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    カテゴリー 日常 / プライベート

    第4の壁をぶち破る「デッドプール」

    どうも石川です。今回も僕が期待している映画を紹介します。
    今回は「デッドプール」です。

    あらすじ:X-MEN シリーズから誕生したキャラクター、デッドプールが大活躍する。

    デッドプールを演じるのはX-MEN ZEROでデッドプールを演じたライアン・レイノルズです。
    この人がどういう人かというとバットマンの出版社のDCコミックスのヒーロー、
    グリーン・ランタンを演じていて、元妻はアベンジャーズのブラック・ウィドウ役の
    スカーレット・ヨハンソンというアメコミ尽くしな人です。

    X-MENやスパイダーマンの出版社、マーベルとDCコミックスがアメコミ界の2大巨頭で
    どちらも映画製作に乗り出していますが、どちらのヒーローも演じるのは珍しいです。
    (他にもいるのかもしれませんが、ぱっと調べても出てきませんでした…)
    監督はVFXクリエイター出身のティム・ミラーです。

    なんでこんな情報の少ない内からデッドプールの紹介したのかと言うと、
    それはデッドプールというのがアメコミヒーローの中でかなり特異な性質を持っていて、
    恐らく映画にも反映されると思うからです。

    特異な性質というのは「第四の壁の破壊」です。
    第四の壁とは映画や演劇などの物語と僕達が生きている現実との境界線のことです。
    これを破壊するというのはつまり、物語の中のキャラクターが現実の僕達に向かって話したり、
    僕らが存在することを意識して行動したりすることです。

    例えばテレビアニメで「テレビの前のみんな!」と話しかけるものです。
    ちなみに僕の薄い映画体験で言うとアニー・ホールとかファニーゲームとかで
    かなり印象的に使われていました。

    元々はドイツの劇作家ブレヒトが名づけた舞台劇の手法で異化効果を与えるためのものでした。

    どんどん色んな言葉が出てきますが、異化効果とは通常私達がTVや映画館で見る物語は登場人物、
    多くは主人公に感情移入させて観客に物語内の出来事を追体験させます。
    つまり観客に、物語を主観的に現実のように感じてもらおうをとするのです。

    しかし異化効果は登場人物に感情移入させず、あくまで物語は物語として、鑑賞させます。
    観客は誰に感情移入もできないので客観的に、まるで神の視点で物語を観察します。

    デッドプールというキャラクターはこの第四の壁の破壊をし徹底的に異化効果を
    起こす有名なキャラクターなのです。
    どれくらい有名かというと第四の壁で調べると1ページ目にデッドプールの名前が
    出てくるくらいです。(そんなでもない?)

    観客に話しかけるのは序の口である敵の能力で存在を消されると
    編集部に直談判して復活したりました。
    正直、アメコミものは生死の境目が飛び越えやすというか、死んだキャラクターが
    すぐ復活するんですが、こんな理由で復活したキャラクターはデッドプールくらいだと思います。
    (ちなみにデッドプールはウルヴァリンと同じく不死なので死にません)

    映画の情報は出ていませんが、本作の撮影前にプレ的に作られたと言われている予告編では
    しっかりこっちに話かけてきます。
    またアニメ、ディスク・ウォーズ・アベンジャーズでも登場し、やりたい放題やってました。

    上述の通り、デッドプールは非常にコメディ色の高いキャラクターです。
    なぜ彼がこれだけ、第4の壁を破壊するかというとそれは異化効果は実にコメディと相性が
    よいからです。

    例えばある人物が周りの迷惑な人たちに振り回されるドタバタコメディがあったとします。
    彼の主観で物語を語れば、迷惑な人達に振り回されるのは悲劇になりますが、
    客観的に見れば振り回される彼の姿はコメディに見えるはずです。

    デッドプールは自分がコミックのキャラクターであるということを自覚した発言を繰り返すことで、
    観客に客観性を与え、コメディとして笑わせてくれるのです。

    古くからある一見、難しく見える舞台劇の手法は今もなお、アメコミのヒーローによって行われているのです。
    ということで、映画版も第四の壁の破壊をしてくれると思いますので、ぜひ劇場でご鑑賞下さい