アプリリニューアル

2022.05.27

WEB/アプリ開発

アプリのリニューアルを成功させるには?事例からみるポイント解説

スマートフォンの普及に伴いアプリ利用者が急増しています。自社でアプリ運用を行うには、時代の流れやユーザニーズに合わせたアプリのリニューアルを検討していく必要があります。

本記事では、アプリのリニューアルを“成功へ導く”ための方法をご紹介しています。

アプリのリニューアルで良い効果をもたらすには、成功ポイントを事前に押さえておく必要があります。アプリのリニューアルに費やす時間や費用を無駄にしない為にも、ぜひ最後までご一読ください。

1. アプリのリニューアルへ踏み込むケース

まず前提として、アプリのリニューアルへ着手するタイミングはいつがいいのか?本章では、アプリのリニューアルに踏み込む代表的なケースを解説していきます。

1-1. 搭載機能を追加・拡張したい

アプリのリニューアルに踏み込むケース1つめは、搭載機能を追加・拡張する必要がある場合です。

理由は様々ですが「ユーザーの声をもとに機能を追加・拡張したい」「利便性の向上を目的に機能を追加・拡張したい」など、既存のアプリに搭載されている機能を追加・拡張したいと感じた時にアプリのリニューアルへ踏み込むケースがみられます。例えば、EC通販アプリであれば、プッシュ通知機能やAR機能を付けたい。メディアアプリであれば、キーワード検索機能をつけたいなど、アプリリリース時にはなかったものを追加・拡張する様子がみられています。

1-2. UIUXの改善をしたい

アプリのリニューアルに踏み込むケース2つめは、UIUX改善の必要がある場合です。

アプリにおけるUIUXはユーザビリティの向上に欠かせない要素ですが、アプリリリース後に改善するケースは少なくありません。理由としては、アプリを利用してくれるユーザーから不満や不具合、改善希望の声が集まる可能性が高いからです。

ユーザーはアプリのことを使いやすい便利なツールと認識しています。そのため、少しでも使いづらさや見づらさがあると不満の声に繋がる場合が多いです。例えば、アプリの操作性やデザイン、速度に関する不満の声が多くなる傾向にあります。操作性でいえば、スマートフォンの操作はスムーズだけど別の端末(タブレットなど)では操作しづらい。デザインでいえば、見栄えはいいがタップしづらい位置にコンテンツがある。速度でいえば、コンテンツ表示に時間がかかるなど、寄せられる声は様々です。ユーザーからの不満の声が多い・増えているなど、アプリユーザーに何らかの動向がみられた場合はリニューアルへ踏み込むタイミングと言えるかもしれません。

1-3. 社内体制の変化

アプリのリニューアルに踏み込むケース3つめは、社内体制に変化があった場合です。

アプリを運用していくには、開発担当者、マーケティング担当者、営業、カスタマーサポートなど、複数名のチームで動いていくことがほとんどです。しかし、何らかの方針で社内体制が入れ替わる、チームメンバーが丸ごと入れ替わるといった社内体制の変化がみられる場合、アプリの運用方針にも影響を及ぼす可能性があります。そのため、アプリリニューアルを行うことでアプリ運用しやすい体制に立て直すケースもあるようです。

2. アプリのリニューアル事例6選

ではここからは、アプリのリニューアル事例について解説していきます。事例を見ると自社のアプリをリニューアルする際、具体的なイメージが湧くようになります。

事例1:レディースファッション通販アプリ MAGASEEK(株式会社マガシーク)

MAGASEEK

1つめの成功事例としては、株式会社マガシークが運営するレディースファッション通販アプリ MAGASEEK  の事例です。スマートフォンアプリ版 MAGASEEK リリース当初に課題としてあがっていた「アプリの機能面(WEBビューの動作が重い、導線が悪いなど)」「アプリの販促面」を改善すべく大幅なリニューアルを実施。UI導線の改善やユーザーデータとCRMツールとの連携行が行われました。ユーザー側の利便性だけでなく、運用側の利便性も向上した事例といえます。

事例2:Catch the wave 波伝説・マリンウェザー 海快晴(株式会社サーフレジェンド)

2つめの成功事例としては、株式会社サーフレジェンドが運営する Catch the wave 波伝説マリンウェザー 海快晴 です。この2つのアプリは過去にフルリニューアルされました。具体的に追加された機能としては、アプリ内課金機能や予報システム連携機能、地図アプリ連携機能などです。アプリ内課金では、Apple/Googleが提供している自動継続課金機能や課金結果をサービスの会員情報と紐づける仕組みの追加、スマートフォン端末買い替え時に有効な購入状態の復元機能などが追加されました。予報システム連携では、独自予報と気象庁の予想データが併記できるよう調整されました。地図アプリ連携では、予報データの見たい場所を検索する仕組みとしてネイティブ地図アプリと連携、検索機能が実装されました。フルリニューアルしたことで、ユーザビリティが向上した事例といえます。

