毎度、川勝です。
最近は毎月ベトナムに行っています。
よく聞かれることなどを中心にベトナムのこと書きたいと思います。
■最近の変化はどういうことを感じますか。
物価は比較的安定しているにも関わらず最低賃金は最大で17%も上がるそうです。
235万ドンが275万ドンに。40万ドン(約2000円)の上昇です。
最低賃金は主に大量に雇用している工場系のワーカーさんに適用されると思いますが、1000人規模の工場も多くあるため、月200万円も運転資金が上がるというのは厳しいと思います。
我々ITのオフショア開発の場合はそもそもコストが高いほうなので、最低賃金上昇による直接的な打撃はありませんが、最近のベトナムの賃金増を見ていると、どんな業種であれ、もはやローコスト狙いで海外にオペレーションセンターを置くことはそろそろ限界に近づいていると感じます。
人件費が急に2割近く上がる国で、コストセンターを運営していると物理的に成り立ちません。
賃金の安さ以外のなにかがないと、会社を存続させることすら難しくなってきていると思います。
■日系企業の進出状況はどうですか。
飲食店や小売店は目に見えて多く進出してきていますので、我々日本人にとっては非常に住みやすくなってきています。ただ、日本人を対象にしているだけではパイが小さいため、短期的に撤退している店舗もあるようです。ベトナムで人気のある飲食小売店は、日本人や欧米人といった外国人受けもよく、かつ現地の人にも受け入れられるようなサービスが中心になっています。価格帯は日本とベトナムローカルの中間くらいでしょうか。居酒屋で1人1500~2000円くらいで満足を得られるようなお店が人気あるようです。
■視察はどういった企業が多いですか。
あらゆる業種の方が来られており、引き続きベトナムに対する注目の高さが伺えます。
ITにおいては、発注先を見に来るというよりは、自前での進出を前提に調査目的で来られている会社がかなり増えたと思います。
前述のように賃金は結構なピッチで上がっていますので、「ローコストな製造拠点」という観点では難しくなってきているので、現地マーケットへ営業展開をすることも踏まえて、グローバル戦略が必要と思います。
■外資へのライセンスや法的リスクはどうですか。
ベトナムは資源の少ない国だし、付加価値の高い自国のサービスもないので貿易収支は恒常的に赤字です。1986年のドイモイ政策で市場開放は進めており、外資規制のあった業種も少しずつ開放されてきています。
感覚的には外資のライセンスに対して厳しくなることはなく、徐々に緩和されてくると思います。
ただし、小売りや金融などの国の根幹をなすような業種は引き続き外資の参入が困難です。
よって外資がECをやることも現在はできません。
■IT業界について
ベトナムでのオフショア開発に対する需要は急激に増えています。
ただ上述のようにコストメリットは長く続かない可能性もあるため長期的な戦略も必要と思います。またオフショア開発はスケールメリットなので、10数名規模ではメリットが見込みにくいです。
こんな感じでしょうか。
ベトナムについて興味のある方は弊社のほうまでお問い合わせください。
是非一緒にやっていきましょう!