表の川勝です。オフショア開発は日本においても浸透してきましたが、今後どうなっていくのでしょうか。
2017年1月24日の記事で、2020年末までに、日本のIT人材は質的に30万人以上の不足に陥る。IT部門の10%が組織の「一員」としてロボットやスマートマシンを採用する。ガートナージャパンの予測
以前から業界人にとっては周知のことと思いますが、日本でのIT人材の不足は深刻となっており、その解決策としてオフショア開発を中心とした外国人労働者に依存していくことは間違い無さそうです。
私なりに検証してみました。
1、国・地域はどこが選ばれるか?
オフショア開発の目的によりますが、コスパや人材の豊富さ、アクセスの容易さ、親和性などを考えると2017年は引き続きベトナムが主役を担いそうです。ベトナムの中でも総合点はホーチミンが一番高いと思います。
飛行機の便数、他国へのアクセス、日本食の充実度など、私が訪問した他の都市との比較では群を抜いています。
次にフィリピンでしょうか。アクセスのよさと英語が通じるというところは大きな魅力です。難点は、治安問題とマネジメントの難しさと言われています。
その他はオフショア開発の目的に応じてになります。事業者サイドの視点でいくと、馴染みの薄い国で事業展開していることは真新しさに繋がり、営業上の優位性につながることもあります。
最近はルワンダ(アフリカ中部)の話も聞きますが、人件費だけで見るとITエンジニアはどこの国もさほど変わらない印象です。
たとえば新卒のエンジニアの給与でみると、
ベトナム 350~400USD
カンボジア 250~350USD
この位の差であれば、仮に100人雇っても直接人件費は月100万円くらいしか変わりません。
そこにアクセスの容易さやインフラ、セキュリティコスト、マネジメントコストを加味すると
カンボジアでオフショア開発をする金銭的なメリットは減ります。
このように総合的に見ていくと、ベトナムが最もコスパの優れている国と言えます。
▼参考記事:オフショア開発はなぜベトナムがいいのか?
http://vitalify.jp/app-lab/why_vietname_is_best_for_offshore/
2、オフショア開発の競合はなにか?
競合を図るには顧客ニーズを知る必要があります。
「オフショア開発」における顧客ニーズは、
A)ITエンジニアのリソース確保
B)コスト削減
C)グローバル開発、海外進出という投資の側面
以上3つと思います。
A)のITエンジニアリソースの確保という点においては、SES会社や人材会社が競合。
B)コスト削減目的の顧客には、ニアショア開発やクラウドワーカー(在宅ワーカー)などが競合。
C)の場合は現地の進出支援会社や会計会社が競合になりそうです。
どの顧客ニーズに対応していくのかによって競合は変わってきそうです。
競合でもあり協業もできる関係になるかもしれません。
3、今後のオフショア開発はどうなるか。
ベトナムでのオフショア開発の場合、単価はBSE35~40万円/月、エンジニアが30~35万円/月となっています。
だいたい5名チームくらいがコスパの上がる体制ですが、月額155~180万円掛かります。
エンジニア1人当たりで38~45万円です。
単価としては微妙な水準です。もう少し単価が上がれば、
「新卒採用して教育したほうがいいのでは」 ⇒ 既にレッドオーシャン化している?
「外注したほうがいいかも」 ⇒ より専門化細分化されていく ⇒ 単価も上がる?
「オフショア開発でなく、外国人を呼ぼう、雇用しよう」 ⇒ 本命
弊社はオフショア開発を提供する事業者でもあり、オフショア開発を活用して自社リソースを賄っているユーザーでもあります。
ユーザーとして見た場合、エンジニアを日本に呼んで開発を進めることは、オフショア開発の唯一の問題点であるコミュニケーションロスを解消できるので、生産性向上には非常に有益です。
弊社はベトナム人エンジニアを常時15名くらい日本のオフィスに呼んでおり、日本とベトナムでハイブリッド開発を行っています。
新規開発は日本で行い、エンハンスや保守とベトナムで、あるいは、
スマートフォンのアプリ部分の開発を日本で行い、サーバーサイドの開発をベトナムで行う、などです。
このようなグローバル開発が主流になるのではないでしょうか。
オフショア開発を進めることも、外国人を日本に呼んで一緒に働くことも、理屈ではわかっても、実際に実行するには物理的心理的ハードルは高いです。
弊社は11年以上に及ぶオフショア開発のノウハウと、外国人を日本に呼んで日常生活の支援をしながら、業務ルーティンに乗せるノウハウを持っています。累計で50名以上は日本に呼んでおり、パフォーマンスを上げ、エンジニアに生活の安心を与えています。
バイタリフィではオフショア開発を提供することも、ベトナム人をお客様のオフィスに派遣することも、紹介することも可能です。これからのIT人材不足には外国人を活用したハイブリッド開発です。是非ご相談ください。
※本文は私の主観に基づき記載しています。