アプリ開発の進め方

2022.05.20

WEB/アプリ開発

【初級編】アプリ開発の進め方を解説!流れや手順を理解しよう。

アプリ開発してみたいけど、どうやって進めるの?
アプリ開発の進め方を事前に把握しておきたい。

スマートフォンの利用が日常化している昨今、アプリの需要も拡大しています。

本記事では、アプリ開発を進める際、知っておくべき全体の進め方や流れについて解説していきます。特に「アプリを作りたいけど、どこから手を付ければいいか分からない」とお悩みの方におすすめの記事です。全体像を把握し理解を深めるようにしましょう。ぜひ最後までご一読ください!

1. アプリ開発の進め方・手順・流れの全体像

まず前提として、アプリ開発の大まかな流れは4つ(企画、設計、開発、リリース以降)あります。1つ1つ解説していきます。

1-1. 企画

まず最初のステップは企画段階のフェーズです。企画段階では、どんなアプリを制作するのか?検討・選定していきます。例えば、「アプリのコンセプトは何か?」「どんなユーザーに向けたアプリか?」「ユーザーに提供する価値は何か?」「ビジネスで達成したい目的は何か?」など、土台となる部分を決めていきます。

もしこの段階でアプリの目的やコンセプトが不明瞭な場合、開発が途中で頓挫するケースや仕様の変更を繰り返すケースも起こり得ます。アプリの良し悪しを決める重要なフェーズだと認識しましょう。そして、重要だからこそ企画フェーズには時間がかかります。万全な状態を維持するためにも、ある程度の時間を事前に確保しておくようにしましょう。

企画段階で何を考える必要があるのか?については「メモ機能アプリを作る」ことを例に解説していきます。メモ機能アプリを作るならまず、iphoneのメモ機能など、既存エディタとの違いを明らかにする必要があります。「既存エディタには、どのような課題があるのか?」リストアップし、それを解消できる機能を考えます。もし、既存エディタの挙動(動作)が重いと感じるなら、限界までリソースを削減する。既存エディタの記録機能が不便と感じるなら、一度のタップで一括実施できる仕組みを構築するなど…様々なアイデアを出し、採用する機能をピックアップしていきます。また、「ios・android両方で使えるアプリにしたい」など、実行環境に関する検討も重要です。特定の機種で動作を実現させたいなら、その機種のスペックを事前にチェックしておく必要もあります。作りたいアプリを企画する段階では、先を見越した準備が必要になること押さえておきましょう。

【参考】企画段階でアプリの方向性が決まったら、要件定義書に落とし込みます。項目(システムの概要や仕上がり、プロジェクトの概要やゴール、将来的なアプリユーザーの要望や開発側の必要要件、いらない機能要件、アプリで得られるメリットなど)は様々ありますが、プロジェクトの命運を握る重要なフェーズです。

1-2. 設計

設計段階に入ったら、企画を具体的な仕様に落とし込んでいきます。ポイントとなるのは開発を想定し、具体的なアルゴリズムを考え盛り込んだフローチャートを作成することです。次工程である開発に必要となる設計書になるイメージと捉えると分かりやすいです。

フローチャートを作るとプログラム構造を整理することができるので、開発スピードの向上につながります。フローチャートは基本的に線やブロックを用いて作成していきます。作成のポイントとしては、処理の流れを視覚化したものを作り論理的に破綻させないことやスムーズに開発を進められるような流れを意識して作成することが大切です。このフローチャートがうまくできていないと、開発をしながら試行錯誤することになるため、スピード感をもった開発を行えなくなる可能性もでてきます。スピード感をもったアプリ開発を希望する方は、この点に注意すると良いでしょう。

また、エラー処理についても、具体的な方法をフローチャートに盛り込んでおくとよいです。理由としては、デバッグの際に分かりやすい指標となるため、完成までの期間を短くできる可能性が高まるからです。起こり得るエラーを想定し事前対策をしておくといったイメージをもつとわかりやすいでしょう。

【参考】設計を細かく分けると、ユーザーの目に触れる箇所の設計を示す外部設計(アプリの構成やデザイン、各画面のレイアウトや操作方法など)。外部設計の内容をどのようにプログラムを組み実装するか?落とし込む内部設計(データ、モジュール、プログラムなど)。両者を検討する必要があります。外部設計であれば、ユーザーの目に触れる部分を検討することになるため、常にユーザー視点でいること。内部設計であれば、開発者が効率よくプログラムを組めるよう意識することが大切です。