事例3:POCKET PARCO(株式会社パルコ)

3つめの成功事例としては、先進的な新機能を搭載したPOCKET PARCOの事例です。2016年にリニューアルが行われ、AIを使ったレコメンド機能が搭載されました。具体的には、ユーザの行動をもとにAIが最適な情報を自動で配信する仕組みです。2018年には、店舗を歩いた歩数に合わせてポイントが付与されるサービスも導入されました。来店や購買行動促進を狙う効果がありパブリシティー効果が非常に高いリニューアル事例といえます。

事例4:KOBE LETTUCE(株式会社マキシム)

4つめの成功事例としては、運用体制を見直したKOBE LETTUCEの事例です。KOBE LETTUCEはファッションECサイトの1つですが、システムの変更に伴ってリニューアルを行いました。具体的には、独自開発していた部分を開発ツールへ乗り変えるというものです。結果、ECショップ全体の売り上げアップに貢献し開発コストの削減や社内リソースの節約、運営効率化につながる結果となりました。

事例5:ケンタッキーフライドチキン公式モバイルアプリ(日本KFCホールディングス株式会社)

5つめの成功事例としては、ケンタッキーフライドチキン公式アプリ(以下、KFC公式アプリ)の事例です。KFC公式アプリは、2017年10月に「会員証」「マイページ」機能を追加。具体的には、KFCカードやPontaカードの情報をKFC公式アプリに連携し登録できる機能です。これにより、会員証を店頭でかざすだけでカード情報が読み込まれるようになり、KFCカードのチャージや商品購入、Pontaカードのポイント付与ができるようになりました。一方マイページ機能は、会員証機能を含むユーザー向け情報を1画面にまとめることでUI改善につながりました。コミュニケーションの最適化を狙った事例といえます。

事例6:ユニクロアプリ(株式会社ユニクロ)

6つめの成功事例としては、ユニクロ公式アプリの事例です。ユニクロ公式アプリは2016年に大幅リニューアルを行いました。リニューアルしたのは「お気に入り機能」「店頭在庫確認機能」「購入履歴蓄積機能」3点です。特に、店頭でバーコードを読み取ることで購入履歴が蓄積される機能は、店頭でのアプリ起動を誘発する狙いもあります。リニューアルを機に使いやすさの向上だけでなく、副次的なアプリダウンロード数の増加も狙った事例といえます。

3. 【必読】アプリのリニューアルを成功させるためのポイント

アプリのリニューアルには、多くの時間と費用を費やします。アプリをリニューアルしてよかったと思えるよう、成功ポイントを押さえておきましょう。

【必読】アプリのリニューアルを成功させるためのポイント

ポイント1. ユーザーの声を重要視する

アプリのリニューアルを成功させるためのポイント1つめは、ユーザーの声を重要視することです。理由としては、アプリはユーザーがいることで成り立つ市場だからです。ユーザーが求めるものは何か?また、これからリニューアルする予定のものはユーザーのためになるか?しっかり考えるようにしましょう。ユーザー満足度の高いアプリであればユーザーが自ら口コミをしてくれるなど、サービスの認知拡大に貢献してくれることもあります。ユーザー視点でいることを心がけましょう。

ポイント2. 市場の動き・ニーズを捉える

アプリのリニューアルを成功させるためのポイント2つめは、市場の動き・ニーズを捉えることです。今の市場ではどんな機能が求められているのか?不満を感じやすい点はどこか?どんなデザインが好まれてるのか?競合アプリで人気があるのは?など、変化し続ける市場の変化を適切に捉えることが大切です。アプリユーザーの二―ズに答えるのはもちろんですが、アプリを取り巻く市場の流れ・ニーズを捉えることで、その時に即したリニューアルを行えるようになります。アプリのリニューアルを検討する際は、早い段階で市場・ニーズの動向調査を行うようにしましょう。

ポイント3. 他社との差別化を図る

アプリのリニューアルを成功させるためのポイント3つめは、他社と差別化を図ることです。アプリ開発において、競合他社は無視できない存在です。アプリをグロースさせ、より多くの方に使ってもらうためには、他社と同じことをしていても効果は薄いといえます。そのため、競合他社よりも優れた機能を追加する、他社にはない機能を追加するなど、競合他社を意識した対策をとることが大切です。自社事情ばかりに目が行きがちですが、他社の動向を気にすることも忘れないようにしましょう。

