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    心理学とディレクションについて本気出して考えてみた。

    どうも、青髪ディレクター(最近は色落ちしてほぼ緑)の河野です。
    前回は結構真面目にSEO記事っぽい書き出しでしたが、これからは気楽な感じで始めようと思います。

    さて、先日会社でコーヒーを淹れていたら、横で会議をしていた里山部長から「心理学」と「ディレクター」という単語が聞こえてきました。採用か何かの話かなーと思いつつ、この2単語が河野的にクリティカルヒット。

    なぜなら私、心理学部卒のディレクターなのです。まあ中途入社なので何学部卒とかあんまり関係ないのかもですし、卒業してからすぐにディレクターになったわけではないのですが。

    それでふと思ったわけです。「仕事している中で、心理学やっててよかったかもと思うことちらほらあるな」と。

    ということで今回は
    「心理学とディレクションについて本気出して考えてみた」
    というテーマで書こうと思います。

    これから就活をする心理学部の学生さんや、採用する側の参考になったりすれば幸いです。

    心理学部卒、キャリア悩みがち

    心理学部に限ったことではないんですが……結構キャリア悩ましいところありません?

    心理学を学んだからといってカウンセラーになるかと言われるとそうでもないし、そもそも社会心理学専攻してたらカウンセラーとか全然関係ないし、じゃあ資格でも取るか?となっても臨床心理士取るには大学院行かなきゃだし……

    とまあ、大学生の自分はそんな感じでぼへーっと「どーしよっかなー」となっていました。

    心理を学習したので何ができますか?となると、具体的な仕事に結びつけるのが難しいんですよね。英語ができますとか、プログラミングができますとかではないので。

    そんな感じで、キャリアに悩む心理学部生って結構いるような気がします。人によっては「私って何ができるんだろう」とかなっちゃうかもですね。

    でも、実は心理学を学ぶことで、他の学問とはまた違う学びやメリットを享受してるんです。

    心理学を学んで何ができるのか

    じゃあ心理学を学んで何ができるのさ、となると、ざっくりこのあたりが考えられます。

    あ、河野が臨床心理とか発達心理系ではないので、やや社会心理寄りになるのはご容赦ください。

    心を読むのではなく、推測する・理解する

    心理学あるある「じゃあ心が読めるってこと?」と言われる。いやわからんわ、エスパーちゃうねんぞ。

    ただ、心理学を学ぶことで、「こう思うかもしれない」「こうしたらいいかもしれない」を推測しやすくはなると思います。心に対する向き合い方を、様々な手法で試したり学んだりしているからです。

    だからエスパーのように「今あなたこう思ってるでしょ?」まではいかなくても「こういうことがあったから、こう思ってるかもしれないなぁ」くらいは推測しやすい人が多いと思います。

    そしてその考えや気持ちを、深く理解するにはどうすればいいのか、どんな考えがあるのか、可能性を多面的に考えることも知っているかと。

    心という不定形で、数値化しづらいものを理解するには、とにかく多様な考えを認めたり、多面的に物事を考えたりする必要があります。そういった手法を学んできたのが心理学部生、と思っています。

    他者の目線で考える

    前項にややかぶりますが、自分だけの考えに固執せず、他人の考えを考慮できるようにもなっていると思います。

    心理学ではとにかくいろんな考え方を知るタイミングがたくさんあります。それはフロイトとかの過去の研究者の考えから、現代のアンケート結果、実際に行われた心理実験の結果など様々です。

    有名な心理実験で、監獄実験というのがあります。一般人を看守と囚人に分けて過ごさせるというようなものです。この実験の結果を踏まえ、なぜ看守はあのようにしたのか、なぜ囚人はあのようにしたのかなどを考察していくのが心理学です。

    つまり、他者の目線になって思考するということを学生時代によくやっているのが心理学生、と言えるんじゃないかなと思います。

    余談ですが、監獄実験はかなり悲惨な運命をたどっています。映画にもなっているので、気になる方は是非。

    丁寧かつ深堀できるヒアリング

    まあ心理学と言えばこれみたいなところありますよね。大体の心理学生はカウンセリング技法とか、データ収集のためのヒアリングとかを授業でやっている(と思う)ので、このあたりは結構強みだと思います。

    特にカウンセリングはラポール(信頼)の形成や、傾聴のテクニックなど、人の話をとにかく聞いて理解するには!みたいな授業になるので、ヒアリング能力はかなり高くなると思います。

    なお、河野は社会心理系ではありましたが、カウンセリング技法の授業は取ってました。全然知らない学生と自己紹介して、いろいろ聞いて、それを他己紹介するとかやりましたね。懐かしい。

    心理統計による定量的な分析

    これは社会心理系に限った話かもしれないですが……実は心理学って統計の話も多いんですよね。

    要は色々な事象についての傾向などを分析して、分類して、結論付けて……という形になるので、そのためにアンケートなどを統計学的に分析することも多々あります。

    がっつり心理統計を使うぞ!という場面は社会では少ないやもしれませんが、いわゆるマーケ的な感じで定量分析する場面で親和性があったりするかと。

    心理学×ディレクターの親和性

    さて、心理学生はこんなことができるかも?というお話をしてきましたが、ここまで出した内容って結構ディレクターに通ずるものがあるんですよね。

    いくつか思い当たるものをご紹介しましょう。

    お客様とのコミュニケーションがスムーズ

    ヒアリング能力や他者目線も相まって、基本的にコミュニケーションをスムーズにする技法が備わっていると言っても過言ではないです。なので、お客様などに対してのコミュニケーションをスムーズかつ最適に行っていくことができると思います。

    自分がそこまでできているかはわからないですが、お客様とやり取りしていると「心理学やっててよかったー!」と思うタイミングは結構ありますね。話がサクサク進んだり、悩みが解決できたなと感じるとやっぱりうれしいですし。

    社内でのコミュニケーションもスムーズ

    まあ当然ながら社内コミュニケーションもスムーズに進められるでしょう。

    しかも多面的にものごとを理解しようと思う人が多いので、ディレクター以外の人や非エンジニア(営業など)への連携・説明力なども期待できるポイントです。

    ディレクターは対外的なコミュニケーションだけでなく、内部的なコミュニケーションを円滑にして、プロジェクトを成功に導くことが求められます。となると、こういったコミュニケーション力は強みになるよなと思う次第です。

    ユーザー目線を踏まえた提案

    他者目線や多面的に考える、そしてデータを踏まえた分析など、割とマーケティング的な思考と心理学は親和性が強いです。

    となると、UI/UXの改善や、導線改善によるコンバージョン改善など、ユーザー目線を考えて提案できる能力も期待できちゃうわけですね。

    私もマーケはかじった口で、割と楽しくやれていた部分も多くありました。心理学とマーケは相性いいです。たぶん。

    心理学部卒ディレクターには強みがある、と思う

    まあそんな感じで、思いつくままにつらつら書いてみました。

    河野的には、心理学を学んだ人は、人が好きだったり人のことを考えるのが好き、面白いと思う人だと思います。

    そういう方は、プロジェクトを進めていく上であらゆる人とのバランサーになれると思うので、ディレクターという職業は結構向いているのではないでしょうか?

    心理学生諸君、ディレクターは、いいぞ。