あなたの英語はどこから?「正解」がない英語の世界〜発音編〜

    はじめまして。一年間で3回オーストラリア・シドニーに行った新入社員の大竹です。

    バイタリフィでの内定者との顔合わせを兼ねた飲み会をしている最中に一人だけシドニーでビールとバーガーを楽しんでいた気がします。

    (そのせいで入社前に英語ペラペラと紹介されてしまった)

    Circular Quayの日の出。このために朝4時起きで頑張った・・・。

    外国人とばかり一緒にいて英語しか話していない生活をしていたのは事実なのですが、

    英会話を勉強している訳ではなくて言語学としての英語学に没頭しているタイプの人です。

    (ここ数ヶ月はコロナの影響で外国人がいないため、英語を話す機会が皆無に等しい・・・。

    外国人と英語が恋しい。)

     

    さて、そんな私の記念すべき初ブログは、愛する英語について書いてみようと思います。

     

     

    ズバリ!

     

     

    あなたの英語はどこから!?「正解」が無い英語の世界〜発音編〜

     

     

    さて、突然ですが皆さんは「水」って英語でどう【発音】しますか?

     

    きっと「ウォーターって言いたいけどウォーターじゃ通じないって

    教わったし・・・ワーラーみたいな感じ」と考えている人が大半だと思います。

     

    確かに単語帳の音声教材なんかも「ワーラー」みたいな感じで言っていますよね。

     

    それでは、「ウォーター」は間違いなのでしょうか。

     

    実は、私の友達の外国人は「ウォーター」と発音しています。

    私自身は「ウォーター」だったり「ウォラ」だったりと発音しています。

    「ワーラー」は基本的に使っていません。

     

    ん・・・?おかしいですね。外国人が「ウォーター」と言っているのもおかしいし、

    私の「ウォラ」に至ってはもはや意味不明ですよね。喧嘩でも売っているのかっていう言葉になっています。

     

    実は、これらの発音は全て「正解」と言えます。

    「ワーラー」は日本で一般的に教わる発音ですね。これは主にアメリカで使われる発音です。

    話者こそ多いもののどちらかと言えば「方言」なので、tの発音が抜けたりdに変わったり、

    oの発音を「ア」に近い形にするなど、スペルと発音の乖離が激しいのが特徴です。

     

    「ウォーター」はカタカナ語だけど英語ではないと思われがちな発音ですが、

    こちらは主にイギリスで使われる発音で、むしろ一番「正解」といえる発音です。

    英語は本来イギリスの言語ですからね。

    そして、カタカナ語はイギリスの発音からきているので、イギリス人やヨーロッパ圏の非ネイティブと話す際にはカタカナ語っぽく発音してあげた方がお互いに通じやすいです。

    (アメリカ訛り+日本語話者の訛り という二重の訛りがあると音が違いすぎて本当に通じないので)

     

    そして第3勢力、謎の「ウォラ」ですが、こちらはオーストラリアで特有の発音です。

    オーストラリアでは一般的な発音なので「ウォラ」と言えば通じますし、逆に「ウォーター」が通じない場合もまれにあります。

     

    本当はアメリカでも更に地域による違いが、イギリスとオーストラリアでは地域に加え社会的階級による違いまでもあります。

    社会的階級による違い・・・?と不思議に感じるでしょうけれど、なんとエリートになるにはエリートの発音が必要、と言われるほど特にイギリスでは英語の発音は重要な役割を果たします。

    このようなエリートの発音をPosh Accents(お上品な発音)と言います。

     

    俳優のトム・ヒドルストンはこのPosh Accentsで話すまさに「英国紳士」ですので、「Tom Hiddleston Accents」とYoutubeで検索してみてください。

    教材では聞いたことが無い、全く違う発音で話しているのがわかりますよ。

     

    さて、上流英語があるということはもちろん「下級層の発音」というものも存在します。

    ロンドンの下町英語「コックニー」はその一つとされ、「エイ」の発音が「アイ」に変化するという特徴があります。

    そして、イギリスの主にロンドン周辺の犯罪者の追放先として白人が集められたオーストラリアは、

    その歴史からコックニーと同様の発音傾向をベースに持ち、よく言う「オーストラリア英語」の発音も「エイ」が「アイ」に変わります。

    Fridayはフライダイに、Eightはアイトに、Faceはファイスに、といった形です。

     

    どうでしょう。ブログでご紹介したのはほんの触りでしかありませんが、それでも随分と様々な発音が出てきました。

    日本ではカタカナ語をはじめ、イギリスやオーストラリアの英語を使っていると「間違っている」と指摘されてしまう事が多いのですが、実は全て「正解」なんですね。

    英語に「決まった一つの正解」というものはありません。単語の読み方も複数あれば、子音や母音の発音も様々なバリエーションがあります。この奥深い英語の世界を楽しんでいただけたら幸いです。

    次回はスペル・文法編にしようかなぁ。