1-3. 開発

Tips.1 コーディング前

開発段階に入ったら、先述の設計どおりにコーディングを行うフェーズに入ります。開発は個人で行う場合とチームを組んで行う場合があります。後者の場合、「各クラスやモジュールごとに担当者を決める」「チーム内で役割分担する」「どのように連携させるのか?共通する変数を定める」など、チーム全体のルールを確認する必要があります。チームが大規模なら、各プログラマーの適性を見極め仕事を割り振るディレクターをアサインする必要もあります。コーディングを行う前に、人材調整が必要になる点を押さえておくと良いでしょう。アプリ開発を外注する場合は、適した人材をアサインできるよう開発ベンダー側が調整してくれます。

Tips2. コーディング着手後

人材調整が済んだら、プロトタイプ(完成アプリを模したもの)を作るフェーズに入ります。本格的なコーディングを始める前にプロトタイプを作ることでバグ混入の可能性を下げる狙いがあります。アプリ開発の進め方として押さえておくようにしましょう。

プロトタイプを作る際は、基盤となるコードを作ったうえで、少しずつテストを繰り返し開発を進めるようにすると良いと言われています。コーディングが終わると、実装されたコードをテストするフェーズに入ります。具体的には、予想通りにコードが動作するのか?「単体テスト」「結合テスト」「総合テスト」を実施していきます。単体テストは、モジュールや画面ごとに指示通りの動きをするか確認を行います。その後、結合テストと呼ばれる単体テストで試したものを合体させ、正常に動くかどうか確認テストを行います。結合テストでは、単体テストで確認したモジュールを繋げ合わせるテストとなるため、モジュール間の結合状態は問題ないか?確認していく必要があります。単独ではうまく動いても、他のコードと合わせることで不都合が生じるケースは往々にしてあります。不具合の発生は予定していたアプリリリース日の遅延を招く恐れもあるので注意が必要です。そして最後、総合テストと呼ばれる一連の流れを確認する作業に入ります。本番を想定したテストを実施するイメージと捉えると分かりやすいでしょう。

【参考】開発は経験による実力差が大きい傾向にあります。重要度が高いクラスやモジュールは複数人に担当させるなど、アサイン状況を柔軟に変えるのもよいでしょう。ただその場合は、引き継ぎの方法について決める必要もでてきます。人数が増える分、各所で調整が必要になる点押さえておきましょう。

1-4. アプリリリース以降

開発段階が終わると、実際にアプリをリリースするフェーズに入ります。アプリ開発を行ううえで、アプリリリースは一種の節目となりますが、ここで終わりではありません。アプリをリリースした後は、機能改善・アップデートできる体制整備が必要になってきます。この理由としては、実際に利用したユーザーからバグの報告を受けることがあるからです。

アプリを利用するユーザーの中には、開発側が想定していない使い方をするユーザーが出てくることもあるため、バグの報告やアプリのUIUXに関する様々な意見がくる可能性があります。企画から開発段階で事前に把握できていることが望ましいですが、実際に触ってみて気付くことも多いため、アプリをリリースした後もアプリをグロースさせる体制を構築しておく点を押さえておくと良いでしょう。

また、アプリは使ってもらえないと意味がないため、アプリの利用率をあげるためのマーケティング施策を考える必要もあります。アプリリリース後は、アプリをグロースさせるための開発体制構築・マーケティング施策の立案を行うことが望ましい点、押さえておきましょう。

【参考】アプリ開発を外注する場合は、運用(アプリが安定稼働する状態を維持してくれるサポート)、保守(アプリリリース後に発見された不具合を直すなどのサポート)を依頼することができます。アプリリリース後のアプリ管理を自社で行えない場合は開発ベンダーを頼るとよいでしょう。

アプリ開発の全体像・大まかな流れは以上になります。ここからは実際にアプリ開発する際に選択することになり得るアプリ開発手法を解説していきます。

2. 大まかなアプリ開発手法の種類について

アプリ開発を行う際に用いられる開発手法は、大きく分けて2種類あります。

2-1. アジャイル開発

アプリ開発手法1つめはアジャイル開発です。アジャイル開発は、計画、設計、実装、テストといった開発プロセスを細かなサイクルで繰り返す開発手法です。「機敏な」を意味する英単語「agile」が由来の開発手法で、各機能をブラッシュアップしながらアプリを完成させていきます。

アジャイル開発は、開発途中の仕様変更に柔軟に対応できる点がメリットで、段階的に機能をリリースすることも可能です。リリース開始までのリードタイムが短縮できるとともに、開発途中でユーザーからのフィードバックも受けられるので、ユーザーニーズを反映した開発ができます。また、不具合が発生した場合においても、修正にかかる工程が少ないというメリットもあります。一方で、開発スケジュールの管理が難しいのがデメリットです。開発の方針や仕様を変更するたびにスケジュールを修正しなければならないので、高い管理スキルが求められます。加えて、定期的に最初の方針を確認しながら開発を進めないと、開発の方向性にブレが生じてプロジェクトが長期化したり、コストが増大したりする恐れがあります。

