最近、汝は人狼なりや?という対戦ゲームにハマっています。
今日は人工知能は人狼で勝てるのか?
という素朴な疑問について考えてみました。
人狼のルールを知っている人を対象に書くので、
知らない人は「人狼 実況動画」で検索のこと。
■人狼は会話ゲームである
人工知能にとって、人狼で最初の障壁が会話です。
会話なくして人狼ゲームは成り立たない。
どんなに推理能力が高くてもしゃべれないやつは初日に寡黙釣りされてオワリです。
会話AIで最も有名なのは「女子高生りんな」でしょうか?
このページでりんなのアルゴリズムを解説していますが
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1605/27/news110.html
思ったよりもスゴイ。
これを実現させちゃうインフラがヤバイね・・
りんなは「聞いている人を気持ちよくさせる」をコンセプトに評価値を決めているようです。
人狼知能の場合は「相手に信頼される」が基本コンセプトになるでしょう。
でもそれが問題。なぜなら・・・
■人工知能であるという逆説的なハンデ
ヒトは嘘をつくのが苦手です。
嘘をつくと心拍数が上がり、早口になり、相手から目をそらしてしまう。
だから人狼は難しい。
初心者が人狼になり、完璧な作戦を立てたとしても、仕草や表情で一目で嘘とわかってしまう。
一方、人工知能にはそのハンデがない。
心臓もないし声も震えない。
だからもし、相手に人工知能だと知られると、
「嘘なのではないか」と余計に警戒されることになります。
よほど村にとって欠かせない優秀なプレーヤーか、
なんらかの魅力のあるプレーヤーでない限り、
初日か2日目に釣られて終わるでしょう。
嘘が得意なことは人狼にはメリットでも村には脅威でしかないから。
■人狼プロトコル
さて、こうした会話技術の障壁を、
一介の開発者が趣味で越えていくのは辛すぎます。
そこで考え出されたのが「人狼プロトコル」。
http://aiwolf.org/protocol
人狼の人工知能大会の公式ルールで、独自に設定された言語で人工知能同士が会話できます。
が、まだまだ発展途上のよう。例えば、
“ESTIMATE Agent0 WEREWOLF”
という文で「私はAgent0さんが狼だと思う」という意思表明ができる。
だが人狼の醍醐味である、
「私は私はAgent0さんが狼だと思う。なぜなら~~~」
という推理お披露目の文法が用意されていない。
AI同士ではそれでよくても、
それでは人間と一緒に遊べないし、観戦して面白いともいえません。
人間が観戦して面白くない
↓
開発費が集まらない
↓
インフラが整備できず、高深度の学習ができない
↓
人間に勝てない
・・・っていう結論ね。
強くて嘘が上手くて愛嬌のある、
そんな人工知能と一緒に人狼ゲームを遊べる日が、早く来てほしいと思ってます。