毎度、川勝です。
「徳川家康」(山岡荘八著)を読んでいます。全26巻と大作です。
歴史小説は好きでよく読むのですが、ボリュームがあるため避けていました。
また家康は、信長や秀吉に比べて個性がさほど強くない印象もあり、
過去の私には興味が湧かなく、読まなかったのかもしれません。
最近の日経新聞のある経営者のおすすめの小説で紹介されていたこともあり、
「待つこと」「我慢すること」が自分の課題と思っていたこともあり、読んでみることにしました。
今は9巻を読んでいるのですが、めちゃくちゃ面白いです。
秀吉が天下人に向けて突き進んでおり、家康は地元の三河近辺の地固めを行っています。
家康は我慢の人です。「泣かぬなら泣くまで待とうホトトギス」そのものです。
家康を読んでいると我慢することが良い結果を導くことがよくわかります。
いくつか気に入った語録を紹介します。
「人生はな、重い荷物を背負って一歩一歩坂道をのぼるようなものだ。
と思えばこそ、早まった油断はないかと思案を重ねてみているのだ」
「よく咀嚼して何度も舌の上で味わい直すと、麦一粒にもたまらない味がある。
人生も戦もそれと同じに違いない。」
「運命は人の力で動くや否や?動かぬものを動かそうとするのでは徒労であり、
動くものに手をつけないのでは怠慢だった。といって、人の動きにつれてうごく運命と、
運命の動きにつれてうごく人生とが確かにある。
(中略)人間には自分を絶対と信じて動くよりほかない、ぎりぎりの一線がある」
「家臣はみ宝、家臣はわが師、家臣はわが影じゃ」
「神はみずから助くるものを助くるのである。運命などいかなる場合にも試みてよいものでなかった。
絶えざる用意、絶えざる精進、堪忍に堪忍を重ねて、ただそれに徹する以外に道はなかったのだ。」
「人間の姿にはおよそ4つの面があった。その二つは欠点。あと二つが美点であれば上乗の人間で、
欠点三で美点一の者が多い。といって、一の美点もない人間は存在せず、それは対者が発見の努力を怠っているからだと信じている。したがって、人と人との争いはその欠点の争いにはじまり、人と人との和合は美点のふれ合うところにうまれてゆく。」
「むさぼらぬこと。所有の欲念から解き放たれること」
「多数の人々の意思を無視して動くことは、悠久に流れる歴史の本流にあらがうことで、
いかなる力の持ち主もやがて自滅し去るという必然の理がありそうであった。」
あと17巻もあるので、これからもいろいろと学べそうで楽しみです。