかもしれません。

単価から視るオフショア開発4:スポットでの契約か、長期契約か

契約
1~6ヶ月くらいの短期の契約か、うまくいけば数年以上続く内容か、
これは受託する側の問題ですが、長期契約であれば、採用や教育にまつわるコストも、
デスクやPC、ソフトウェアなどの初期コストも長期で按分できるため、価格を抑えやすくなります

反対にスポットの契約であれば、色々なコストを短期で吸収しなければならず高くなってしまいます

※2020年5月追記
バイタリフィでも契約期間に応じて値引き率を設定しており、長期契約ほど顧客にとってメリットになるようにしています。当初はお試し3か月契約をして感触を確かめ、その後1年契約に移行するのが一般的となっています。

単価から視るオフショア開発5:何名規模の契約か

契約人数が多くなれば、受託側もリソースをうまく活用できるため、コストメリットを提供しやすいです。
長期間、一定規模の人数を抑えるとコストメリットを教授できます。

※2020年5月追記
多いのがBSE1名、エンジニア3~5名の契約です。既存サービスの保守エンハンスを行いながら、機能追加や改善をしていく内容です。10名を超える規模のものや、2名で行うものまで顧客のニーズに合わせて柔軟に体制構築はさせていただいております。

単価から視るオフショア開発まとめ

いかがでしょうか。
オフショア開発の単価はあまり問題でなくなると思います。

貴社がオフショア開発に何を求めるのか、外部に出るお金と内部のコストをどのようにマネジメントするのか。
単価を安くするためには、なにかをトレードオフにしなければなりません。
貴社の人事戦略、コスト戦略にも関わってくる問題です。

オフショア開発に求めたいことは何ですか。
一度弊社のほうまでご相談ください。
長年のナレッジを元に最適なご提案をさせていただきます。

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バイタリフィ並びにベトナム子会社のバイタリフィアジアでは、ベトナムでのオフショア開発に加えて、将来ベトナムのマーケットを狙っていきたい企業のお手伝いができるよう現地情報の提供を行っております、

また、ハイリスクかつ費用の高額な現地法人設立の前に低コスト&リスクでベトナム進出を試せる拠点開設プランなど、13年以上に及ぶベトナムでのオフショア開発経験を活かした+αのサービスとメリットを提供しております。無料でご相談頂けますので、ぜひ一度お気軽にお問合せいただけましたら幸いです。

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