ポイント4. 現在のアプリ運用も加味したリニューアル計画を立てる

アプリのリニューアルを成功させるためのポイント4つめは、現在のアプリ運用も加味したリニューアル計画を立てることです。アプリのリニューアルを進めていく時でも、アプリ運用が止まることはありません。イメージとしては、アプリ運用とリニューアルが同時進行で進んでいくと考えると分かりやすいです。現在のアプリ運用に支障をきたさない開発体制やスケジュールになっているか?など、影響範囲を意識した計画をたてるようにしましょう。また、余裕をもったスケジュールを組むことも大切です。

ポイント5. 費用対効果の測定方法を決めておく

アプリのリニューアルを成功させるためのポイント5つめは、費用対効果の測定方法を決めておくことです。アプリのリニューアル後「リニューアル前と比べてどんな効果が出ているか?」図れる指標を設定しておくようにしましょう。例えば、アプリ内からのコンバージョン数やアプリ内の滞在時間、アプリのダウンロード数など設定できる指標は様々あります。より具体的に効果を算出できる指標を選ぶとよいでしょう。

4. アプリのリニューアル時に知っておきたい進め方

ここからは、アプリのリニューアル時に知っておきたい進め方を紹介します。

アプリのリニューアル時に知っておきたい進め方

アプリリニューアルの進め方1. 現状のアプリから問題点を抽出

アプリのリニューアルを行う際はまず、現状のアプリから問題点を抽出する作業から始めます。ユーザーの声から拾う、自社で問題点を洗い出すなど、現状のアプリに足りないものや改善すべきポイントをまとめるようにしましょう。よくある問題としては、機能面の劣化やデザインの統一性欠如、外部要因によるトラブル、コーディングの煩雑化などがあります。アプリリリース当初設定した目標値から大きく乖離するものがあれば、そこを問題点として加えるのもよいでしょう。

アプリリニューアルの進め方2. リニューアルの企画・設計

問題点を抽出できたら、具体的にどんな機能を追加すべきか?アイデアを出し、リニューアル項目を明確化していきます。企画が固まれば、あとは自社で開発を行うor外部の開発会社へ依頼する工程に入ります(外部の開発会社へ依頼する場合は、会社選定作業を行う必要もあります)。

アプリリニューアルのタイミングも企画段階で決める必要があります。創業記念日や新サービススタートなど、企業にまつわる記念日を利用するケースも多く見られるので、節目のタイミングがある場合は利用してみるのも良いでしょう。

設計では、アプリのリニューアルにおける詳細部分を詰めていきます。要件定義、外部設計、内部設計、テストなど大きく4つの工程を踏む流れになります(アプリ開発の流れについては、【初級編】アプリ開発の進め方を解説!流れや手順を理解しよう。で解説しています)。

アプリリニューアルの進め方3. リニューアルの開発

リニューアルの企画、設計ができたら開発に入ります。自社・外部委託共に、定期的な進捗確認を実施するようにしましょう。

アプリリニューアルの進め方4. 広報活動

アプリのリニューアル開発が終わったら本リリースに向け広報活動を行います。リニューアルによって何が変わったのか?どんなメリットが得られるのか?など、アプリのリニューアルによってユーザーが得られるメリットの通知準備を行いましょう。

リニューアルを通知する方法は、公式Webサイト、プレスリリース、SNS、プッシュ通知など様々です。ユーザーに伝わりやすい、もしくはユーザーが混乱しにくい通知方法を選択するとよいでしょう。

アプリリニューアルの進め方5. リニューアル後のマーケティング

アプリのリニューアル公開後は、アプリをグロースさせるためのマーケティング施策を検討します。また、アプリ運用をスムーズに行うための保守運用も実施します。リニューアルを行って満足するのではなく、リニューアルしてからが本番という気持ちで望むようにしましょう。(アプリリリース後のマーケティングについては、アプリを最大限グロースさせるには?~押さえておきたい3つのポイント~で詳しく解説しています)。

5. まとめ

アプリリニューアルが成功すれば「UIUX改善で導線が整いユーザーの利便性向上」「カラーデザイン一新で認知拡大」「最新テクノロジー導入で機能性向上」など、副次的効果が期待できるようになります。また、リニューアルするタイミングでマーケティング施策(SEO対策など)を講じることで更に効果向上が見込めるようになります。

多くの時間や費用を費やすアプリリニューアルだからこそ、徹底的に事前準備を行い効果につなげていきましょう。

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