2-2. ウォーターフォール開発

アプリ開発手法2つめはウォーターフォール開発です。ウォーターフォール開発は、「滝」を意味する「waterfall」を語源とした開発手法で、企画、計画、設計、実装、テストという各開発プロセスを段階的に終わらせていくのが特徴です。各プロセスを順番に実行していくので、開発途中で前の工程に戻ることはありません。

ウォーターフォール開発は、あらかじめ機能や仕様を明確にした上で開発がスタートするので、開発するアプリの質を担保しやすいというメリットがあります。加えて、開発を開始する段階で作業量が明確になっているので、スケジュール管理や予算の見積もりが容易という利点もあります。ただし、開発途中の仕様変更へ柔軟に対応するのが難しいとともに、開発期間が長期化しやすいという側面があるので注意が必要です。

以上が2種類のアプリ開発方法の違いとなりますが、スピーディーな開発やユーザーニーズに応じたアプリ開発を重視するならアジャイル開発が適しています。加えて、開発途中で仕様変更が起こる可能性が高い場合もアジャイル開発がおすすめです。一方で、大規模なプロジェクトや開発するアプリのクオリティを優先したい場合は、ウォーターフォール開発が適しています。

3. アプリ開発手法ごとの進め方

ではここからは、前述した開発手法毎の進め方を解説していきます。

3-1. アジャイル開発の進め方

まずは、アジャイル開発です。アジャイル開発には進め方がいくつかありますが、代表的なものとしては、チームワークやコミュニケーションを重視する「スクラム」と呼ばれる進め方です。スクラムはユーザーを巻き込みながら開発する手法です。顧客価値の最大化を図りつつ素早くプロダクトを完成できる特長をもっています。

スクラムは、プロダクトオーナー(開発の方向性を定め、プロダクトの価値を最大化させる人物)、スクラムマスター(スクラム開発を円滑に進めるべく開発チームのマネジメントを行う人物)、開発担当者が10人以下のチームを組み、機能単位で「計画、設計、開発、テスト、リリース」といったサイクルを繰り返し開発を進めます。そして、スクラムをより細かくみていくと5つのプロセスに分かれています。

  • スプリントプランニング(スクラムを行ううえで作業の計画を立てるプロセス)
  • スプリント(1か月を上限とし、スプリントプランニングでたてた計画に基づき、設計・開発・テストの実施や機能リリースを行うプロセス)
  • デイリースクラム(円滑にスプリントを行っていくために行われる定例ミーティング)
  • スプリントレビュー(できたものを検査・評価するなど、レビューを行うプロセス)
  • スプリントレトロスペクティブ(できたものの品質や効果を高める方法を計画・検討するプロセス)

アジャイル開発の進め方には他にも、開発者を中心とした開発手法である「エクストリームプログラミング(XP)」、ユーザーの機能価値を中心とした開発手法である「ユーザー機能駆動開発(FDD)」と呼ばれる進め方が存在しています。

3-2. ウォーターフォール開発の進め方

次に、ウォーターフォール開発です。ウォーターフォール開発は、開発手順がシンプルなため分かりやすいと言われることが多い開発手法です。進め方としては、前述したアプリ開発の進め方「企画、設計、開発、リリース」を一つ一つ順番に行っていきます。機能や詳細な仕様を細かく決めてから開発スタートすることもあり、「前の工程に戻らない」ことを前提として開発が進んでいきます。

あらかじめ、開発したいアプリの機能・仕様が明確という場合にはウォーターフォール手法。アプリ開発を進めながら機能・仕様変更に柔軟に対応していきたい場合にはアジャイル開発を選択すると良いと言えます。

4. まとめ

アプリ開発は、大きく4つのフェーズ(企画、設計、開発、リリース以降)に別れて進んでいきます。自社でアプリ開発を行うリソースがない場合は、開発ベンダーへ依頼する方が多いと思います。アプリ開発会社17選~比較方法・選び方も解説!~では、おすすめのアプリ開発会社から、アプリ開発会社の比較方法・選び方を解説しています。会社選定の参考になります、ぜひご一読ください。

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本記事を執筆する株式会社バイタリフィは、設立から16年以上アプリ開発に携わるWeb制作会社です。業種業界問わず豊富な実績・知見を保有しております。アプリ開発を行う際に肝となる企画から、保守運用やサービスをリリースさせる分析業務といったアプリリリース後のサポートまで一気通貫で対応できます。アプリ開発に関するお悩み事がございましたらお気軽にご相談いただけますと幸いです。

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