制作部の里山です。
AIの進化の凄まじさを体感する日々が続いています。個人的にはAIは電気と同等のインフラだと捉えており、生活や仕事に対してAIがもたらすインパクトは絶大だと感じます。
昨今のIT業界では、AIの進化を踏まえてプロセスやロールの再定義が進んでいると認識しています。最近自分の目に留まっているのは、「FDE」「AIXデザイナー」という言葉(ロール)です。
FDE(Forward Deployed Engineer)
このロールはPalantir Technologies社が定義したと言われており、同社の採用ページでは以下の様に説明されています。
The Original Forward Deployed Software Engineer
At Palantir, the Forward Deployed Software Engineer (FDSE) role isn’t just a job title: it’s the blueprint. We pioneered this unique position, embedding talented engineers directly with our customers to tackle their most pressing challenges head-on. As an FDSE, you’ll be at the intersection of world-changing problems and impactful technology, shaping solutions where they matter most.
引用元:Forward Deployed Software Engineer
FDEという言葉は2025年ごろから急激に広まっているようで、とくにOpenAIやAnthropicがFDE専門の会社や組織を立ち上げたことがニュースになっています。日本では日立、NTT DATA、NEC、富士通といった大手IT企業もFDEの拡充を急いでいるようです。
参考:IT大手4社、「FDE」拡充急ぐ 日立は26年度内に国内1000人
FDEについては様々な解説がありますが、大まかには「顧客の業務に深く入り込み、AIを軸とした自社の強みを活用して、課題の可視化・解決策の実装・運用の仕組みを提供し、顧客が自走して成果を出せるように支援する」と言われています。これを一人で行う場合もあればチームで行う場合もあり、IBMではFDU(Forward Deployed Unit)を立ち上げているようです。
参考:日本IBM、AIで顧客の業務を再設計するコンサルサービス
FDEの業務において、オフラインコミュニケーションは重要視されている観点です。Web会議や資料から把握できる情報の量と質には限界があります。実際の業務現場を眼で見る、空気を感じる、自分がユーザーになる、自分で運用を手伝うなど、リアルな情報は現場を感じないと得るのが難しいです。そして、現場や決裁者と密にコミュニケーションを取り、数日〜数週間の単位でAIアプリケーションをデプロイして効果測定を繰り返し、エコシステムに浸透させることがFDEのミッションです。
AIX(AI eXperience)デザイナー
このロールはサイバーエージェント社が定義したもので、同社のニュースページでは以下のように説明されています。
AIXデザイナーとは
AIX(Al eXperience)デザイナーとは、AIを前提とした開発プロセスに参画し、ビジネス課題の発見・ユーザー体験の設計から、実際に動くプロダクトの実装・改善までを担うデザイナーです。
AIによって制作工程を効率化するだけでなく、AIと協働することで、サービスで実現したい体験をより速く、より高い品質で形にし、プロダクトや事業の成果をリードしていくことを目指します。
引用元:AI時代の新たなデザイナー像「AIXデザイナー」を定義
デザインを作る、プログラムを書くという仕事はAIが強みを発揮する領域であり、省人化が進んでいます。業務を理解し、最適なユーザー体験を設計して形にする。その改善を繰り返す。FDEと重なるところは多々あります。活用するツール等は異なれど、ポイントは同じですね。
本質は変わっていないが再定義することに意味はある
ここまで書いてきた内容はIT業界では以前から言われ続けていたことが多々含まれますが、AIが様々な常識を塗り替えている中で時代に合わせた変化が必要ですね。具体論についていくつか考えはありますが、ここでは控えておきます。長くIT業界にいると「結局、常駐SESみたいなものでは?」と感じるかもしれませんが、そこで思考を止めず、自身や組織の価値観・働き方をアップデートしていく必要があります。
「最も強いものが生き残るのではなく、最も賢いものが生き延びるのでもない。唯一生き残るものは、変化できるものである。」というダーウィンの言葉は20年以上前に新卒入社した会社の初日に全社会議で言われてずっと印象に残っており、大事にしている価値観の一つです。
では。