会話、対話、交渉(折衝)


    どうも。
    伊藤です。

    気難しいタイトルですが・・・要はコミュニケーションについてです。
    私は大学を卒業してから14年間一貫して制作者、作り手側の立場として仕事を続けてきたため、創造力、企画力、制作力、技術力など作り手としての能力を磨き、日々アンテナを張り生活をしてきました。
    ただし、実は最も重要な能力は「コミュニケーション能力」だと思っています。(当然ながら、作り手としての能力も兼ね備えている事が前提です。)

    モノを作る時、ほとんどの場合、誰かのために作ります。
    自分のためだけに作るのであればコミュニケーションは不要かも知れませんが、自分以外の誰かのためにモノを作るのであれば、相手が本当に喜ぶモノ、必要としているモノを作るべきです。そしてそこで重要となるのがコミュニケーション能力です。

    コミュニケーション能力って?

     コミュニケーション能力を大別すると、「話す力」と「聴く力」になると思います。共に重要な力であり、どちらか一方が欠けてしまうとコミュニケーションに問題が生じますが、私の考えでは「話す力」 < 「聴く力」だと思っています。そして、タイトルにもあるように、状況や目的に応じてコミュニケーションの方法(会話、対話、交渉)を使い分ける力も必要です。

     冗談を言って場を盛り上げたりする能力があれば、コミュケーション能力が高いという訳ではないので注意が必要です。状況に応じて必要な時に冗談を言い盛り上げているのであればそれはコミュニケーション能力の一つと言えますが、あくまでも一手段でしかありません。

     当たり前の事しか書いていませんが、コミュニケーションに関わる様々な書籍にあるような細かなテクニックはさておき、まずは「話す力」、「聴く力」、「状況や目的に応じた使い分け」を意識するだけでもコミュニケーション能力は高まると思います。

    話す力

     アナウンサーのように噛まずに流暢に話しをしたり、ダウンタウンの松ちゃんのようにオチを入れて話しをする能力は、並大抵の努力では身に付きません。お笑い芸人など話しが上手い人を見ると産まれ持っての素養や能力のように感じる人も居ると思いますが、私は基本的には努力や勉強をした結果と考えています(松ちゃんは産まれもっての天才かもですが)。そして、さすがにアナウンサーや芸人などコミュニケーションのプロを目指すのは敷居が高すぎるので、まずは以下のような簡単な所から始めていく事をお薦めします。

     ちなみに、会社のブログのため・・・私生活ではなく仕事、且つお客様とのコミュニケーションにフォーカスしています。


    ・出だしを否定(でも、ただ、~ですが)から始めない。
    ・相手の言葉に理解、興味を示した上で話す。
    ・相手の性格や立場を意識して話す。
    ・相手を喜ばせたいと思いながら話す。
    ・熱心に真剣に話す。
    ・自信を持った態度で話す。
    ・自信が無い(曖昧、責任が取れない)事は話さない。
    ・相手の目や仕草(反応)を見て話す。
    ・自分の表情に気を付けて話す。
    ・相手が話しをしたく(続けたく)なるように話す。

     特別な勉強は必要なく、意識することで簡単に始められるお薦めのトピックス10選です。あくまでも自論のため、ご参考までに・・・

    聴く力

     話す力同様に、聖徳太子のように何人もの話しを同時に聴き分ける力は必要ありません。こちらも同様に意識することで簡単に始められるお薦めのトピックス10選をご紹介します。


    ・うなずき、あいづちをしながら聴く。
    ・相手の話しを遮らない。
    ・相手の目や仕草を見て話しを聴く。
    ・自分の表情(微笑みなど)や仕草(反応)に気を付けて話しを聴く。(話しやすい環境を作る)
    ・内容に興味を持って(または興味を持っている風に)話しを聴く。
    ・言葉や文字に捉われず、相手が伝えたい内容に目的を絞り話しを聴く。
    ・相手がどのような気持ちで話しをしているのかを意識して話しを聴く。
    ・相手の性格を意識して(話し相手がどういう人なのか興味を持って)話しを聴く。
    ・相手を尊重して話しを聴く。
    ・素直な気持ちになり話しを聴く。

     コミュニケーションは相手が居て初めて成立します。という事は、話しを聴く力は非常に重要であり、ここを怠るとどれだけ話す力があってもそのコミュニケーションからは信頼や安心は生まれません。重要だと書きながら私自身もできていない事が多いですが、とにかく相手が話し易い環境を作り、相手の話しを引き出し、そしてそこから安心や信頼を築き上げる対応が重要だと思っています。

    状況や目的に応じた使い分け

     上記の話す力、聴く力は仕事上での「対話や交渉」においてのトピックスに偏っています。日常生活における家族、恋人、友人、同僚などとの「会話」であれば、必要のない項目もあり、逆に「会話」になると別途必要となるトピックスもあります。今回は仕事におけるコミュニケーションにフォーカスしているため、「対話」と「交渉」の違いについて書きたいと思います。

     言葉の意味や解釈の違いはあくまでも私の自論のため、間違っていたらすいません。大切なのは、仕事上でのコミュニケーションも状況により手法を使い分け、しっかりとした準備と主張が重要という点です。プレゼンなどの資料を用意する時や成果物を納品する時は誰でも準備を怠りませんが、方やそれ以外のコミュニケーション(特に対話)についてはしっかりとした準備をせず、相手の目的を引き出せていない、目的を相手に伝えきれていない、その場しのぎ、と感じるケースが多いです。

     私の解釈では、対話は「お互いを理解、信頼し合うために本音で話し合う事」で、交渉は「利害関係のある両者が互いの要求を主張し、両者の主張が最大になる妥協点を目指して合意形成する事」です。

     対話や交渉というキーワードでも多数の書籍が出版されていますが、私が言いたい事は以下です。


    ・対話をする前に、相手を知るための準備、自分を理解してもらうための準備をしておく。
    ・信頼を得るには、会社や商品とは別に自分自身も売り込む(理解、信頼してもらう)必要がある。
    ・対話をしないと信頼は生まれない。(交渉だけしていても信頼は生まれない)
    ・対話をできていないと交渉が上手くいかない。(両者の主張の最大の妥協点に落ち着かない)
    ・交渉は両者の主張が必要である。(相手の主張に合わせる事が交渉ではない)
    ・交渉は両者がWin-Winでないとその後継続しない。(両者の妥協点が一致しないと、その後の関係に繋がらない)

     こんな偉そうな事を書きましたが、定期的に妻から「俺は!俺は!って煩いな・・・」と言われています。主張ばかりでは駄目ですね。気を付けます!

    ではでは。