新規事業を始めたいときや事業を見直したいときに役に立つのがビジネスフレームワークです。ビジネスフレームワークとは、なかなか纏まりづらいビジネスのアイディアをフレームワークを使うことで整理し客観的に見られるようにするものです。
しかし、ビジネスフレームワークには様々な種類があり目的に合わせて選ぶ必要があります。
そこで本記事では、数あるビジネスフレームワークの中でもよく使われるものを紹介していきます。
目次
■ビジネスフレームワーク1:PDCA
これからビジネスのための施策を打っていくという時は、PDCAサイクルが重要になります。
PDCAとは、Plan、Do、Check、Actionの頭文字をとったもので、下記のサイクルを回していくことを指しています。
・Plan: 施策を計画する
・Do: 施策を打つ
・Check:思索の効果を振り返る
・Action:改善策を考えて実行する
ビジネスにおいて大切なことは、より良い施策を打ち続けることです。施策を打たないというのは論外ですが、施策を打ちっぱなしで振り返ることがないと効果測定ができず改善ができません。
PDCAサイクルをしっかりと回していくことで、施策とその結果を通してマーケットとユーザーのインサイトを得ることができ、しっかりと改善策につなげていくことができます。
■ビジネスフレームワーク2:5W1H
情報の整理をしたいときに最適なのが5W1Hです。非常に基本的なフレームワークで、下記の要素を書き出すことでより詳細なビジネスイメージを持つことができます。
・When (いつ)
・Where(どこで)
・Who(誰が)
・What(何を)
・Why(なぜ)
・How(どのように)
商品を売りたいときや広告施策を打つときに、それが誰にどのように届くのかを想像することで何をすべきかがはっきりすることがあります。例えば、バレンタインのキャンペーンを行うときには下記のように整理します。
・When バレンタイン近く
・Where コンビニで
・Who 会社へ通う途中にコンビニに寄る人々
・What 気軽に送れるチョコレートギフト
・Why 同僚への感謝の気持ちを表すための軽めのバレンタインギフトを贈るため
・How コンビニで購入し持っていく
こうして具体的に書き出すことで商品を売るためにどのようなユーザーをターゲットにして何をすべきかのアイディアを絞ることができます。
■ビジネスフレームワーク3:MECE(ミーシー)
MECEは、Mutually(お互いに) Exclusive(重複なく), Collectively(全体的に) Exhaustive(漏れがない)の頭文字をとったもので、漏れなく、重複なく物事を考えるというロジカルシンキングの基本の考え方です。なので、MECE自体は厳密にはフレームワークではありませんが、この考え方にのっとって要素を整理・分析していくフレームワークが多くあります。
例えば、事業の状況や自社の立ち位置を整理するために使われる3C分析は顧客(Customer)、競合他社(Competitor)、自社分析(Company)の観点から情報を書き出していくものですが、要素に抜け漏れが内容に整理されたフレームワークとなっており見落としが少なくなります。
SWOT分析も同じように、自社の状況を内部環境と外部環境、強みと弱み、事業の機会と脅威で分けて書き出して分析していくものです。これもMECEの考え方に基づいていると言って良いでしょう。
このように情報を被りなく、かつ漏れがないように整理していくのがMECEに基づいたフレームワークです。
■ビジネスフレームワーク4:マンダラート
目標達成のためのフレームワークにはマンダラートと呼ばれるものがあります。
マンダラートは、3×3の9つの小マスが9つ並んで表になったものです。
一番真ん中のマスには達成したい最終目標を書き、その周りの8マスにその目標を達成するために必要なものを書き出します。
その8つをそれぞれ小マスの真ん中に配置し、その周りの8マスにまたその真ん中の小目標を達成するために必要なものを書き出すことで、目標達成に必要なことが細かく分解されることになります。
大きな目標を立ててもなかなか行動まで落ちないということは多いと思いますが、マンダラートを使うことで目標達成までにやるべきことが明確になり計画も立てやすくなります。
■ビジネスフレームワーク5:PEST分析(ペスト分析)
PEST分析とは、マーケティングにおいて使われるフレームワークでマクロ環境を分析するために使われるものです。
ビジネスは常にマクロ環境、つまり経済や社会動向などの全体的な外部要因によって左右されるという考え方のもと、まずはビジネスをやろうとしている環境を分析していくものになっています。
P:Political/Legal(政治)
ビジネスに関わる政治の動向や法規制の動き
E:Economical(経済)
ビジネスを行う場所の経済の状況。GPA、所得、為替など。
S:Social/Cultural(社会)
ビジネスを行う場所の社会状況。価値観や流行のもの、人口の動体、生活様式など。
T:Technology(技術)
ビジネスに関係がありそうな技術。
上記の要素で分析を行なっていきますが、このときに「今」の状況を整理することと同時にビジネスの時間軸を入れてある程度未来予測をしていくことも必要になります。例えばこれから経済が悪化しそうという場合はそれも視野に入れて書き出したり、新しい技術が話題になっておりまだ実用化はされていないもののこれから影響がありそうという場合はそれを予測していく必要があります。
■ビジネスフレームワーク6:バリューチェーン
バリューチェーンとは、自社や競合の事業を機能ごとに分けて分析していくフレームワークです。
ビジネスにおいては様々な機能がありますが、主活動として購買物流、製造/オペレーション、出荷物流、マーケティング/販売、サービスを置き、それを支援する支援活動として企業インフラ、人材資源の管理、技術開発、調達と定めて整理していきます。
どの部分にどのくらい価値があるのか、どのようなことができそうかを工程ごとに見られるようになるのがバリューチェーンのメリットで、競合他社との差別化をどこで行なっていくのかを議論するためのたたき台にもなります。
「バリューチェーン」と名前が付いているように、ビジネスを工程に分けて製品のバリューがどこにあるのかを分析することで、価値の連鎖(チェーン)を最適化することができます。
■ビジネスフレームワークまとめ
事業アイディアを考えていると、アイディアがまとまらずに事業を進めづらくなってしまうこともあります。そのような時にはビジネスフレームワークを使って考えを整理してみましょう。
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