どうも。石川です。
今回も石川が期待している映画を紹介したいと思います。
今回は「大脱出」です。
シルベスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーが共演。
熱い気持ちを忘れない一部の男たちには堪らない組み合わせになっております。
ストーリーは無実の罪の投獄された男がかつて自分が設計した監獄から
逃げるために囚人たちの頂点に立つ男と手を組むというものです。
シルベスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガー。
80年代から90年台前半のハリウッドでは彼らのようないわゆる「筋肉アクションスター」が映画界を席巻していました。
映画館では屈強な男たちが問答無用でテロリスト(悪い奴ら)を殺していました。
ある意味、ハリウッドが一番馬鹿だった時代だと言えます。
その中で80年代の筋肉アクションを牽引してたのが二人でした。
シルベスター・スタローンはロッキーでアメリカンドリームを体現するような存在になりました。
しかしそれと同時に反逆者たちの敗北が描かれていたアメリカン・ニューシネマを終わらせてしまいました。
ロッキーで夢を掴んだスタローンでしたが、その後はなかなか良い役が得られずにいました。
そんな中で彼が主演で公開されたのはランボーでした。筋肉アクションスターという彼のイメージを決定づけた作品でありますが、その実はベトナム戦争で心に傷を負った帰還兵が迫害され続け、とうとう我慢が出来なくなり武器を取るという、何も考えずに敵を倒す筋肉アクションとは正反対のものでした。
このランボーのヒットをきっかけにスタローンは今では舐められがちな「筋肉アクションスター」になっていきましたが、ランボーや彼はどこか暴力のどうしようもなさを表現していたように思います。
アーノルド・シュワルツェネッガーはボディビルダーのチャンピオンとなり、映画界に乗り込みましたが、最初から明るい道を歩めていたわけではありませんでした。
オーストリアの出身であった彼は英語の訛りがひどく聞き取りにくかったため、初めて出演した映画ではセリフがすべて別の俳優に吹き替えられていました。
そんな中、公開されたのが「コナン・ザ・グレート」でした。
この作品でもシュワルツネッガーのセリフは少なく、表情も変わりませんが、アクションは凄い。
原題は「Conan the Barbarian」
バーバリアン。つまり野蛮人のことですね。この野蛮人のごときアクションを日曜洋画劇場で見た僕は興奮したのを覚えています。
「コナン・ザ・グレート」で一躍、有名になったシュワルツネッガーでしたが、安定的な人気を得たとは言い難いものでした。
特にコナン・ザ・グレートでで評価されたのはあくまで自分のアクション。
もう少し、演技を評価されたいと思ったシュワルツネッガーがあったのはジェームズ・キャメロンでした。
ジェームズ・キャメロンはその当時書いた「ターミネーター」の脚本が話題になっており、
ターミネーターに出演するためにシュワルツネッガーは直接、キャメロンに交渉をしに行ったのです。
その当時、シュワルツネッガーが希望していたのはサラ・コナーを守る未来から来た戦士のカイル・リース。
キャメロンは最初、英語も下手で、表情の変化もないシュワルツネッガーをまったく相手にしませんでした。
しかしキャメロンが癖でシュワルツネッガーの絵を書いているときにターミネーターにシュワルツネッガーが
ぴったりだと思い、オファーしたそうです。
ちなみにシュワルツネッガーはその時、何を言われているのかさっぱり分かっていなかったようです。
こうして「ターミネーター」はヒットし、その続編の「ターミネーター2」は映画史に残る傑作となりました。
二人はアクション界のスタートして活躍しましたが、徐々に加齢とともに出演が減っていき、そして2001年に911のテロが起きました。
アメリカの映画界が能天気に悪人を倒すだけの映画は作れなくなりました。
そして筋肉アクションというジャンル自体が鼻で笑われるものになってしまいした。
しかしなめるなよと叫んだ男がいました。
そう、シルベスター・スタローンです。「ランボー3 怒りのアフガン」は911のあとは完全に皮肉なものとなり、映画スターとしても嘲笑の対象になっていましたが、彼は負けませんでした。
自分のキャリアを築き上げた「ロッキー」と「ランボー」を原点回帰しつつも見事に復活させ、映画会にスタローンありと示したのです。
その後に彼が行ったのは「筋肉アクション」というジャンルの復活、そう「エクスペンダブルズ」でした。
自分と同じ時代を生きた仲間たちを再結集し、再び映画会に戦いを挑んだのです。
しかし、カリフォルニアの州知事としての仕事が忙しかったシュワルツネッガーは1シーンに出演するのみでした。
その後の「エクスペンダブルズ2」ではやっと二人は共演しました。
とは言え、僕自身映画自体の出来は大満足でしたが、二人の共演という意味ではあまり楽しめませんでした。
そしてこの「大脱出」です。
カリフォルニア知事としての職務を終え、映画会に復帰したアーノルド・シュワルツネッガーと今やアクションスターとしての勢いを取り戻したスタローンが共演するなら見るしかありません。