なつかしいもの、あたらしいもの

    ちょっと戻ってきた熱

    Appleの音楽配信のサブスクを利用しています。

    元洋楽ビデオクリップコレクターだったですが、なんだか最近少し熱が戻って来たように感じます。。特に好みを絞ることなくいろいろなジャンルを流れにまかせて聞いていて、洋邦楽とわず、エスノもエレクトロもオルタナもデスメタルもアニソンも劇伴もなんでもござれです。ランダムに拾って違和感なくレコメンドしてくれる。多様であるってすばらしい。

    『Fast Car』

    最近そんなストリームの中から捕まえて「おや?」と思ったのが、カントリーミュージシャン、ルーク・コムズの『Fast Car』です。

    Luke Combs – Fast Car

    ぐっと力強い唄いっぷりに惹かれました。

    原曲は1988年のトレイシー・チャップマン。
    Tracy Chapman – Fast Car

    カントリー・ミュージシャンといえば米国保守層向けガッツリというイメージだったのですが、BLM色の強そうな同曲がカバーされるのはとても驚きました。

    衛星放送向けの音楽専門チャンネルが自分の学生時代のバイト先でして、原曲は当時とても頻繁に聞いた曲。いまこうして聴き返すとまた若造だった当時とちがった滋味の深さを感じます。『Fast Car』はその後、多くのアーチストによるカバーがされてきた名曲でもあるのですが、カントリーミュージシャンがカバーするというニュアンスは、それこそジャスティン・ビーバーみたいな人がそうするのとは前述のように全然意味合いが違うなと思いました。

    黒人女性の思うようにならない生活と抜け出したい気持ちが綴られたという歌詞は、きれいな日本語訳をWebで披露されているかたがいますので興味あればテキトーにググってください。

    なぜルーク・コムズがこの曲をいま歌い、そして売れているのかは詳しくないです。ですが、気になってこのアーチストの背景や立ち位置をざっくり調べてみたら、すこし腑に落ちるとともに興味が湧いてきました。実はこうしたムーヴを歌う当人も狙っているのかもしれません。すこし「こっちを見ろ」と言われた気もいたします。時代を経て、原曲をよく聞いたあのころから、何かすごく世の中が変わったとは思えないのですが、ゆっくりと変わってもいるのだなと思う次第です。

    こういう驚きとか出会いが、ふと訪れるのはサブスクのいいところだよなと感じています。

    新顔

    ところでAppleといえば今週、Vision proが発表されましたね。正直、個人で買うほど余裕はないのですが興味津々です。

    最新機器なのにある種のレトロSF感あるフォルムがまず面白いです。単なるXRゴーグルというわけでもなさそうで、頭や眼球、手指のモーショントラックどころか、空間のトラッキングも行われます。センサー構成的にはまるで自動運転車みたいなハードウェアだなと思いました。なんか少しまた世の中が動くのでしょうか。

    Apple Vision Pro「やばい」。掛け値なしに驚きの体験、実機レポート

    セットアップ画面にはiPhone使って耳の位置を測定し…などという速報レポートを見てると、ああ、あの空間オーディオつきヘッドフォンの設定UIはここに繋がる前フリだったのね、などと妙に関心しました。フェイストラックによるアバター制御にしても既存製品のアレンジですし、いまあるアイテムのなかで小出しに披露されてきた機能が、一種未来で「ストーリーの伏線」「答え合わせ」のようになっているのも同社製品の魅力なのだなといつも思います。

    高価なハードウェアだな、とも思いますがその内容と作り込みを知るにつけ、むしろ安いのではと感じもします。自分の銀行口座のなかの現実はともかく、早く触る機会があるといいのですが。

    広がる想像と深い楔

    Vision proについては、すでに他製品でも行われているような運動障害のリハビリなどの医療方面、工業管理用ととか真面目な利用用途はなんぼでも思いつくものの、やはり普及の入り口はエンタメのインパクト性なのかなと思います。

    多様なセンサーで自室空間をリアルタイムにマッピング、MR投影できるのですから、3Dホラーコンテンツとか作ったら最恐だろうな、とか想像してます。市井に衝撃を与えてナンボなので、やっぱ楔が深く入るサンプルが効きそう。

    突然目の前が不穏に暗くなり、「あえて」リビングのテレビへ正確にマッピングされた貞子はぬるぬるっと出てくるでしょうし、伽椰子も階段の段差にあわせて這って降りてくるのでは。うひょー!こえー!布団のなかから出るのは勘弁してほしいです。

    サブスクのMRでJホラーお化け屋敷サービスとかできそうですが、夜中の自宅での体験はさすがに嫌ですね…。

    幅広い技術や演出手法を組み合わせてコンテンツを作る素養がいるわけですから、それをいろいろ活用する引き出しは持っておかないといけないですね。それでもまずフル活用するには作る側にも先立つゼニが必要なわけで。流行ったらどうするんすかねこれ。

    とりとめもない話ですが、以上です。